このアタックキャンプ(AC)へ編では老牛園子のベースキャンプ(BC)を出発し,小川(沢)まで歩きここでランチ,その後歩きを再開しアタックキャンプに到着,高度順応のため周辺を歩いたり,コル方向1/4程度の高さまで往復,これら行程や見かけた花の写真を載せました.
7/17朝,老牛園子のベースキャンプ(BC)を出て上に向かった.昨日,一昨日より泥濘は少ないらしいが,やはりスパッツを着けた方が無難ですよ~とアドバイスされる.まあそうしよう.
老牛園子の上もやはり花がいっぱいだ.多くの花は牛やヤクも好きなようだが,サクラソウだけは毒があり,食べないらしい.食べる前に見ただけで見分けるのであろうか?
一時間ほど歩いて休憩した.幾らか標高が上がったためであろう,丈のある樹木は無くなり,灌木のようなものだけの地帯になった.
天気がイマイチなのは覚悟していたとは言えちょっと残念だ.晴れて色温度がもうちょっと低ければ赤い花(他もだが)も彩度が増してクリアになるのだが.
この辺りも随分色々咲いている.
原っぱの所々に灌木の茂る斜面を登っていった.山ガイドAさんの経験に依ればこの灌木の辺りにアツモリソウがある筈だそうで,皆で茂みを覗きながら歩いて行った.
そしてアツモリソウ(敦盛草)が順次見つかっていった.最盛期は過ぎていたのか,枯れかけていたのが多いが,幸いちょうどいいのも見えた.
アツモリソウの名は,袋状花の姿が,平家物語などで描写される平敦盛の背負った母衣(ほろ:背の飾り,または後方からの矢を防ぐ武具)を彷彿させることに由来するそうである.
ラン科の多年草で,日本では激しく乱獲,盗掘されがちな種で,「特定国内希少野生動植物種」に指定されているそうだ.はてここ四川省ではどうなんだろう?
暫く行くと小川(沢)に出た.岩が多く,流量は幾らでもない.春先は水かさが増し,岩をも運ぶのかも知れない.ここにはブルーポピーがある筈です,と予め教えてもらっていたが,確かに探すまでもなく直ぐに見つかった.
ブルーポピーは一般に4,000m台の標高で,岩場に多いと思う.さらにその傍に川が流れていればさらに好環境ではなかろうか.この沢脇はまさにそんな場所で,たくさん咲いている.
ここではお弁当を広げてランチとなった.
下は,小川までの写真
アツモリソウ,ブルーポピーなどに加え他にも珍しい花があった.
ランチの後,沢伝いに登っていった.暫く行くと小屋が数棟あった.無人小屋のように見えるが.....詳細は不明だ.後で聞いた話だが,翌日朝私たちより少し早く頂上目掛けて出発し,やがて私たちに追い越された中国パーティの皆さんはここで泊まっていたそうだ.
崖の辺りにイエローのポピーがあるというのでちょっと横道に逸れ,見に行く.ブルーのものより数は少ないようであまり目立たない.分類的にはブルーポピーと同じ,若しくはごく近い種らしいが,ブルーポピーと呼ぶには何となく抵抗があるような.....
アタックキャンプのサイトに到着した.サイトには私たちのテントが張られ,キッチンを備えた小屋やダイニング用テントが建てられていた.シーズン中は半ば常設なのであろう.
到着すると雨が降り始めた.まあ着いてからで良かったであろう.
アタックキャンプサイトの脇には沢が流れている.来る途中まで沿って歩いた沢の上流になるのだろうか?沢の近くなのでブルーポピーがふんだんに咲いている.透過する強い陽の光がないのはちょっと残念だが.
下は,アタックキャンプ到着までの写真
キジムシロ(多分)は他の草に寄生しているのか.....
トウヒレン(唐飛廉)は,スタッフの皆さんが食用に採取してきたものを地面に置いて撮った.
アタックキャンプ到着後テントに荷物を入れ,少し休憩した.その後,高度順応のため明日向かうコル(写真中ほど)の1/4の高さまで歩いた.その辺りまでは花も豊富でトレイルもしっかりしていて歩き易い.
1/4地点は階段の踊り場のように少し広い平面があり,ここで引き返した.下には私たちの黄色いテントが見えている.
戻ると夕食.夜はまた雷雨となった.そして早めにテントに入って休んだ.傾向として,夕方までは何とか持ち堪え,若しくは僅かで,夕刻から本格的に雨になることが多いようである.
石の隙間にいろいろ咲いている.