尾瀬ヶ原の木道を行く.先方は至仏山

尾瀬ヶ原の木道を行く.先方は至仏山

はるかな尾瀬2023

夏が来れば思い出す...♪のメロディで若い頃行ってみたいと思っていた.でも行かないうちに年取った.そこに今回新宿発のバスツアーがあり,それに乗っかることができた.お手軽,通して運んでもらえるので私にとって「遥かな」尾瀬の遥かは空間的形容ではなく,半世紀あまり昔に戻ってみるという時間的修飾なのだ.

マップとルート

今回のハイクは下尾瀬図の鳩待峠に来て,ここから山ノ鼻に抜け,以降尾瀬ヶ原木道を牛首分岐に歩く.その後ここでターンし山ノ鼻に戻り,そして上り坂の多いトレイルを歩き鳩待峠に戻った.

尾瀬のハイキングマップ

山ノ鼻に立てられた案内看板の一部

詳しく記すと,新宿都庁前5:50発→尾瀬戸倉→路線バス→鳩待峠(標高1591m)→歩行3.3km→山ノ鼻(標高1410m)→尾瀬ヶ原(標高1400m)→歩行2.2km→牛首分岐,ここでターン→歩行2.2km→山ノ鼻に戻る→歩行3.3km→鳩待峠に戻る→バスで尾瀬戸倉→新宿駅前21:00少し前に到着,おしまい.

ということで往復歩行距離は11kmとなる.

さてバスは新宿を出て鳩待峠を目がけて進み,やがて谷あいの山道になる.道の両側には急峻な崖が迫っている.崖には新緑の木立が広がりとても美しい.民家の建つところも見える.ただ迫る崖はやはり雨の多いときは深刻な土砂崩れが起こりそうな....無事であってほしい.

鳩待峠休憩所

そして鳩待峠に着いた.1591m程度の標高があるので平地より3~4℃程度低いであろうか.ただ実際バスを降りたらも少し低いと感じられた.

鳩待峠休憩所

鳩待峠の休憩所

ここはお土産店やお手洗いを備えている.また歩く山ノ鼻にもお手洗いを備えるが,お代が100円ということでここで飲料を買うなどして100円玉を準備しておく.

鳩待峠から山ノ鼻に下るトレイル

私達は非ガイド付きコースで,ここ鳩待峠に戻る時刻4:20PMを指示され各自出発した.先ず鳩待峠から山ノ鼻に至るトレイルに入るが,最初少し石畳みのトレイルがあり,程なく下写真の上り下り専用(右側通行)の木道となる.木道の所々は滑り止めゴムシートで覆われている.印象として「非常に立派に整備された木道」だ.

鳩待峠から山ノ鼻に下るトレイル

鳩待峠から山ノ鼻に至るトレイル

鳩待峠から山ノ鼻に至るトレイルは概ね緩やかな下り区間が多い.周囲は新緑で埋め尽くされ実に爽やかで美しい.また所々に小さな池や流れがあり,花を付けた野草が見えるのも楽しい.

山ノ鼻に到着

山ノ鼻に到着した.ここには数軒の小屋やショップがあるようだ.やはり周囲の木立は清々しく気持ちいい.

山ノ鼻に到着

山ノ鼻に到着

山ノ鼻には幾つかのツアーグープが到着しており,また既に燧ヶ岳方向に歩を進めている人達も多い.

燧ヶ岳を眺めつ山ノ鼻から牛首分岐に向かう木道トレイル

なお上のマップにはないが尾瀬ヶ原西端先に至仏山があり,東端先至仏の対照位置に燧ヶ岳(ひうちがたけ)が位置している.ということで私達は燧ヶ岳方向を目がけ整備された木道を西に進む.いい眺めだ.

山ノ鼻から牛首分岐に向かう木道トレイル

燧ヶ岳を眺めつ山ノ鼻から牛首分岐に向かう木道トレイル

尾瀬ヶ原は全体が湿地であるが池や大小様々な流れのように特に水の多いところもある.左右木道の間に見えるのは水芭蕉であるが,どうやら水のたっぷりあるところが好みのようだ.

さて前述のように素晴らしい木道が続くのだが,そこを大勢のハイカーが歩く様子にはいささか驚いた.当然疎らなものと思い込んでいた.私のように手軽なバスツアーで来る人が多いそうだ.なお尾瀬に引き寄せる要因の一つは「夏の思い出♪」で,学校教育で採用されているので圧倒的効果という.歌謡曲にもご当地ソングがたくさんあるが,山より港町や漁のフレーズが多いか....それとやはり教科書にも載せねば....

牛首分岐に至る

やがて牛首分岐に至った.私はここでおしまいだ.この直前で板の繋ぎ目段差でつま先を引っ掛け転んだ際に手の先を傷つけた.ここ牛首ベンチで不器用にバンドエイドを貼っていると見かねた30代前半と思しきカップルの方が助けて下さった.こんな親切な人が居られるとは,感激しました.ありがとうございました.

牛首分岐に至る

牛首分岐に至る

東京電力は尾瀬国立公園全体の約4割,特別保護地区(尾瀬ヶ原を囲むかなり広いエリア)の約7割の土地を所有しているのだそうだ.すごいですね,びっくりしました.その昔ここに水力発電実験を行うために土地を確保したのが始まりらしい.

至仏山を眺めつ山ノ鼻に戻る

牛首でターンし至仏山を眺めつ山ノ鼻に戻った.こちらもまたいい眺めだ.実はこの方向も,反対の方向(牛首方向)も湿原に木道,先に岩峰,なので大局的には近似風景なのだ.とてもリラックスできる.

至仏山を眺めつ山ノ鼻に戻る

至仏山を眺めつ東に向かい山ノ鼻に戻った

ということで至仏山を眺めつ東に向かい山ノ鼻に戻った.往復同じトレイルを歩いたのだがやはり立派な木道だと思う.橋脚もコンクリートは使わず木材なのだ.

昭和30年代になるとハイカーが急増し,当時は木道や公衆トイレなどの設備が整っていなかったため尾瀬の自然は瞬く間に荒廃していったという.東電はその頃より荒廃から守ろうと約20km(細かい部分も合わすと全長65km)にわたる木道を敷設し始めたそうな.フクシマなど大変な課題を抱えているが立派な企業だと思う.

至仏山は写真でくっきりしてないが一部雪渓が残っている.例年と比べ今年の積雪はとても少なかった(半分程度)そうだ.

水芭蕉の花

水芭蕉の花

水芭蕉の花

ミズバショウ(水芭蕉)はサトイモ科ミズバショウ属の多年草,ということだ.芭蕉はバナナとよく似た花や実をつけるが,バナナのように大きな実にならない,とも載っている.これに関しては全く理解できてない(似ているところなど少しもないような.....ドシロートです)それにしても白飛びで形が解らない,写真下手すぎる.

では俳諧師松尾芭蕉についてはどうだ?本名は松尾宗房で,芭蕉は幾つかの俳号の一つということだ.なぜこのように称したかは知らず.

見かけた花

ミズバショウ以外にも色々な花を見かけた.左下はググったが分からなかった.トウレンゲツツジに似ているかな....

↓ミヤマエンレイソウ↓ヒメシャクナゲ
ミヤマエンレイソウヒメシャクナゲ不明の赤花リュウキンカ
↑不明の赤花↑リュウキンカ

見かけた花(他にも数多くあったが名前殆ど知らず)

私は今回が初めての尾瀬だった.同行の連れ合いは若い頃幾度か歩き小屋泊まりで三条の滝や燧ヶ岳に行ったという.私は全く初めてだが整備された「やさしい影 野の小路」木道をゆったり楽しむことができた,良かった.

(2023/6/14記)


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