この武陵源袁家界編では,2017年10月15(水)午後,袁家界センターでランチの後,百丈絶壁,天下第一橋,亀の池,迷魂台などを見物し,百龍電梯で下ったときの写真を載せました.
袁家界はマーカー6辺りに位置している.
午前天子山辺りの見物が終わり,ここ袁家界旅客基地にやってきた.レストランがありここで食事を頂くためだ.
なお袁家界の名は,唐代に黄巣のクーデターが失敗したとき,黄巣の部下袁将軍は朝廷の追跡から逃れるため世間から遠く離れたこの深山に隠居した.そして後に袁家界と自ら名付けたということだ.
この大きなレストランに入った.お昼時なのでなかなか混み合っている.席に着くと手際よく料理を並べてくれた.郷土料理だそうで,湖南料理か,それとも土家族料理か...両者大きな差はないのかも知れないが...まあ,何れにしても中華料理の範疇から逸脱することなく普通に美味しかった.
壁の書画は売り物で,これらを解すると思しき客(普通中国人のお客さん)が入ると,これらの前に連れて行き,いろいろ解説やセールストークを語っていた.
百丈絶壁前ビューポイントには土家族貸衣装屋さんがあり,若い女性がコスプレを楽しんでいる.百丈絶壁を背景にインスタ映えショットを決めるのであろう.
百丈もの高さのある断崖の意であろう.1丈=3.03mだそうで,百丈なら300mくらいになろう.それとも百丈は実数でなく,高~いの例えかな.
以前は土家族住民がザイルで絶壁中ほどに降り,そこに生える薬草を採取していたそうだ.現在は当局より禁止されているそうだ.石英砂岩であるのでロッククライミングには危険すぎるためであろうか.ただ土家族のショーとしては今も行われることがあるそうだ.
そんな難所で採取される薬草は,ひょっとしてこの辺りに棲む仙人御用達,長寿薬効絶大のような響きがありそうな.....
百丈絶壁周辺は深い谷が形成されている.一旦下まで降りたら,樹木も豊富なことだし,絶壁だし....どのようにして戻るのでしょうか.
山は岩で,土壌は少ないのだが,それでも樹木は豊かで,メタセコイアなど500種余り生えているそうだ.根からの少ない水を補うため,大気中の水分を吸収しているそうだ.そうか,やたら霧や雨が多く,天気が悪いのはそのためか....と,私の恨み節だ.
天下第一橋手前のシーンだ.行く人,戻る人で大混雑している.でも渡っている階段トレイルが橋の一部のようには見えない.
それにしてもこの混みようは半端ではなく,典型的中国観光地の様相だ.
天下第一橋トレイルの手摺には大量の鍵と赤い短冊が結わえられている.
短冊には中国語の文言が記されているが,どうやら願い事を祈念するものであるようだ.それにしても大量だ.
ここに鍵のオブジェが展示され,天鎖,天橋,天地合一,万物和諧,と記されている.
天地合一とは天と地の一致,万物和諧とは全てのものの調和といった意味か?そして鍵を掛けることでそういった願いを掛ける.....いや,やはりよく解らないな~
上部が赤い短冊の掛かるトレイル部分,下に∩形(逆U字形)空洞,その間が厚さ5mという橋桁(天下第一橋の本体)だ.地震で崩れ落ちなければいいが.
標題の石碑があった.天下第一橋は石天生橋(岩の自然橋の意)とも言うようだ.
説明書きによれば,この橋は橋脚である50m隔てた2つの高さ400mの岩と岩の天辺が岩の橋桁で結ばれた天然の橋なのだ.橋桁頂き部は幅たった2m(ひゃ~狭い!),厚さ5m,長さ12mということだ.
天下第一橋から離れ,亀の池に向かった.そして橋を振り向くと断崖のトレイルには人が鈴なりだ.
それにトレイル脇は絶壁で,手摺が折れたりしたら.....人混みの中通ってきたが,怖そうだ.
長寿潭と呼ばれる大きな作り物の亀を浮かべた池があった.大幅に小さいが本物の亀もたくさん泳いだり,岩に載っている.さてどういった趣旨の池なのかよく判らないが,長寿の象徴亀に纏わるのであろう.
亀の池からさらに進んだ.この辺りの谷は情人谷と称されるようだ.情人とは恋人,愛人という意味だそうだが,どうしてそのような名になったのでしょうか.
岩の柱は150mも高さがあり,頂上は標高1,074mで,しかも根本はちょっと細そうだし,よく倒れないものだ.尤もこうした柱は無数にあるのだが,これは特別に乾坤柱(けんこんちゅう)の名が付いているそうだ.
乾坤柱には南天一柱という別名もあるそうだ.ただどちらもどう云う意味なのか理解していない.
さらに映画アバターに登場する『ハレルヤ山』のモデルがこの乾坤柱(南天一柱)なのだそうで,いっそアバターハレルヤ山若しくはハレルヤ山に改名しようとかの動きがあるそうだ.
と云うことでアバターの知名度に乗じる仕掛けが早速用意されている.これはその中の一つで,乾坤柱を背景に写せるようになっている.
お土産の記念メダルに日付や名前など刻んで販売するようだ.刻み込むツールは小型リューターのようだ.
ここも迷魂台の一部か.迷魂台の標識にはwandering spiritと添えてあったので,きっと魂が迷うところなのだ.この谷に降りたら人も迷うに違いなかろう.
迷魂台で何とか迷わず抜け出て百龍電梯乗り場にやってきた.ここで今日の観光が終わりという人も多かろうから,写真集や絵葉書の売り子さんが頑張って売り込んでいる.
さて電梯(エレベーター)はドイツ製2階建て3面ガラス張り50人乗り籠が3基あり,661mに位置する上駅から,垂直に切り立った岩壁に沿う326mを2分足らずで下るようだ.
ガラス張りエレベーターからは脇の絶壁,岩柱群と深い渓谷の絶景を望む.できればスピードを落として下って欲しいと思った.
またチケットを見ると片道72元(1300円くらい)と記されている.まあこんなもんかな~
335mの高さに位置する下の駅は岩をくり抜き設けられている.そして出口には百龍天梯とか世界第一梯とか誇らしげに掲げられている.世界第一梯は速度が最速ということらしい.
下から百龍電梯を見上げると,2階建て,3基の籠が岩壁に沿って上下する様がよく見える.下の方は岩の中に入って行く.外を眺めるには上部から眺めたいので合理的だ.
さてこれで武陵源袁家界見物は終わった.次は索渓峪の鍾乳洞見物だ.