このキャメロンハイランド編ではキャメロンハイランドへ行き,キャメロンハイランド,サボテン園,紅茶園を少し歩いたときの写真と記事を載せた.
マレーシアのキャメロンハイランドは風船の場所に位置している.
1/19(水)クアラルンプールで飲茶の昼食後バスでキャメロンハイランドへと向け出発した.キャメロンハイランドへの山道に入るまで高速道路を行く.高速道路の制限速度は日本より若干速い110km/hrとなっている.途中休憩所では手洗い,売店やスナック,カフェテリアなどが備えられていた.
ガソリンは55円くらい,ディーゼル油はそれより多少安い価格のようだ.原油を算出することがその理由だそうだ.産出場所は,やはり産油国として知られるボルネオ島のブルネイに近い領海辺りなどであるらし.朝眺めたペトロナスツインタワーの主,国営ペトロナス社が採掘から製品流通まで全て取り仕切っているのであろう.
マレーシアは原油以外に天然ガスや石炭,錫,金など産出するそうでうらやましい.
先ずクアラルンプールへの着陸体制に入った時,膨大な広さのヤシ林が目に入り驚いた.またこうしてバスで走ると道の両側は殆どがヤシの林(プランテーション)だ.ヤシの種類はアブラヤシだそうで,昔天然ゴムの木が一面に栽培されていたものが,合成ゴムで需要が激減,それに置き換わったということだ.
アブラヤシからはパーム油が採れ,コレステロールなしの食用として,また石鹸原料などにも大きな需要があるそうだ.特に中国には大量に輸出されているそうだ.
アフリカ原産と言われるこの木を仔細に眺めると,比較的丈の低く太く,寄生植物がいっぱい付着しているタイプと,高く細く寄生植物が付かないタイプがあるように見えた.数は前者が圧倒的に多い.葉の出るところに,ぶどうのつぶを増やし,房も大きくしたイメージの黒い実を付けている.アブラヤシの採取は大変な労働で,マレーシアの人は3K,いや4K(3K+給料安い)と嫌い,農家はインドネシアからの出稼ぎ労働者に頼っているとWさんが解説してくれた.
まあ,何れにしてもアブラヤシの栽培面積は膨大で,地中海地方のオリーブ林など全く比較対象にならない密度だ.いわば日本の稲の栽培密度に匹敵するような印象だ.ただ天然の熱帯雨林を焼き払ってプランテーションが作られたため,環境破壊を招き,大きな問題となっているようでもある.解決にはしばらく時間を要するであろう.
下は,キャメロンハイランドへ行く時の写真
高速を降り,標高1,800mのキャメロンハイランドに向かう山道に入った.道が悪いと予告されたが,いろは坂のようにカーブは多いものの路面は良好だった.道の両側がジャングルで,人口の僅か0.3%という原住民の人々の質素な家が所々に点在している.原住民の人々は30年前までは裸で暮らしていたが,政府は近代化を進めるため学校を建てたり,種々援助を施しているという.食料はジャングルのタピオカ(主食だそうだ),筍,ドリアンなどの果実,きのこなどの採取が認められ,いわば自給自足の生活だそうだ.路肩で山菜などささやかな採取品を販売している光景も見られる.
さてこうしてキャメロンハイランドにやって来た.涼しい!バスは市場の前で停まった.イスラム国なのに犬がいるのがちょっと珍しい.さっそくタピオカとはどんなものか見てみたいと探した.しかしここでは並んでいなかった,残念.Wさんの説明ではタピオカは相当大きなもので,おけらの如く両手を広げてみせた.タピオカはなかったが,イトーヨーカドーやマックスバリューではあまり見かけない野菜や果物は並んでいた.そんな中の一つ,りんごとして頂戴した果物は初めて食べる味だった.何であるか不明ながらりんごとは完全に異なる種類に思えた.味はちょっとイマイチというところか.
夕食でスチームボート(Steam Boat)と言われるマレーシア式寄せ鍋を頂戴した.白身の魚や野菜で,誰もがごく普通に美味しく食べることができると思う.麺や豆腐はほぼイトーヨーカドーさん辺りのものに近いので逆にインパクトに欠くかも知れない.ただクレソンを鍋で食べた経験はなかったので,これはちょっと驚いた.意外に美味しく,いけると知った.
イスラム国ながらビールが頼めるのもありがたい.小さな缶でRm15(450円くらい)なので若干割高であろうが,パキスタン辺りと比べるとまだ安いであろう.そんな高価なパキスタンでも実際飲める場所は殆ど見つからないのが実状で,ここでの有難みはさらに増そうというもんではなかろうか.(←ちょっと無理があるかな~)
キャメロンハイランドで5つのホテル中5番目と高く格付けされるエクアトリアルキャメロンハイランドホテルに泊まった.予め「冷房はありませんよ」と申し渡されていたが,とんでもない,むしろ寝ているときは寒くて困った.
窓から眺めると路地栽培やビニールハウス栽培の高原野菜畑が多く見える.また斜面には茶畑も広がっている.茶はあまり立派なものは採れないそうだが,朝夕は冷えて霧が立ち込めるような地形にあるのでそれなりのものはできるに違いない.
高原野菜や畑もさることながら,開発中の広大な土地も気にかかる.やはりホテルであろうか?キャメロンハイランドには既に30くらいのホテルがあるそうだが,週末はクアラルンプールや遠くシンガポールからたくさんの客が詰めかけるそうだ.高価だが別荘所有者も多く,また日本人ロングステイヤーも結構大勢が居住しているそうだ.特にゴルフの平日料金は安いそうで,滞在者には喜ばれるそうだ.ハイキングトレイルもあるそうだが,ニシキヘビとかコブラは大丈夫だろうか?(←多分出るぞ!)
ホテルの朝食で茹でたタピオカ(tapioca)が並んでいた.Wさんに聞いた元の形態からすると相当大きいものを切ってあるようだ.口に含んでみると,想像していたサツマイモのような味ではなく,ジャガイモに近い(多少距離はあるが)味だった.これには驚いた.所謂原住民という言葉から,タロイモとかを連想していたが,やはり食べてみて初めて判るものだ.
なおタピオカのほっそりした木(草)は地上丈は1m余り,実は地中にできるという点ではジャガイモに似ていよう.でもタロイモもサツマイモも...イモは皆そうか?
タピオカとは全く関係ないが,イスラム国なので普通のポークベーコンの代わりにビーフベーコンが並んでいた.ビーフ大好きなので反射的に皿に盛り,口に入れてみたが硬くて,文字通り歯が立たなかった.ここではいろいろ体験できた.良かった.
下は,キャメロンハイランドの写真
カクタスバレーと名付けられた花農園を見物した.名のとおりサボテンも多く展示しているがあまり花を付けていなかった.むしろ普通の花がいろいろあってなかなか見事だった.熱帯なので花は咲き乱れると言って過言ではないようだ.
ただのビニール袋のようなポットに植えたトマトが高く伸び,夥しい数の実を付けている.これならうちのベランダにもぴったり,と希望を持つが,やはりマレーシアならではの生育なのであろうか.うらやましい.
下は,キャメロンハイランドのサボテン園の花いろいろ
前日夕に立ち寄った市場に,朝市はどんなもんかともう一度訪ねてみた.近所の人達が結構買出しに来ている.多分朝入荷した新しい野菜が並んでいるのであろうがヒヤカシ客の自分にはよく判らない.タピオカだけは念入りに覗いてみたがやはり見つからなかった.
さほど良質とは言えずも一応キャメロンハイランドはお茶の名産地.お茶園に行ってみた.お茶ショップと茶店,裏に茶畑が広がっている.茶畑には地元の若者が来て戯れていた.
同行の皆さんのお話では,茶の木がちょっと整然としていないかな~という評価だ.私も見る機会の多い藤野の茶畑などと比べると,木のまとめ方は随分不揃いに感じる.でもこの品種にはこの植え方が適しているやも知れず,また美的にはこちらが上とも言えよう.
茶店のお茶は全て予め砂糖が加えられ,ちょっと甘過ぎるのが難点だった.まあ,中東の甘すぎるお茶と同じ流儀の茶の入れ方で,望ましくはこれに適応する必要がありそうだ.
下は,キャメロンハイランドの紅茶園の写真
こうしてキャメロンハイランドの観光を終えてまた暑い(と言っても東京の夏より暑くはないかも)イポーへと向けて走った.途中原住民と思しき人たちの住宅なども見えた.
ところでマレーシアの最大多数を占めるマレー系住民は原住民ではなく主にインドネシア方面から来た人々だということを初めて知った.同じことであろうがマレーシア語がほぼインドネシア語と同一ということも聞いて,ん,そ~なんだ,とも思った.どの程度同じなのかは不明だが.....何れにしてもこれまで全く知らなかった.マレーと言えば,マレーの虎,快傑ハリマオといった言葉だけが思い浮かぶが...名前以上のことは何も知っていない.まあそんな感じだが,旅行ではいろいろ初めてのことが見聞きできるので実に楽しい.