サクサイワマン遺跡は,「要塞蹟」とか「城塞蹟」と呼ばれることがあるが,3層のジグザグ石組みが連なっていることから想像されただけで,明確な根拠はないようだ.それでもインカ帝国の都クスコを防衛する砦で,インカ第10代皇帝トゥパックユパンキが完成させた,との説もあるようである.石積みの傍らに立つと石の巨大さに改めて驚くばかりだ.どのように運んだのか?また写真では結構大きな隙間があるように見えるが,これは角が面取りされているためで,ハトゥンルミヨク通りの石積み同様,ここも石と石の間は隙間なく組み合わせている.
サクサイワマンはクスコ郊外,車で30分くらい登り,標高3600mくらいにあるようだ.とても広々し,見晴らしも良いので地元のピクニックや散歩などの行楽客も多い.ここで,地元民のように草地に寝転んで流れる雲を追ってみた.雲はどこで見ても変わりはないが,頬をなでる風はとても爽やかだった.
下は,サクサイワマンの写真あれこれ
サクサイワマン遺跡から少し行ったところに,白いキリスト像が立つ丘がある.ここはクスコの街全体を見下ろすことができる展望台でもあって,赤い屋根でびっしり埋まった街の中から,先に訪れたアルマス広場の様子など手にとるように眺めることができる.写真は4枚を繋げてパノラマにしてみた.
アルパカとリャマという似た家畜がこの辺の特産.これを連れた写真モデル(大体撮影料US$1だが)があちこちで現れてくれる.これがどちらか判別するのが難しい.一応広辞苑第4版のお世話になってみよう.
アルパカ【alpaca スペイン】ラクダ科の哺乳類.南アメリカ,チリ・ボリビア・ペルーのアンデス山脈の高地にいる家畜.原種はグアナコといわれるが不明.体長約1m.毛を紡いだ毛糸や,それで織った光沢のある織物をもアルパカと呼ぶ.
リャマ【llama】〔動〕⇒ラマ【llama スペイン・羊駝】ラクダ科の哺乳類.背に肉瘤がなく,頭胴長約2m.毛色は白か白地に茶または黒の斑.グアナコを家畜化したもので,肉は食用,乳汁は美味.アンデス山地で使役に供される.リャマ.アメリカらくだ.
広辞苑を眺めて,写真を眺めて,....結局どちらかは解らずじまい.顔がラクダそっくりなのでラクダ科であることは間違いなさそうだ.
下は,サクサイワマンの丘の写真
こちらのインディオのご家庭を訪問させてもらった.奥さんと子どもさんが在宅で,編物に使うのであろう,太い糸を紡ぐやり方を見せてくれた.この辺りの家は日干しレンガや土壁の作りが多いが,屋根はしっかりした瓦葺きである.その点,中東などで多い日干しレンガの建物とは大きく異なり,しっかり風雨に耐えられる構造だ.屋根にはしばしば2体の牛に守られた十字架が掲げられている.まあ,鬼瓦のようなものであろうか?牛と言えば,農耕用の牛が多く飼われているようで,ちょうど作付けの季節なのであろう,畑を耕している光景が見られた.家の中には大型ねずみのクスがペットとしてではなく,食用として飼育されていたりするのが珍しい.
下は,クスコの農村風景
このタンボマチャイ遺跡はインカ時代の水浴場跡ではないかと言われている.それにしてはプールそのもののサイズが小さいような気もするが.....ここも文字通り,水も漏らさぬくらい精密に石が組み合わされている.ここは標高3700mくらい,クスコの中でも高台にあり,そのため水源確保が容易ではない筈だ.インカでは,多少の丘はサイホンの原理で越える水理技術を有していたそうで,ここでもそれが使われているのかも知れない.
露店でなかなか可愛いインカ風生地を広げている.観光客は多くないのでちょっと商売も大変であろう.
現在は,太陽の神殿の一部が残されているに過ぎない.16世紀インカ帝国を征服したスペイン人は,太陽の神殿の石組みだけ利用して現在のサントドミンゴ教会を建設した.そこには,インカ石組みの神殿と言われる部屋がいくつか並んでいる.虹の神殿,月の神殿,太陽の神殿跡....などであるが,説明をよく聞かないとなかなか飲み込めない(筆者の場合).太陽の神殿内部は金が貼られ,また直径180cmの黄金の円盤があったが,他例と同様,全てスペインに持ち去られたそうである.
下は,太陽の神殿/サントドミンゴ教会の写真あれこれ.神殿は眺めのいいロケーションに建ち,ここからクスコの街をゆっくり眺めるのにとてもよい.
夕刻になるとクスコの通りは人影が疎らになる.電飾も少なく落ち着いた住宅街といった趣きだ.そんな訳で,街歩きの雰囲気ではないが,フォルクローレのディナーショーにくり出すことになった.各種ダンスから,笙のような楽器で,「コンドルは飛んでいく」など典型的なアンデス風演奏を披露してくれた.
下は,クスコのフォルクローレショーの写真