巡礼4日目:ブルマday 4:Bruma

この巡礼4日目:ブルマ編では,2019年6月19日ベタンソスの朝出発し,コス,プレセドを経て,ブルマに至るときの写真を載せました.

ブルマ付近のGoogleマップmap around Bruma

濃い赤線がこの日歩いたトラック.歩行距離28.11km,歩行時間7h31min.

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ベタンソスの朝Betanzos

6月19日朝ベタンソスを出る

6月19日朝ベタンソスを出る

6月19日朝になった.アルベルゲ(Albergue de Peregrinos "Casa da Pescaderia")をチェックアウトし,ベタンソスの大きな広場2つを抜け,南に向かう.


ベタンソス郊外に向かう

ベタンソス郊外に向かう

最初暫くきれいな舗装の巡礼路を進む.この辺りは問題なし.


橋の袂のモホン

橋の袂のモホン

橋の袂に来た.モホンが立ち,黄色い矢印は左向きだ.単純な私は橋を渡ったところで左折だなと思ってしまった.


橋は中世のものか

橋は中世のものか

石橋はアーチで,路面は平らだ.構造や色合いを見ると中世からのもののように見える.

また流れているのはマンデオ川(Rio Mandeo)の支流で,間もなく本流に注ぐようだ.


車道をどんどん進む

車道をどんどん進む

橋を過ぎて,その先の車道を渡ると,先ほどの黄色い矢印指示に従い車道を左折し,どんどん進んだ.そのうちベタンソス終わりの標識があった.そしてなおも進んだ....そして,こりゃおかしいとようやく気付いた.

そこで橋を渡り,車道を跨いだ地点まで戻った.そしてよく見ると車道の僅か南側に,車道と並行する巡礼路が在るではないか.....昨日と違って,早い段階で気付いたのがまだマシだった,と自らを慰める.


巡礼路を行くと見晴らしが利く

巡礼路を行くと見晴らしが利く

さて正しい巡礼路を行くと,見晴らしが利くロケーションになった.斜面は公園の緑地や牧草地が多く,集合住宅がかなり建てられている.小さな村の人口は概して減少傾向のようだが,大きな街の人口はそうでもないのかも知れない.....いやそれは,余程の大都市でない限りないかな.


巡礼路の上りは続く

巡礼路の上りは続く

巡礼路の上りは続いた.そして道脇には戸建て住宅がぽつりぽつりと建てられている.斜面が多いので建てるのはなかなか大変そうなお宅も見かける.


大分上に来た

大分上に来た

大分上に来た.この辺りの眺めはベトナムのようなアジアの多雨熱帯地方のように,樹木が良く茂っている.そして住宅と牧草地が点在している.


コスCos

高速道を越える

高速道を越える

高速道は何本も走っているようだが,その中の一本を越えた.高速道は混んでおらず,流れはスムーズだ.


緑のトンネル

緑のトンネル

巡礼路は緑のトンネルに入っていった.ただし主な木はユーカリで,道端だけ葉の豊かな木が植えられている.


コスのサンエステバン教会(San Esteban de Cos)

コスのサンエステバン教会

身廊が一つの小さな教会があった.サンエステバン教会(San Esteban)で,墓地も併設しているのでアベゴンドのコス教区の墓地と教会の複合体(Parroquia y Cementerio de San Esteban de Cos)ということだ.

コスの人口は減りつつあり,現在100人を切っているそうだ.信徒の数も減るでしょうから,教会の維持も徐々に困るかも知れませんですね.


薄型穀物倉庫オレオ

薄型穀物倉庫オレオ

これまでもよくあったが,ここにもオレオが設置されていた.雨戸は細い板を並べた構造で,通気性確保を重視した設計だ.それと赤と黒2色にペイントされ,外観にも気を配っている.

ところで,自販機はおかしいほど厳重に金網などで囲っているが,オレオは道端に何の監視システムもなく設置されている.野生動物だけ心配すれば,対人防御の心配は要らないのでしょうか....


この辺りで咲いていた野草

この辺りは野花が多い.その一部を載せてみた.結構きれいだ.

野の花1野の花2野の花3
野の花4野の花5野の花6

洗い場

洗い場

こういった大きな水槽は洗い場のようであるが,時々見る.実際使用されている場面を見てみたいのだが,たかが通りすがり者の都合に合わせるわけにもいかんでしょうね.


プレセドPresedo

この辺りからプレセド(Presedo)の村

この辺りからプレセド

標識を見るとこの辺りからプレセド(Presedo)の村に入るようだ.

村は一塊でドカンと在る訳ではなく,数戸あるいは単独で分散的に住宅があるようだ.


プレセドの一集落

プレセドの一集落

村の道が巡礼路になっており,財政が厳しいのか路面は大分傷んでいる.

住宅は石を漆喰で固め,瓦屋根構造である.壁のフラワーポットが可愛い.


ユーカリ林

ユーカリ林

これも度々出合うがユーカリ林だ.フランス人のカミーノでは少なかったが,ここイギリス人の道では多い.前者に比べて,平野が少なく,全般に山間の地が多く,畑にできないのが理由の一つであろうか.


次のバーは10km先の看板

次のバーは10km先の看板

「次のバーは10km先」の看板が出ていた.お店の名はPROXIMOBAR(Oは'付き)かな.

フランス人のカミーノでは17km無人区間もあったので10km自体は大した距離ではないであろうが,キャッチコピーとしてはなかなかだ.


コーヒーを飲む

コーヒーを飲む

でもコーヒーはここでないと飲めないので寄ってみる.

店舗の外壁や庭の壁,写真店内の壁に巡礼や騎士などいろいろ描かれており,楽しい.右端の甲冑,身に着けたら重くて動くのが大変そうだ.


羊の放牧

羊の放牧

久しぶりに広々した牧場を見た.でも羊の数が少ないですね.もっともっとたくさんいても大丈夫なように見えるが,そうでもないのでしょうか.


食べ尽くされた牧草

食べ尽くされた牧草

羊をたくさん入れ過ぎた結果がこれで,草が食べ尽くされてしまった......かどうかは分かりません.でも見た目食べ尽くされた風ですね(←素人目).


レイロのサンタエウラリア教区教会(Parroquia de Santa Eulalia en Leiro)

サンタエウラリア教区教会

暫く歩くとレイロのサンタエウラリア教区教会(Parroquia de Santa Eulalia en Leiro)と称される教会があった.バロック様式ということだ.

飾り気が無いとまでは言えなくも,他でゴージャスな教会をいっぱい眺めてきた目にはさっぱりして見えます.カトリックとは何かを考える切っ掛けを与えてくれそうだ.


間伐された木材

間伐された木材

教会を過ぎて暫く歩くと道端に木材が積んであった.太いのから細いのまで混ぜこぜで,多分育った林の間伐が行われ,建材としてではなく,例えば暖炉の燃料に供するためにここに取り敢えず置かれている,といった感じだ.ほんとは違うかも,ですね.


ブルマBruma

また緑のトンネル,美しい

また緑のトンネル,美しい

私の好きな緑のトンネルになった.美しいですね.

このイギリス人カミーノは比較的単調なので,こうした緑のトンネルが長く,できれば延々と続いて欲しいと思う.


家畜の飼料ロール

家畜の飼料ロール

牧草地で刈り取られた草がロール状にビニールでラップされ発酵中の状態で転がっている.広い草地に対して意外と少ない収穫(ロール量)でちょっと驚く.翻ってこれまで見てきた牧場の草のロールを思い出すと,やはりこんなもんだった,と頭に浮かぶ.酪農は大変なんだな~と改めて認識した.


この辺りの農家住宅

この辺りの農家住宅

前に述べたが,この辺りの村は一塊ではなく分散している.こちらのお宅もそうした例に漏れず一家独立して居を構えている感じだ.住宅は石造り赤瓦屋根で,ガリシア地方での基本的デザインに倣っているようだ.ただ窓が少ないのが少し気になる.余計なお世話だが.


レッドエレクトリカの変電所

レッドエレクトリカの変電所

暫く歩くと巡礼的には味気ない雰囲気のレッドエレクトリカ(Red Electrica de Espana)の変電所があった.日本では発電と送配電を一緒にして,地域毎に会社を分けているが,スペインでは送配電は別会社にして,レッドエレクトリカは全国の送配電を担っているようだ.

これは一筋縄では行かないだろう.例えば英国の鉄道ではレールの会社と,運行会社を別にしたが,それなりに問題がありそうだし....


ちょっと難しいブルマに進む

ちょっと難しいブルマに進む

大きな車道の脇道巡礼路から逸れ,ちょっと難しいブルマに進んだ.ブルマという地名はなぜか普通のマップには載っておらず,早い話が巡礼マップのみに出現する(ように見える)

そして暫くはモホンも確実にあり,巡礼者が居る場合はそれに従い進んだ.ただ雨は次第に強くなるし,昨晩予約してもらった宿(Hotel Pr O Meson Novo)の住所が見当たらない.

で,前日予約をお願いした宿リストの名称(これが違ったのだ)に近いであろう名称を探し,何とかGoogleマップで行き先を確かめた.


予約した宿のバーに辿り着く

予約した宿のバーに辿り着く

宿の名称が一筋縄で行かなかったのは,バーとホテルは同一会社で,その名称が入り混じっていたためのようだった.

いずれにしても巡礼道から少し離れた場所に野道を行き,目的のバーに行き着いた.いや~これが予約なしなら大変だ.Gbさん,Faさんたちに改めて感謝したい.

着いたら先ずはカッパを取るのが普通だが,この日は寒い.そこでカッパは脱がず,先ずがビールとつまみをお願いした.

ここでは運送会社のドライバーと少し話したのだが,驚いたことに彼はノンアルコールビアだと言う.いやドライバーならそれが当たり前でないと困るが....それと,私はストゥールに座って飲むが,彼は立ったままだ.こういうスタイルはヨーロッパで多い,特にロンドンなどでは殆が立ってビールだ.私からするとリラックスできないだろうに.....と思うが.


つまみ

つまみ

つまみはこんなだ.コロッケか?,それに熱処理済みのハム(つまり非生ハム),フランスパンであろうか.大食いの私は他にも食べたであろうが,まあ並のものだった思う.


部屋に行ってみる

部屋に行ってみる

ビールを飲んだので部屋のキーカードを受け取り,隣の建物(Hotel Pr O Meson Novo)に行ってみる.部屋は2階だったように思うが,結構ちゃんとした部屋でもちろん満足だ.

少し寒い日だったが予めラジエーターにはスチームが通され,暖房されていた.


またバーに行く

またバーに行く

今日は雨の一日で,もし晴れていても特段行くべき場所もない.そしてまた隣のバーに行く.バーのマスターは隣のオテル経営者でもあるのかどうか解らぬが,多分そうかも.

で,マスターに(なかなか通じないので)あれこれ言って食べ物や飲み物を出してもらう.先ずはワインですね.


Gbさん,Faさんが現れる

Gbさん,Faさんが現れる

一人で飲んでいると,ここの予約でお世話になったGbさん,Faさんが現れた.取り敢えずお礼を述べ,彼らが本カミーノ最大の難関となぜか言われている今日のコースを難なく歩いてきたことに,コングラッチュレーションズ.

そしてワインをガンガン飲み,さらに一本追加し,私は結構出来上がった.

一つ覚えているのは,Faさんが,自分はクリスチャンじゃない.なぜなら父が自分の幼少時洗礼を施さず,自ら判断できる年頃になったらFaさん自身で決めるのがいい,と育てられたからという.

彼女の名Faはモズレム世界で有名な女性と同名だが,それとは全く関係なく,ポルトガルで起こった聖母マリアの出現地の名に因むそうだ.彼女は洗礼を受けてないが,この地で起こった奇跡を信じており,この日を含め日頃その地のペンダントを身に着けているそうだ.

そしてここでは明日の宿について訊かれる.彼らはシグエイロのアルベルゲを予約したと言う.私もそこで良かったら予約してくれると言う.もちろんme-tooでお願いしますとも.


夜になったが雨は続く

夜になったが雨は続く

ポルトガルの皆さんは,他のポルトガル巡礼者と一緒になり,パーテイだそうだ.私にはもう寝る時間だ.ただ時間的には確かに早いかも知れませんね.

で,部屋に戻り窓を見ていると,降りしきる雨の中カッパの巡礼者が歩く,宿を探しているようだ.窓の向こうはホテルのようだが満室だったかな.まあ,この人達(白人)はとてもタフなので平気だと思うが,私には雨の中の宿探しは大変で,予約を取ってもらい再度ありがとうを言いたい.