トレック2日目グテンスへtrek day 2: go to Gutens(3,980m)

このトレック2日目グテンスへ編では,7月3日ビリチコーを発ち,急坂の尾根へ登り,山や花など撮りながら,グテンスに至ったときの写真と記事を掲載した.

尾根へ登るgo up to the ridge

ビリチコーで夜が明ける

ビリチコーで夜が明ける

7月3日朝4時過ぎ,ビリチコーで目覚める.テントを出て周りを眺めるとまだ薄明かりの中,お祈りの姿が見られた.ポーターかキッチンスタッフの人たちだ.ビリチコーには川が流れ木立が多い.ジュニパー(juniper)と呼ばれる緑の丸い実を付けた香木なども見られる.同行の方があすなろの仲間ではないかと教えてくれた.これで思い出したのだがネパールのシェルパ族が朝夕軒先で焚く香木もこの仲間であろうか?

5時前,なかなか姿を見せないというウルタル峰は出し惜しみしながらも流れる雲の間より赤く輝く頂を見せてくれた.キッチンスタッフの皆さんは朝食の準備で忙しそうだ.暫くし6時頃になると,お茶と洗面湯を運んできてくれた.こうしたやり方はネパールのオーガナイズドトレッキングと同じであろう.


タラータラー尾根へと登り始める

タラータラー登り始める

ナンやお粥の朝食を食べ,8時頃ビリチコー背面(東側)の斜面の登りに取り掛かった.目指す尾根まで700mの標高差があるそうで,ガイドより“タラータラー”の掛け声が届く.「ゆっくりゆっくり」,ネパールの「ビスターリビスターリ」,タンザニアの「ポレポレ」に相当するウルドゥー語だそうだ.少し登るとミアールピークの下から流れ出る白いミアール氷河(Miar Glacier)と,その下,スマイヤーピークの手前から流れるスマイヤー氷河(Sumayar Glacier)がよく見えてきた.

この辺りで小休止をとっていると,写真のようにキッチンスタッフが玉子パックを下げ,シェフのRさんは小噺で我々を一笑いさせて,抜いて行った.

ところで山岳ガイドKさんと総合ガイドSさんとは同じ大学の同級生で,Sさんは日本語専攻(とても流暢に話す),Kさんはスペイン語専攻だったそうだ.Kさんは片言の日本語を全く頓珍漢なシチュエーションで発して笑わせてくれる.例えば,お茶を注いでくれるときに「おやすみなさい」とか,役者だ.4人妻帯もありうるモズレムだが,地元の女性は一緒に山に行かず,つまらないし....と,独身だそうだ.カリマバードで弟さんご夫妻と小さなアウトドアショップを営みながら生活しているという.途中までだがガッシャーブルムⅣ峰登山隊などに同行した経験があるそうだ.


白いミアール氷河と黒いスマイヤー氷河が併流しバルプ氷河

白いミアール氷河と黒いスマイヤー氷河が併流しバルプ氷河

少し上に行くと2つの氷河,ミアール氷河とスマイヤー氷河がスマイヤーピーク(若しくはスマイヤールピーク)の麓で合流し,暫く混じらずに併流し下流に向かう様子がくっきり見える.何しろ前者は白く,後者はモレーンが堆積し黒いので一目瞭然なのだ.いや~おもしろい!ただ合流後はバルプ氷河(Barpu Glacier)というちゃんとした名に変わる.

ここからは東のスパンティークとその西のマルビディンに挟まれたポラン峠コアピークシャルタルピークなどを望み,なかなかの眺めだ.


白いミアール氷河も下流は黒くなる

白いミアール氷河も下流は黒くなる

バルプ氷河として暫く白黒2つの氷河が併流し,やがて下流に行くと全て黒いモレーンに覆われるようになる.ミアール氷河側もこの辺りから岩石を削り出すのであろうか.昨日横断したのはあの黒くなった辺りだ.

氷河の先にはレディフィンガーなどの峰々が林立し,カラコルムらしい光景を見せている.


尾根へ出る

尾根に出る

歩き始めて3時間程経た11時半ころ尾根に出た.これで急斜面はなくなり,ゆっくりと見晴らし台まで歩き,お茶となった.ビスケットやドライ杏を出してもらい,ミルクティーと共に味わった.あ~美味しい!

この辺り,陽射しは強いが気温はちょうど良く,空気は乾いておりなかなか快適だ.


下は,ビリチコーから尾根へ登るときの写真

ビリチコーから尾根へ登るときの写真
ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真
ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真 ビリチコーから尾根へ登るときの写真

ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花flowers

尾根に至るまで殆ど荒地であるが,所々可憐な花が咲いており目を楽しませてくれた.

ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花
ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花
ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花 ビリチコーから尾根へ登るとき眺めた花

グテンスへget to Gutens(3,980m)

尾根の向こう側グテンスへ歩く

尾根の向こう側グテンスへ歩く

お茶の後尾根を横切って反対側に少し下った.下った先にグテンス(GutensまたはGutenz)があるという.本来今日の宿泊予定地はその2時間ほど先にあるチュディンハライ(Chidin Harar)の筈であったが,雪が多いためテント設営が困難で,仕方なくグテンスになるという.ちょっと残念だ.水の確保が難しいとの説明だったが,ポーターの宿泊場所がないのが一番の要因ではないかとうわさされていた......

この辺りは長閑な家畜の放牧地となっていて,羊や牛が草を食んでいる.


テンスのキャンプサイトに到着

グテンスのキャンプサイトに到着

30分ほど歩きグテンスのキャンプサイトに到着した.手際よく既にテントが張られていた.広々,開放的,雄大な景色の中で仕事を終えたポーターの皆さんは地面に転がって日向ぼっこをしたり,シャベルでクリケット遊びをしたりしている.

尾根の先は氷河ではないが大きな谷が横たわり,対岸には白い峰々の山脈が聳え,北はウルタルの方向となる.


グテンス夏の石室小屋と対岸の山脈

グテンス夏の石室小屋と対岸の山脈

グテンスは夏の放牧地になっており,1軒の石室小屋が建てられていた.夏の間ホーパルの1家族(といっても男性のみ)がここで過ごし,他の村人から預かった家畜を含めて世話をするという.時々村までできた乳産品を運んだり,小麦などの食料を持ち帰ったり,と往復するのだそうである.

背後は雲が多いが対岸の山脈.さほど高くないのか普通のマップには載っておらず,山名は一応聞いたもののはっきりとは覚えきれなかった.


グテンス対岸の山脈拡大

グテンス対岸の山脈拡大

グテンス対岸の山脈も雲が切れるとなかなか立派な姿を現す.この荒々しさは,「カラコルムらしい」(←うまく説明できないが,何となく)と感じさせてくれる.いや~すばらしい!


下は,グテンスの写真いろいろ.

グテンスの眺め
グテンスの眺め グテンスの眺め グテンスの眺め グテンスの眺め グテンスの眺め グテンスの眺め グテンスの眺め

キッチンテント前,仲良しの二羽のニワトリは,「私たち死ぬときは一緒よね~」と話し合っていたが,一羽はこの日のチキンカレーとなって私たちの夕食に供された.その献身的生き方が褒め称えられようか,或いは単に私たちの蛮行として一生十字架を背負い生きていくべきか.....?ただのトレッキングと言っても考えさせることはいろいろある....


夕刻のアミール氷河方面

雲が無くなってきたので辿ってきた尾根を少し戻って眺めてみた.

PCまたは大きなタブレット使用の場合は,山頂や山名にマウスを置くと,上のフレームに拡大写真が出ます.

撮影地点:グテンス(Gutens:3,980m)
撮影地点:グテンス(Gutens:3,980m) panorama image
スパンティーク(Spantik:7,027m) ポラン峠(Polam pass) マルビティン(Malubiting:7,458m) スマヤールピーク(Sumayar peak:5,700m) ミアールピーク(Miar peak:6,824m) プープラッシュ(Pupa rash:6,574m) コアピーク(Kor peak) シャルタルピーク(Saltar peak:4,741m) ラカポシ(Rakaposhi:7,788m) カップルピーク(Couple peak:5,882m)

夕刻のグテンス対岸方面

グテンス対岸も雲が少なくなり,なかなかきれいに焼けてきた.

撮影地点:グテンス(Gutens:3,980m)
撮影地点:グテンス(Gutens:3,980m) panorama image
山名不明 ディステンギルサル(Distingil sal) 山名不明 クンヤンサッシェⅠ(Knyan chish Ⅰ) クンヤンサッシェⅡ(Knyan chish Ⅱ)

さてこうして7月3日は過ぎようとしていた.さて明日はどうなるか?雪が多いので本来の目標ラッシュピークは投げている雰囲気も感じられた.が,皆の疑問やら抗議やらで,ガイドKさんの偵察と添乗Eさんの英断(?)で,一応雪の様子や天気を見ながらなるべく近くまで行ってみる.....となったようだ.



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