クライストチャーチからテカポ湖の辺りまで広がるのがカンタベリー平野.南島で一番広い平野と言っていたような.....ニュージーランドには羊,と云う固定観念を実感させてくれる風景に,あちこちで,いやいたる所で遭遇する.
合成繊維の進歩などで羊の価格は低下気味だという.たしか$100~$70/1頭,かそこら位らしい.そこで最近は鹿に転換する牧場主が多いそうである.大まかに鹿の価格は羊の10倍くらいだという.鹿は低コレステロールの肉は勿論,皮,漢方薬や化粧品用の角....と殆ど余すところなく利用できるのが高い理由だという.(羊だって,肉も毛も....だと思うが)
これはシェークハンドというお店で飼われていた羊たち.後方の黒い羊は突然変異で確か1頭/1000頭だったかの割合で出現するそうで,着色しない天然黒の羊毛は最近自然指向派の消費者に一定の人気があるそうだ.
これはニュージーランド第3の都市クライストチャーチに程近い地域のメインの道路.一般道路で,片側1車線で分離帯もないし,歩道もない.これで制限速度は100km/hr.とにかく町や村はめったに現れないし,従って交通量が圧倒的に少ないのでこのような交通システムが成り立つのであろう.将来人口が増えたらこうもいかなくなるであろうが.
下は,カンタベリー平野あちこちの風景
きっとクライストチャーチや北島の人が休暇で訪れるのであろうこのような割と小型のホテルが多いようだ.総じてニュージーランドの人はこのような自然の中でのアウトドアライフを好むそうだ.まあ,このように人が疎らで道路も空いていれば,必然的にそのようになるとも思えるが....
この湖(や後述のプカキ湖など)はマウントクックの裾野に広がる高原地帯に位置している.湖の色(ミルキーグリーンとも称されるようだ)は,氷河から流れ出た水が周辺の岩石成分と溶け合い,湖に流れ込むためだという.この道を右にもう少し進むとマウントクックがチラッとみえる.(左から1/4くらいの位置で,2つの稜線間にほんのちょっとだけ頭をのぞかせている奥の山)
テカポ湖畔にはいろいろなお店が並んでいた.ある小さなレストランの前で,歩道に積もった雪を取り除いていたボーイが,通りかかった子供たちにいたずらでシャベルで雪を放り掛けた.やったな~っと,女の子たちが雪を丸めてボーイの顔めがけて投げ始め,応戦していた.
下は,テカポ湖の写真あれこれ.最後の1枚は「バウンダリー犬の像」(Boundary Dog Statue)というのだそうだ.開拓時代の牧羊犬として活躍したシェパードで,広い放牧地をこれらの犬達が羊や,時には羊飼いまでも身を呈して守り抜いた,そしてそんな活躍をたたえて建てられたそうだ.ハチ公よりエライかも.
新訳聖書に出てくる 「善き羊飼いは羊のためには命をささげる」 から命名されたという.開拓当時の羊飼い達の労をねぎらって1935年に建てられ,今ではニュージーランドの代表的な景観の建物として知られるに至ったようである.
正面の十字架後方が大きな窓となっており,あたかも額縁の中のテカポ湖と山のように見える設計がすばらしい.
下は,善き羊飼いの教会周辺
ここの湖水も,氷河で削られた特定の成分が流れ込むためこのように濃い色になるのだそうだ.
この辺一帯は濃い霧で覆われ,木々は一様に白く染まっていた.霧氷だという.霧で視界が悪く,衝突事故が発生,レスキューが駆けつけたがまだ車内には被害者が取り残されている状況だった.
山岳性気候なのだろうか,特定の濃い霧と霧氷の区間を過ぎると晴れ間が覗くようになる.この辺りではマウントクックがちらりと見えたのだが,はてどの峰がマウントクックだったか.....?
下は,プカキ湖の写真あれこれ