今日はタンボチェまで行き,さらにパンボチェを往復する.
この日は5:30AM頃起きる.寒い!テントの外で温度計を見ると,氷点下2℃だ.テントの表面は白く霜が付いている.さて今日の天気はどうなるだろうか?
テント場からはタムセルクの方角が開けている.太陽が背後から昇るので,完全な逆光で全く絵にはならないが,それでも一時雲が切れてタムセルクが見えるとやはり嬉しい.その近くにはカンテガも聳えているはずだが,ほんの一部姿を覗かすだけでなかなか全容を見せてはくれない.
朝食の後タシンゴを発ち,さらに下るとやがてドゥードコシに差し掛かる.ここは谷なので最下点で,吊り橋を渡るとまた登りが始まる.この辺もドゥードコシはミルク色だ.グリーンの帽子は,身のこなしも鮮やかなシェルパのスニルさん.
橋を渡って少し歩くとプンキタンガの集落に到着する.何軒かのロッジが軒を並べている.集落の前を小川が流れ,川の辺に小屋が建てられ,中で彩色された水力式マニ車が廻っている.マニ車は1回転すれば,1回お経を読んだのに相当する功徳があるそうで,しかも建設後は他力本願で得られるのでグッドアイデアだ.
右端はサーダーのビル(bir)さん,スモーカーだったようだ.ネパールでは喫煙率は日本より少し低いように思えるが.....ところで,同行のOさんがちょっと体調を崩し,残念ながらここプンキタンガで皆と別れて,シェルパのクマールさんと一緒に一足早く下山することになった.
下は,プンキタンガの写真あれこれ
プンキタンガから登りが続く.乾いた道をゾッキョが通ると容赦なく土埃が舞い上がる.時々休みながらタンボチェを目指す.
振り返った方向にはドゥードコシの谷が広がり,これまでなかなか姿を見せなかったカンテガ(Kantega:6,685m)が少し見える.カンテガとは馬の鞍の意というが,たしかにそんな形だ.
下は,タンボチェに至るまでの写真あれこれ
タンボチェの仏塔門(カンニ)をくぐると,いきなりエベレストがくっきり見えて感激.
下は,タンボチェゴンパ(僧院)周辺の写真
タンボチェで昼食を食べ,パンボチェへ向かった.パンボチェはタンボチェより標高が100mほど高く,3960mくらいだ.ただタンボチェから出て,直後から下り道に入るので,結構登り行程がある.特に戻り時に,この坂が効いてくる.行きの行程では天気が良かったが,戻り時は小雨が雹になり,やがて雪,と言っても細かなさらさらの雪であるが,に変わったので効き目が出たのであろう.
ここにもチベット仏教の僧院(ゴンパ)がある.ただ規模はタンボチェほどでないようで,建物もこぢんまりしている.僧院には寺守がいて,我々の内部見学のために門を開いてくれた.内部の壁や天井には曼荼羅であろうか絵が描かれていた.ここを見せてもらった後,近くのロッジレストランでお茶(ミルクティー)を頂いた.
パンボチェでは近くに比較的広い畑やカルカ(牧草地)の石囲いが見られる.住民の多くは家畜や野菜で暮らしているのであろう.トレッカーが多く通る道沿えにあるのでロッジが主な生計維持手段である家庭もあるかも知れない.さらにゴンパがあるので僧や寺関係者も居るであろう.
下は,パンボチェに至るまでとパンボチェの写真
パンボチェからタンボチェに戻る途中で見かけた木は,一見桜のような表皮だ.多分桜とは違うであろうが......戻る途中,タンボチェゴンパの分院と言われるデブチェの尼僧ゴンパの案内板を見かけ,そこに向かう尼さん一行に出会った.タンバリンでお経を唱えてくれ,こちらはいくらかのお金をお渡しした.
タンボチェには夕方5時ごろ戻った.広い僧院を覗かせてもらい,庭を歩いてみた.写真のような菱形を複数組み合わせた文様はゴンパのみならず,シェルパの家庭やショップの暖簾でもよく見かける.特別な意味があるのかどうかは別としても,シェルパ族にとって特別なデザインであることは間違いなさそうだ.
ゴンパからテント広場の方向を眺めると霧が立ち込めている.今夜は冷えそうだ.夜中に,テントからお手洗いに行くの大変そうだ.実際楽ではなかったが,それよりテントの周辺ではガイドやポーターが盛り上がって夜遅くまでドンチャン騒ぎをやってくれるので,煩いの何のって.....さて,大阪での台風で1日少なくなったが,少ないまま明日からはもう下るのだ.