巡礼3日目:ベタンソスへday 3:Betanzos

この巡礼3日目:ベタンソスへ編では,2019年6月18日朝ポンテデウメのアルベルゲを出発し,ミーニョを経て,ベタンソスに至る.着後ベタンソスの教会を見て回ったときの写真を載せました.

ベタンソス付近のGoogleマップmap around Betanzos

濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離21.71km,歩行時間5h15min.

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ポンテデウメの朝Pontedeume

エウメ河口の朝焼け

エウメ河口の朝焼け

ポンテデウメのアルベルゲに朝が来て,身支度を整え,カギをドア脇に放り込んでチェックアウト.目の前のエウメ河口はたまたま赤く染まり素晴らしい眺めだ.

この辺りを含め全般にモヤが架かっているが,東の空はクリアなのであろう.


ポンテデウメから上る

ポンテデウメから上る

ポンテデウメからは道標(ハモン)を探しながら行く.この南下は連続的な上り道になる.いまのところ小雨ながらやはり降られるのは厳しい.

さて上りは30分ほど続いたであろうか.後で振り返ると,イギリス人のカミーノで,ここは最もきつい箇所なのではなかろうか.


ポンテデウメの朝

ポンテデウメ郊外

さて30分ほども歩かぬうちにとっくに郊外に出ているのだが,畑が多くなっているので農業に従事している人が多いのではなかろうか.巡礼路はそうした農道を兼ね,立派な舗装である.


更に上り,出てきたポンテデウメ方面を望む

更に上り,出てきたポンテデウメ方面を望む

巡礼路は更に上り,出てきたポンテデウメ方面を望む場所になった.天気が天気だけに霞んではっきりしないが,結構な傾斜地に畑が作られ,また住宅も分布している様子が窺える.


ユーカリ林となる

ユーカリ林となる

そのうち巡礼路はユーカリ林に入ってきた.ユーカリ林は大きな木に拘わらず明るい.明るいのは結構だ.些か林としては物足りなくもあるが.


雨強くなる

雨強くなる

やがて雨は強くなってきた.先を行く二人連れはポンチョの前たて(でいいのか?)を抑え込んでいるようである.

仮に晴天であれば,こうした林の中は実に快適に歩けるのだが,残念だ.巡礼ゆえやむを得まい.


薄型穀物倉庫オレオ(Horreo)あり

薄型穀物倉庫オレオあり

歩いていると仏カミーノでよく見かけた高床式薄型穀物倉庫オレオ(Horreo)がここでも現れた.同じガリシアで収穫農作物が似ており,また自然環境にも共通点があるのだろう.

向こうの山並みはやはり霞んでいる.う~ん雨はなかなか治まらないかな.


倒木道を塞ぐ

倒木道を塞ぐ

暫く行くと倒木が道を塞いでいた.脇斜面の地盤が雨で緩み,根こそぎ剥離し,倒れたようだ.たまたま倒れるときに居合わせたら大怪我だ.

前の二人は左路肩に上って越えたようなので私もそれに倣おう.


ミーニョMino

小川を渡る

小川を渡る

そのうち小川が流れ,車道の下をくぐる場所になった.巡礼道は雨で一部冠水している.車道橋下トンネル壁にはいろいろ大きく描かれている.読めないのが残念.


林を抜ける

林を抜ける

小川の辺りを過ぎると藪や林のエリアが多くなった.周囲は牧草地が多いかも知れない.


擁壁のサンティアゴ

擁壁のサンティアゴ

高速道の高い擁壁が長く続いていた.擁壁はプレキャストのコンクリートブロックを積み重ねたもので,つなぎ目が少し難点だ

しかしアーティストはそうした難点を軽く克服し,モダンな作風でサンティアゴを表現している.瓢箪の付いた杖,顎髭,xxxxxx Camino xxxxxx(読めないが文章)といった必須要件は欠かさず,顔の表情,ヘアスタイル等で独自性を出している.


ミーニョ(Mino)の街に入る

ミーニョの街に入る

ミーニョ(Mino,nは~の付いた文字)の街に入ってきた.建物は新しい建築が多く,何故か歩道は虹色に舗装されている.

そしてその歩道には思いついたように疎らにオレンジの木が植えられ,実を付けている.多分オレンジは一般的な食用ではなく,マーマレード材に適する酸味タイプではなかろうか.

この辺りでは大手のスーパーがあったので,ジュースや丸パン,チーズ,ソーセージ,オレンジなど重くならない程度に買った.ジュースは直ぐ飲んで軽くする.


単線鉄道が通る

単線鉄道が通る

ミーニョの街には単線鉄道が通っている.いつものように列車の通過を期待するも.....通らない.

列車は稀にしか通らないが,線路を跨ぐ必要のある人は多いようで,スロープ式歩道橋が設けてある.踏切より安全性が高いからでしょうか.そして私もここを渡った.


ミーニョ市街地の先

ミーニョ市街地の先

ミーニョ市街地の先はまた緑豊かなエリアになり,やがて結構大きな川に出合う.ランブレ川(Rio Lambre)のようだ.川はまもなくベタンソス入り江(Ria de Betanzos)に注ぐようだ.


緑のトンネル

緑のトンネル

ランブレ川を越えると緑のトンネルに入っていった.いや~気持ちのいい道ですね.


車道から折れる場所を見逃したようだ

車道から折れる場所を見逃したようだ

緑のトンネルの後,車道の脇道を歩いた.私はこのとき道の左側を歩いていたのだが,右側に道標があり,多分この辺りで右折指示があったのだと後になって思う.つまりそれを見逃したようだ.


ベタンソスBetanzos

暫く車道脇を進むと右側に大きな川あり

暫く車道脇を進むと右側に大きな川あり

暫く車道脇を進むが,道標が見えない.そしてこりゃ間違いだと気付いた.ただこの車道もベタンソスに行くのでまあいいか,と継続することにした.

そしてそのうち右側に大きな川が見えた.現在水量は多くないが川幅は広い.マンデオ川(Rio Mandeo)のようである.この位置からだと左から右に流れ,程なくベタンソス入り江に注ぐ筈で,満潮時はこの辺りまで海水が入ってくる汽水域ではなかろうか.


>車用だがベタンソスの標識現る

車用だがベタンソスの標識現る

巡礼路ではないので車道脇も狭い.ドライバーの皆さんには迷惑掛けてすみません.そしてその脇にもちろん車用だが「ベタンソス」の標識が現れた.一応ひどく頓珍漢な方向ではないようで,一安心.


ブドウ畑から近道試み失敗

ブドウ畑から近道試み失敗

このまま車道を進むと,アルベルゲを通り越した先に行ってしまう.そこで何とか右に曲がり,アルベルゲの方向に近づかなくては......と思う.

そしてブドウ農家の男性を見かけたので,何とかベタンソス中心部に行くルートがないか尋ねた.すると男性は親切に,この自分のブドウ畑をどんどん下ると川があるから,それを渡れば行けるかも,と教えてくれた.

そして私はブドウ畑を下り,やがて道は途切れるし,その近くに川(上記マンデオ川上流)を渡る橋は見えない.がっかり.そして坂道を上り返し,車道に戻った.


反対方向からベタンソス中心部を目指す

反対方向からベタンソス中心部を目指す

かくなる上は遠くても反対方向からベタンソス中心部を目指す以外なかろう.

ということで先ずベタンソス南東側郊外に入る.車販売店や修理店など,比較的広い用地の要る事業所が目立つ.そして丘の斜面には白い壁,赤い屋根の住宅群が張り付いている.


反対方向からマンデオ川を渡る

反対方向からマンデオ川を渡る

ということでようやくベタンソス中心部に向かう道に入った.そしてマンデオ川を渡る橋があり,そこを過ぎる.写真は橋から川の下流を眺めたもので,この辺りの斜面もびっしり住宅が張り付いている.

川岸に街が拓け,そこから立ち上がる斜面に住宅が展開される構図は朝出発したポンテデウメの街とよく似ている.


途中まで案内してもらった

途中まで案内してもらった

橋の辺りで,アルベルゲへの道を訊いたら,途中までそちら方面に行く途中なので来なさい,と言ってくれた男性に写真のここまで案内してもらった.ここで右に真っすぐ行けば在るよ,とのことだ.グラシアス.

雨は一時上がっていたが,また時々降り出す.油断ならない日だ.


アルベルゲ(Albergue de Peregrinos 'Casa da Pescaderia')に到着

アルベルゲに到着

アルベルゲ(Albergue de Peregrinos "Casa da Pescaderia")に到着した.写真角の石造りの建物だ.道を間違えてあちこち余計に歩いたが,通した距離が大したことなく,午後一時開店前に着いてしまった.そして同じ頃着いたポルトガルトリオの皆さんと入り口で待つ.石畳の道は相当歴史がありそうで,アルベルゲの建物も重厚だ.

時間になりオスピタレロの男性が現れ,チェックインの手続きをし,ダイニングキッチンや,シャワー,ランドリーなど案内を聞いた.

さてレセプションから中に進むと意外と新しい構造のようだ.エレベータはないが,階段には車椅子の電動リフトなども備えている.


ベタンソスでベッド確保

ベッド確保

確か3階がベッドルームで,シーツを張りベッドを確保.とても空いていたのでどこでも選べる(どこでも差がないが)

ただ2階のユーティリティは数が少なくシャワーはポルトガルトリオが最初に,洗濯機/乾燥機(計4.5ユーロ)は私が先に使わせてもらった.


アルベルゲのベッドルームから眺める

アルベルゲのベッドルームから眺める

アルベルゲのベッドルームから眺めると,傾斜した石畳の道があり,3階建てくらいの建物が両側に並んでいる.間違わずに巡礼路を辿ってきたならば,多分この写真で右から左に歩いて来た筈だと思う.

街に入るまでは緑がいっぱいで良さそうな道ですね.


アルベルゲのキチネット

アルベルゲのキチネット

アルベルゲにはキチネットを備えており,果物洗いやチンするときなど助かる.


ポルトガルトリオの皆さんに宿予約頼む

ポルトガルトリオの皆さんに宿予約頼む

ポルトガルトリオの皆さんがワインを飲みながら明日の計画を相談している.私は厚かましくもヤアヤアと言いながら席に加えてもらう.

彼(Gbさん)は明日ブルマ(Bruma)に行くのは全然心配ないのだが,女性二人はこれまでハイキングなどの経験が殆どなく,ここベタンソス⇒ブルマが歩けるか自信がない.そしてその中間で宿泊したほうがいいかな.....でもアルベルゲやペンシオンなど宿泊施設が確保できるかどうか心配だという.私から見ると皆さん若いので全く問題ないと思う.

一方私は明日,ブルマまで行くつもりだが,ブルマの宿泊施設はあまり十分でないそうなので,できれば予約したい.しかし電話できない.(電話番号を記した宿情報リストはマップと共にサンティアゴのインフォメーションからもらっていた).そしてそのリストをGbさんに渡し,この中のどれでも構わないが,可能ならシングルルームのある宿を取ってくれませんか,とお願いした.

この爺さんが歩けるなら問題ないんじゃない,しかも爺さんが太鼓判押してくれているし.....ということで,皆さんもブルマまで行く決断をしたようだ.そして左のFaさん(彼女が一番スペイン語上手いそうだ)2,3の宿に電話し,私のシングルルームも合わせて予約を取ってくれた.いや~助かりました.オブリガード.(なお後で振り返ってもコースは全然大変なところはないと思った.今朝の雨の30分上りが大変)


後で表に行ったとき,お店で菰かぶり(尤もらしい形態だ)のワインを買ってきて,Gbさんたちに差し入れた.美味しかったと聞きこちらも嬉しかった.

ベタンソスの教会churches in Betanzos

ベタンソスのサンティアゴ教会

サンティアゴ教会

アルベルゲから少し行ったところに広場があり,そこのこのサンティアゴ教会(Iglesia de Santiago)が建てられていた.ただドアは閉ざされ中は見えなかった.15世紀,地域の領主が当初ロマネスク様式で建立し,後ゴシック様式も加わったようだ.


ベタンソスのバーに逃げ込む

バーに逃げ込む

広場でサンティアゴ教会を眺めていたら,また結構降ってきた.直ぐ脇にバーが在ったので入る.ビールにありきたりのタパス(予め並んでいるもの)を頼む.でもなかなか美味しいのだ.ここのマスターは大変愛想がいいし,気に入った.


ベタンソスで陽光が出る

陽光が出る

雨で待機したバーで暫し過ごして窓を見ると明るい.そして外に出るととても明るい.やはり陽光を浴びた街の風景は全然異なり,何と言ってもスペインはこうでなくっちゃと思う.


ベタンソスのサンフランシスコ教会

サンフランシスコ教会

そしてアルベルゲを通り越した先,サンフランシスコ教会(Iglesia de San Francisco)を訪ねることにした.

石積み赤い瓦屋根の構造物が幾つも組み合わされている.

13世紀に建てられた既存の修道院の上に14世紀後半ゴシック様式で建てられた教会ということだ.多くの棟の重なりがあるが,全体的に簡素な纏まりを見せている.


ベタンソスのサンフランシスコ教会入り口

サンフランシスコ教会入り口

私達が訪れたときはこのように正面玄関が閉ざされていた.しかし脇の扉が開き,内部の一部を見せてもらうことができた.


サンフランシスコ教会内部

門が閉ざされていたように,内部の一部も入れなかった.しかしいろいろ開放してあり,興味深かった.

サンフランシスコ教会主祭壇キリスト像マリア像
↑主祭壇↑キリスト像↑マリア像

特に右のマリア像は,アミューズメントパーク的演出で驚いた.


ベタンソスのサンタマリアドアゾゲ教会

ベタンソスのサンタマリアドアゾゲ教会

次いでベタンソスのサンタマリアドアゾゲ教会(Igrexa de Santa Maria do Azougue)を訪れた.上記サンフランシスコ教会の手前に位置しているが,ようやく中を覗けるようになったのだ.

先ずファサードの素晴らしく力強い造形に感動する.鐘楼が身廊に直線状に配置されるのではなく,正面に並列して置くという,一見安楽な設計に走ったように見えるが,それが違うのですね....私はとても気に入りました.

当教会は15世紀に建立され,1748年にフレームが新しいものに置き換えられたということだ.


サンタマリアドアゾゲ教会の主礼拝堂

サンタマリアドアゾゲ教会の主礼拝堂

これから始まるであろうミサを待つ信徒の方々がサンタマリアドアゾゲ教会の主礼拝堂に集まってきた.

主祭壇金のレリーフはちょっと離れていて解らないのだが.....想像するにイエスの生涯などではなかろうか.