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無錫は江蘇省の南部にある都市で，前日訪れた蘇州の北西に位置する．改革開放以来，急激に工業が発展し，蘇州と同様に日本企業の進出が多いそうだ．市区で223万人，郊外含め450万人くらいの人口を擁するそうだ．無錫も元来は錫（Sn：原子番号50）を多く産出する「有錫」という名の町だったという．それが，あまりにも多く掘り過ぎて前漢の時代には掘り尽くしてしまい，以来「無錫」になったと伝えられるそうだ．無錫は蘇州同様小さな河川が無数に流れる典型的な江南の水郷で，また太湖に産する水産物が豊富で，古来より「魚米の郷」と呼ばれていたそうだ．無錫は暑い夏から厳寒の冬まで気温差が大きく，東シナ海に近いためモンスーンや台風の影響を受けるので年間降水量は1,000mmになるという．訪れたときはそれほど寒くなく（東京同様，今年は暖冬らしかった），空気は乾きすぎているくらいサッパリしていた．
市の西，錫山と恵山という２つの山（丘）にまたがる公園．錫山はかつて錫を産出した山で，本来ここに登れば市街の眺望が開ける筈であるが，出向いたのが夜で，下の方をうろついただけなので見えなかった．仏教寺院，楼閣，池を配した庭園などが点在する．この写真はそんな池の１つで，水銀ランプ照明のためモノトーンに写っているが，現物も，静かな湖面に反射したミラー像も静かな佇まいだ．下に載せた天下第二泉を含め，10カ所余りの名泉が点在しているそうでもある．
ここは１つの仏教寺院の鐘楼．他の寺と同様，ライトアップしていることや，レストランと同じような赤い提灯が下がっているのが日本のお寺と大きく違うところだ．ここもやはり禅寺だということだ．境内には大きな銀杏の木があった．
下は，錫恵公園（のほんの一部）の写真
ここは CCTV(中国中央電視台)で放映されたテレビドラマ「三国志演義」を撮影した屋外スタジオを解体せずに，テーマパークとして残したところだそうだ．園内の案内板には，当園最大の呼び物，呂府と三英（劉備，関羽，張飛）の戦闘ショーの案内が掲げてあり，スタンドに座り開始を待った．始まると，写真のようになかなかの迫力で楽しかった．ただ，案内は中国語だけなので，だれが劉備で，どこに孔明居るのか？などよく判らずに終わってしまったが．
高い丸木の立ち並ぶそのてっ辺で，映画で見られるような中国拳法の技を披露してくれている．最後はここから飛び降り，喝采を浴びていた．お見事！
ある建物の一角では，写真モデルのお姫様が待機していた．暫く眺めていると，中国の他地方からと思われる男性観光客は並んで，女性観光客は一緒に楽器演奏のショットでキメていた．
下は，三国城の写真あれこれ
三国城は太湖の辺にあって，船着場も備えている．ここから船で太湖遊覧に出ることになった．太湖は中国で4番目に大きい淡水湖で，琵琶湖の3倍の広さだそうだ．
少し海賊船のような旗印の，趙雲（註）号という船で岸壁を離れた．関東地方では１月と言えば最も空気が澄んで見通しがきく季節であるが，この辺りは天気がいいのにいつも霞みがかかったようでくっきりとは見えない．太湖は広いので，中ほどに行けば常に四方のどこも陸が見えないそうではあるが，割と近距離でももやが架かり，自然現象とは言え残念なことだ．
（註）趙雲：後漢末から三国時代の武将で字は子龍，五虎大将軍の一人として非常に勇猛かつ義に篤く，武芸の達人．劉備から「子龍は一身これ胆なり（子龍は全身すべてが胆のようである）」と賞賛され，軍中では虎威将軍と呼ばれるようになったそうである．
下は，太湖遊覧の写真あれこれ
太湖の辺に真珠研究所があった．研究を行ってはいるであろうが，まあお約束事通り我々に期待されているのは商品を買ってくれることであろう．．．．．
ここも人口が増えているのであろうか，それとも都市部への流入人口が多くなっているのであろうか，新興住宅街がところどころに見える．立派な個建てやマンションが多い．ガイド藩さんの話では，上海辺りの住民も投資用にこの辺りの物件を買う人は多いそうである．とにかく今のところ値上がりが続いているので，そういった投資は増え続けているようだ．
宿泊した無錫山明水秀酒店のロビーに目立つポスターが大々的に貼ってあった．どうやら衣類メーカーの商品フェアの案内のようである．１企業がホテルでバイヤーを集めて新商品の展示商談会を開くことはしばしばあるそうだ．この辺は日本企業とて同じであろう．
下は，無錫市街の写真あれこれ
無錫では三国城の見事な乗馬戦闘ショーが結構印象に残る．『無錫排骨』はスペアリブではあるが，骨は付いておらず食べ易く，美味しかった．
