富士山2008年

さて今年の富士山は......

2008年8月20日(水)-21日(木)  【2008#3】

河口湖口5合目→富士山頂→須走口下山道→須走口5合目のルート地図

この日のコース

(新宿からバス→)河口湖口5合目→富士山頂→須走口下山道→須走口5合目(→バスでJR御殿場駅)
天気:晴れ
歩行+休止時間:7時間半くらい.

この日の河口湖口(吉田口)登山道は8合目辺りで僅か込み合っていた処もあったが,総じて空いていた.特にいつもは込み合う9合目以上はガラ空きで,2:55AMには頂上に到着してしまった.

ただ頂上の風が強烈で,リュックに付けた温度計は-1℃を指している.薄いインナーダウンとゴアの下カッパを着てみた.寒さはいいとして,砂が顔を叩きつけ,目には砂が入る(下参照)は,顔は砂だらけで大変.この時期,日の出は5時過ぎになっている.ご来光まで2時間も待つ根性がないので,須走口に下ることにした.


フリーチベットを掲げた江戸屋さん

フリーチベット

須走口への下山は初めてだ.ただ8合目までは河口湖口(吉田口)下山道と共用だ.その8合目には,写真の江戸屋さんがある.河口湖口/須走口共用下山道のこの地点はまた須走口登山道上でもある.それなので看板は「須走口八合目江戸屋」となっている.

さてその江戸屋さんであるが,経営者がチベット支援者なのであろう,チベット仏教の経文を記した五色のタルチョーやチベット旗が風に舞っていた.壁には「フリーチベットを支持しよう」といったワッペンや,読めないがチベット文字で記された文書も貼られている.少なくともタルチョーはずーっと前からあったが,チベット旗は最近の動静に合わせて加えられたのかもしれない.


4時50分,日の出15分前の眺め

4時50分,日の出15分前

8合目から幾らか下ったところだ.空が明るくなり始め,ヘッドランプを消してもトレイルが見えるようなった.下の方は雲で覆われ,周辺の低い峰々が雲から頭を出している.ちょっと墨絵のような光景で良かった.


須走口下山道の「砂走り」

砂走り

須走口下山道には「砂走り」の別名が与えられている.足を下ろすと,ずずーと下方にずり落ちるので楽だ.ただ写真のように石が多く点在し,砂の層も浅いところが多く,転び易く,また転んだときの危険性もそれなりにある.御殿場ルートの『大』砂走りに比べると,かなり格下,と云った印象だ.


須走口登山道入り口に近くなると林

須走口5合目,つまり須走口登山道入り口に近くなると林に入る.林は他の登山道には見られず,ここだけの特徴だ.下は溶岩で,それまでの砂地のクッションがいきなりカチンカチンになるので膝は少し驚いたようだ.でも強い陽射しをやさしく覆ってくれるので気持ちよく歩けた.

須走口には5:40AM頃到着したが,一番早い御殿場行きバスでも8:30AM,まあ,やむを得まい.場所柄時折ドカーンと大砲の音が響き渡る.随分大きな音だと驚いた.

須走口→JR御殿場駅バスは1時間足らず,駆けっこで駅に行き,列車にはセーフ.前回御殿場口からの下山でちょっと遅れたがために1時間待たされた雪辱を果たした.

目に砂が

下山路,7合目下辺りで左目がボケて時計が読めず,遠景もはっきり見えない事態が発生.気付いてから1時間半くらいから徐々に回復が始まり,ほぼ完全に戻るまでには6時間くらい要した.以前手術を受けた網膜剥離の再発かとビビッた.帰宅後直ぐ医者に診てもらったら,まだゴミがあり,黒目に傷が付いているという.洗浄と目薬で処置してもらった.とにかく山頂の風は尋常ではなかった.

2008年7月28日(月)-29日(火)  【2008#2】

河口湖口5合目→富士山頂→富士宮口下山道→富士宮口5合目のルート地図

この日のコース

(新宿からバス→)河口湖口5合目→富士山頂→富士宮口下山道→富士宮口5合目(→バスでJR三島駅)
天気:曇り/霧,たまに陽の光覗く
歩行+休止時間:10時間くらい.

この日の河口湖口(吉田口0登山道の混み具合は前の週よりは混んでいたが,さほど酷くはなく4:10AMに頂上に到着した.日の出までじっとしていると風が冷たいので,一旦剣が峰へと反時計方向に進んでみたがヘッドランプの明かりでは道がくっきりとは判らず,また誰も歩いていないので怖くなり,戻った.そして今度は時計回りで進むと徐々に明るくなり,ちょうど御殿場口へのルート分岐点辺りでご来光の時刻になった.しかし下方には雲がかかり殆ど絶え間なく濃い霧が流れ,陽を遮る.かくしてご来光を望むことは叶わなかった.


富士宮口へ下り始める

富士宮口へ下り始める

下りには初めて富士宮口下山道を通ってみた.このときは,下の方に雲がかかり,上はたまに陽が射すような空模様だった.道は火山岩の一種なのであろうか,御殿場ルート同様,赤茶けた小石が多い.ただし,ロープの張られた区間が多く,結構助かる.

ハイカーの数は,河口湖口(吉田口)よりは少ないが,御殿場ルートと比べれば圧倒的に多いと思った,また,登りと下りが同じ道であることが他ルートとの大きな違いであろう.それでも,混雑で渋滞する事態に至ることはあまり心配しなくてよさそうだ.


富士宮口下り9合目辺り

下り9合目辺り

9合目辺りの東斜面では僅かに雪が残り,ガスの切れ間に陽が当たり,白く輝く.また低く位置する富士の裾野や先の山が濃い緑の中で局所的にハイライトされ,なかなかいい光景だ.

ところで富士宮口のある富士宮市は登り口のみならず,富士山山頂部の半分近くも占めているのだそうだ.富士宮の名称は,富士山本宮浅間大社の門前町として栄えたことに由来するそうである.

ややこしいのは,同じ静岡県には富士市というところもあって,富士山が最も綺麗に見える地域の1つとしても有名なのだそうだ.地図を広げると山側の富士宮市と海側の富士市は隣り合わせで,面積も大きくは違わないようである.そのうち合併してもいいような.....


富士宮口下り7合目辺り

下り7合目辺り

7合目まで下ると,女子高校生(おそらく)の一団が元気に登ってきた.若いので皆元気いっぱいだ.

このように高校生も多く見かけたが,今回最も驚いたのは小学生が多いことだ.これまで河口湖口から何回か登ったことがあるが,いつも夜なので見かけたことはほぼ皆無である.下るときは河口湖口ルートは登り/下り別々なので昼間登る人たちを見かける箇所が少ないため状況はよく判らない.小学生が多いのはルートの違いではなく,昼夜の違いに因るものだと思うが....確信はない.

ところで小学生は,多くは父and/or母,稀に爺,さらに稀に婆に連れられ,しばしば途中で座り込んだり,ぐずり気味で,なだめたり,すかされたりしながら歩いているのも目にする.


富士宮口下り6合目辺り

下り6合目辺り

6合目辺りであっただろうか,自衛隊の一団が通信機や応急救護セット(多分)を担ぎ,登ってきた.非レジャーで富士山に登る数少ない人々の一例であろうか.歩くスタイルはマーチではなく,ごく一般のハイカーと変わりなく,正に軍隊ではなく,「自衛隊」と呼称されるに相応しかろうか?


富士宮口に到着

さらに下り,富士宮口に到着

8:10AM富士宮口に着いた.上方を見上げると青空が見えてきた.きっと晴れてくるであろうが,暑くもなるであろう.

富士宮口から三島行きのバスは9:00AM発で暫く待つ.バスは定刻に出発し,順調に進んだ.それでも三島駅までは2時間もかかった.いや~大変な距離ですな~と思ったが,自分を含めて客はたったの3人,バス会社(富士急)はもっと大変ですな~

2008年7月22日(火)-23日(水)  【2008#1】

河口湖口5合目→富士山頂→御殿場口下山道→御殿場口5合目のルート地図

この日のコース

(新宿からバス→)河口湖口5合目→富士山頂→御殿場口下山道→御殿場口5合目(→バスでJR御殿場駅)
天気:晴れ/6合目から下くらいは曇り
歩行+休止時間:10時間くらい.

この日は何故か吉田口登山道の混み方は激しくなかった.そのため,3:25AMには到着してしまった.

下りは初めて大砂走りで有名な御殿場口下山道を通ってみた.吉田口に比べて圧倒的にハイカーの数が少なく,静かな山歩きが楽しめた.


ご来光

4:40AMころの日の出まで寒い中を待った.下の方に雲がかかり,上は青空でご来光鑑賞にはかなりいい気象状況だったと思う.

4:40AMころご来光ご来光を待つ人々

登山道が比較的空いていたように見えたがそれでも山頂ではご来光を待つ人の姿でいっぱいであった.


山頂近く

山頂近く

ここは山頂近くの東斜面であるが一部雪が残っていた.これは平年並みなのかな?

少なくとも山頂は雲がなく,下の方はかなり雲で覆われている.上の方では陽が上がるに連れ気温が上昇し始め,インナーダウン,下のカッパ,上のカッパ......と脱いでいった.

御殿場口下山道

御殿場口への下山路の最初暫くは,岩の上に転がり易い小さめの火山岩をまぶしたようになっていて怖い.実際2度ほど滑ったが背負ったリュックが背面の岩への衝突を緩和してくれたので助かった

1時間余りすると大砂走りに入る.ここは極めて安全で楽だ.長いがどんどん下ることができる.途中からは濃い霧が,下から上に速く移動していた.

御殿場口下山道大砂走り

下り終えて靴を見ると,金具の黒い調色処理とその下の銅メッキが剥がれている.裏革の本体も色が明るくなっていた.ず~っと砂の中を来たのでちょうどサンドブラスト処理を施したのと同じ効果が現れたのだ.さらに驚いたのは,3時間半くらいの行程で殆ど人に会うことがなく,砂埃を浴びた感じはあまりなかったがリュックを降ろすとひどく砂に塗れていた.大砂走りで自らが巻き上げたのである.

何度か歩くコースはゆったり歩ける安心感があり,初めて歩くコースはわくわく感があり,それぞれ楽しい.折角だからできれば次も新しいコースを歩いて見ようかな~



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