8世紀に既に建立されたという,イスファハンで最も古いとされる金曜モスク.金曜日はキリスト教徒の日曜日と同じ安息日で,集団礼拝の重要な日だ.イラン/イラク戦争ではイラク側のターゲットにされミサイルが命中したこともあるそうな.モスクと言えば最高の聖地で,イスラム同士でも戦争となれば.....
我々が訪れたとき,モスクの礼拝堂で礼拝できないためであろうか,女性信徒がモスクの外で絨毯を敷き礼拝している姿が見られた.
このモスクのタイルもまた精緻で美しい.色が豊富で,特に茶系統色に特色があるように思える.またレリーフ状にタイルがはめ込んであるのもなかなか美しい.
下は,金曜モスクの写真.
橋,ジューイー橋だったか?,の中ほどにあるチャイハネ(カフェ)を訪れお茶を楽しんだ.お酒を嗜まないイランの人々はこういったお店でお茶や水タバコを楽しんでいる.他のイスラム国ではカフェやレストランは専ら男専用といったところもあるが,ここイランでは女性も入れるようで自然に見える.
下は,チャイハネと周辺の様子.天井からいろいろ光り物がぶら下がっているのがイラン風か?
アリカプ宮殿裏の庭園内に,シャーアッバース1世によって1657年に作られたという.相当古いものだ.正式にはチェヘルソトゥン宮殿であるが,宮殿前室の20本の柱が池に映り,合わせて40本に見えるところから40柱宮殿とも呼ばれるようだ.壁,柱,天井の彫刻が細やかだ.建物は壁も柱も木造建築.かなり傷んでいる.アリカプ宮殿も木造建築であったし,イランでは木造建築も多かったのであろう.外国の旧跡は概して石造り,との観念があり,珍しいと思った.
大きな壁画もペルシャ細密画の一種であろうか?王様が杯を差し出し,相手が徳利でお酒を注ごうとしている場面か?イスラム圏でこのように人物が堂々と描かれることは普通あまり考えられないし,ましてお酒などもってのほかだと思うが.....でも,アリカプ宮殿にもあったし,ここでも人物画がこのように堂々と描かれ,掲げられているのを見ると,イランは他のイスラム国とちょいと違うようだ.シーア派であるという特徴はあるが.
舞う人と楽器を演奏する人はよく判るが,左右に座る人々が何をしているのか....?でも,判る人にはわかるだろうし,往時の宮殿の様子が細かく,きわめて具象的に描かれているのは間違いない.
大きな木立ちが爽やかな広い庭があって,市民が散策したり,お茶を楽しんでいる.有料のためか混んでいることはなく,どちらかと言うと人影は疎らだ.市内の喧騒と比すれば別世界で,王(シャー)の権力の絶大さを偲ぶには十分だ.
下は,40柱宮殿のあちこちの写真.
下は,イスファハン街の様子あれこれ.下段には招き入れてもらったナン製造販売店の写真を載せた.こねて,薄く広げて,釜に貼り付けて,焼いて.....と実に手際よい.
下は,さらにイスファハン.上段途中のレストラン写真はシェヘラザード(Shahrazad)で我々が入った直後にはあっという間の満席になった.とても人気があるようだ.下段山のある景色は宿泊したホテル屋上のレストランから撮影.イスファハン周囲は直ぐ山だ.ただし緑は一切無い.
もっとイスファハンの写真.終わりから2番目,スチュワーデスも黒い衣装で身を包むのがイラン流.