ゼウスの神殿はホテル近くに位置していたので行ってみた.しかし夕方で入場時間が残り少なく,外側からちらっと眺めてみた.
イスパニア出身のハドリアヌス帝(在位:117-138年)はアテネの繁栄につくし,市域を拡大したそうである.そのアテネの古い市域と拡張した市域との境に設けられた市の門がこのハドリアヌスの門という訳だ.上部だけ見ると典型的なギリシャ様式に見えるが,アーチ型の一階部分にそれを載せたところがユニークか?
ギリシャ神の最高神ゼウスを祀った神殿.残った柱は14に過ぎないそうであるが,巨大だ.これと少し距離を隔て,破壊し,散乱した柱部品の傍らで独立に建つ一本はとても大きい.柱はコリント式で大理石製のようである.
ところでゼウスとはどんな神だったのであろうか?広辞苑第4版では,ギリシア神話の最高神.空を支配すると共に政治,法律,道徳などの人間生活をも支配する.ギリシアの名家はその祖を神の子に求めたので,ゼウスには人間の女やニンフとの交わりによる子供が次第に多くなった.ローマ神話のジュピターに当る.とまあ,こんな風に述べられている.神様が人間の女やニンフと交わる凄い女たらしのようで,寧ろ人間くさいか?
ゼウスの神殿の最寄駅構内ではこのような遺跡からの出土品が無造作に展示されている.まああまりに多いので博物館に収容しきれないのであろう.こうして改めて見てみると石でできたものは木製や粘土製に比べて,実に後世まで劣化が少なく伝えることができていいもんだと思う.