水原(スウォン)  Suwon

この水原(スウォン)編では,水原にある世界遺産華城(Hwaseong Fortress)の写真を載せました.

華城の蒼龍門

華城の蒼龍門

朝慶州では晴れていたが,ここ水原華城に来た頃はまた風雨が激しくなり,大変な観光となった.バスが止まった前にあったのは華城四大門の東門にあたる蒼龍門だそうだ.一目見て先ずは頑丈一点張り,びくともしない印象を受ける.

華城は朝鮮王朝第22代国王正祖が,陰謀により倒れた父親の墓を設け,またそれを守るためにこの蒼龍門のような城門,城壁や塔,楼閣を1794~1796年に築いたそうだ.墓を守るためにしてはあまりに堅固な構造物で固められ,まあ実質的にお城だそうだ.建設には延べ37万人という膨大な労力が投入されたそうだ.この蒼龍門の反対側窪みには建設に関わった資金などに関する記録が石に刻まれていた.

華城は城ではあるが,もちろん墓地であった訳で,正祖王の墓参はそれはそれは大掛かりな行列であったそうだ.きっと江戸への参勤交代以上であろう.


蒼龍門石積みと被弾の跡

蒼龍門石積みと被弾の跡

とても高精度に加工された石の土台が積まれている.石同士は漆喰で貼り合わせてあるように見える.こうしたピッタリ高精度の石積みはクスコなどに残るインカの石積みなどに匹敵するように思われた.

写真真中少し右の2,3の窪みは朝鮮戦争(韓国戦争)での砲弾で被弾した跡だそうである.当時攻め入られた韓国は,ソウルを中心に北軍によって3年間占領されたようである.

石の他に東北空心ドンと呼ばれる望楼などにはレンガも多用されている.西安などで見かけるような黒いレンガで,これは普通の茶色のレンガに比べて相当高強度であるそうだ.ただ華城建設当時,このレンガを焼く技術が無く,中国から技術導入したということだった.


山の麓まで広い華城

山の麓まで広い華城

水原の街を見下ろす銃眼の設けられた城壁から,振り返って華城内を見るとこんな風景が広がっている.向こうの山の近くまでが華城の範囲だそうだ.華城城壁の全長は5.7kmに達し,面積は130haで東京ドーム28個分になるそうだ.確かにお墓にしてはでかすぎる.写真のように現在は華城内に大きな道路も走り,バスが行き来している.また城内には弓道場などもあって,現在も大会などで活用されているそうだ.

華城建設の1796年ころは江戸時代寛政年間で,何でも消失させた悪人秀吉も流石ここでは登場しようもないが,近年自国民の一部放火や破壊事件などがあったようだ.ただ,損害は僅かでソウルの南大門のように致命的な損失には至らず幸いだったと思う.


下は,華城の写真

華城の写真
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水原(スウォン)の街

水原の街

古い町並みに新しい建物がどんどん増えているようだ.三国時代水原は高句麗の領土内で,統一新羅以降比較的小規模な町として歩んできたようだ.華城が建設されたとき,実現されなかったがここに遷都する話も持ち上がったこともあるようだ.実際このような立派な城を築いた王にはここに都を移す心づもりもあったのであろう.

また朝鮮戦争(韓国戦争)で北にソウルを占領されたとき,韓国臨時政府がここ水原に置かれたことがあるそうだ.


水原(スウォン)はなおも建設が続く

水原はなおも建設が続く

水原はソウル特別市から南35kmに位置し,高速道路も走り,地下鉄にも直結しているため人口が増えているそうだ.水原の道路は戦争になったとき滑走路に転用するため,長い区間直線で幅広く作られている場所が数カ所あるそうだ.ただキムさんがここがその代用滑走路区間です,とガイドするのは違反になるそうだ.台湾などにも滑走路転用道路があるが,ちゃんと説明してもらったように思う.

写真のように集合住宅(流石マンションと呼ぶには恥ずかしいので,アパートと呼ばれるそうだが)が盛んに建設されている.契約金(家賃)は2,000万円以上と非常に高いが,2年の賃貸契約期間が終わると所有権が借主に移転されるのが普通がそうである.つまり,建設主(貸し側)は借り側から受け取った高額の契約金を,高金利ウオン預金(7%くらい),債権などで2年間運用し,十分に利益を上げることが可能なのだそうだ.なお韓国で不動産屋はやはり良いビジネスで,特に地上げなどは高利益だそうだ.

ただ,こうした高額の賃貸契約金を若いカップルが用意するのは大変で,夫側の父親が資金提供するケースが多いという.(中国と似てますね)まあこうして住宅を用意して結婚するのだが,近年離婚は増えているそうだ.韓国では結婚後も妻の姓は変わらず元のまま,子供は夫側の姓を受け継ぐ(法的に)そうだ.離婚しても子供の姓を変更できなかったそうだ.そして連れ子で再婚すると,同じ家族なのに夫,妻,子供皆苗字が違うことになって,やはりあまり望ましくないそうで,離婚/再婚に対して一定のブレーキになっていたそうだ.それが最近,再婚した場合連れ子の姓は新しい夫と同じ姓に変更可能なように法律が変わったそうで,それが離婚増加の一因にもなっているとのことだ.ふむふむ.



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