3日目のこの日はホロンボハットに滞在し,高度順応のため一旦4,300mくらいまで歩き,戻ってくる.
小屋で朝を迎えると,ウェーターがドア叩いて起こし,続いて洗顔のお湯とお茶を運んできてくれる.ネパール辺りのトレッキングシステムと概ね同じだ.この朝は小雨かな~と思っていると,雲の切れ間から朝日が輝き,小屋を赤く染めてくれた.北東の方向(写真左端)には雨の名残の虹も見える.さて今日の日中はどうなるやら.
下は,ホロンボハット朝の様子
ホロンボハットの直ぐ上で,キボ峰と向かう道と,マウエンジ峰に向かう左側の道とに分岐する.この日は左のマウエンジ峰方向に向け歩いた.寒空の下,潅木と高山植物ががんばっている.枯れて抜けかかった潅木の根が樹木全体に対して著しく太く,頑丈な形態を成しているのには驚く.やはり寒さと烈風に耐えるため進化した結果なのであろうか.
あいにく小雨がぱらつく天気となったが,暫く歩くと縞々のゼブラ模様の岩,その名もゼブラロックの前に到着した.地層線であれば横方向であることが多いが,多分それが捻られて縦模様になったのであろう.
下は,ゼブラロック辺りまでの景色
ゼブラロックを過ぎてさらに登った.右手のマウエンジ峰は昨夜積もった雪で白くなり,白い花はあたかも霜が降りたような様相に感じられる.だが道は相変わらずいいので歩くのは楽だ.
左(東)のキボ峰と右(西)のマウエンジ峰の間はサドル(鞍)状になっており,サドルと呼ばれている.ゼブラロックから暫く歩いて到達した.この辺りは4,300mくらいの高さのようだ.晴れていれば良く見える筈のキボ峰は,残念ながらガスの向こうで見えなかった.ところでこれはとてつもなく大きなサドルで,翌日キボ峰に向けて歩くときもこのサドルの別の部分を越えることになる.
下は,サドルへの写真あれこれ
サドルからは登ったときと同じ道を小雨の中足早に下った.
さて明日の天気はどうなるかな~?何とか晴れて欲しいな~
サドルから戻り暫くすると雨が上がった.ここで濡れた衣類を小屋の外に出して,陽にさらした.やはり晴れるとうれしい.
1つの建物に背中合わせで作られたホロンボハットの6人用部屋はこのようになっていた.筆者は下段のベッドを割り当ててもらったが,上段のベッドに上る階段や梯子はなく,椅子を踏み台にしてもちょっと大変だ.
概ね相似形で2段ベッドが1組X2部屋構成の少し小さなタイプの小屋もあるようだ.
さらに時が過ぎ,夕食近い時間になると,雲の間から初めて目指すキボ峰が頭を見せてくれた.こりゃ明日の天気に期待できそうだ.
また,東の雪を被っていたマウエンジ峰は,すっかり雪がなくなり茶色い山肌を見せていた(下の並び写真で左から3番目).
日が暮れる6:00PM,ダイニング小屋に集い,食事をとった.デザートはバナナとパッションフルーツの和えものだった.それ以前にも,この2つの果実が別々に出されたことがあったが,この日は「和えた」ところがミソで,味のハーモニーがすばらしかった.これは筆者だけの嗜好に合うのか,他の方は少しだけ召上った程度で,残った分は筆者が全て平らげてしまった.お里が知れるとは,きっとこんな場合に当てはまろう.
この日の夜,ヘッドランプを点けて別棟のトイレに向かうとき,夜空を見上げると星がさんさんと輝いていた.雲と霧が晴れ,この日は新月から2日目くらいの月齢であったが故に星が特にきれいだったようだ.
下は,ホロンボハットの夕べの頃