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このトレック５日目（最終日）ホーパルに下る編では，ハムダールを出て，バルプ氷河左岸を下り，ブアルタール氷河に至り，これを横断してホーパルに下山し，トレック完了．この後４WDでフンザへ戻り，さらに小型バスでギルギットへと移動したときの写真と記事を掲載した．
ガイド，ポーター，キッチンスタッフ，私たち合わせて50人くらいらしいが，その殆どの人がここに並んでいる筈．皆元気でここまで来れて良かった．あと少し無事でありますように．
背後は大きな峰のギルギンディールとその左にちょこっと尖ったチョコタンがあるのだが．．．．．少し雲が多くよく見えない．
早朝の雨は上がり陽も射すようになった７時過ぎ，ハムダールを出てバルプ氷河左岸（西側）に沿うトレイルを下り始めた．
この辺りのバルプ氷河手前側（つまりミアール氷河からの流れ）は真っ白で実に美しい．氷河の対岸にはヒスパー（Hispar）山脈やテリオール（Terior）と案内されるが，今はどれがどれとはっきりとは特定できなくなった．フローティングゲートの絶縁が悪いのかどうか知らんが，カナジーの記憶は実に儚い．
ハムダールから30分程下ったであろうか，緑の草原が広がり，その一端に石室小屋が数軒並んだ夏の放牧村に着いた．ハパクンという地名だそうだ．トレイルに沿って水路も流れ，石室小屋には夏の間数家族（ただし男性のみ）居住しているようである．お互い人に出会うことが少ないので，「やあやあ」とたくさん（？）声を交わして過ぎ去った．
ネパールでも同じように夏の放牧地（カルカと呼ばれる）があるが，女性も子供も結構高い所まで上がって来るように思う．宗教の違い（イスラムとチベット仏教）が，ライフスタイルの違いになっているのだろうか？
下は，ハムダールからハパクン辺りまでの写真
ハパクン夏村の先にはとてもパキスタンとは思えないような草原が広がり，花が咲いていた．上の方から雪融け水が流れてくるのだろう．まあ，こうして夏になると草が生えるので，放牧地として麓の住民が登ってくるのであろう．
道端で石でできた大き目の犬小屋のようなユキヒョウの罠があった．中にヤギ肉等の餌で誘き入れ，閉じ込めるそうだ．ユキヒョウは絶滅寸前の野生動物であるが，住民にとっては，家畜が甚大な被害を蒙る厄介なものであるようだ．
先方の雲が少しとれて，ウルタル峰が望めるようになった．トレイルの状態も良く，緩やかな下りなのでルンルン進んだ．
暫く歩くと眼下に黒いブアルタール氷河が見えてきた．この辺りは岩だらけの荒地であるが，なぜか野生のバラが多い．モロッコでのバラの産地も砂漠っぽいところにあったが，本来バラとはこうした乾いた土地に咲くものなのだろうか？
下は，ブアルタール氷河辺りまでの写真
初日に横切ったブアルタール氷河を今度は反対側がら渡った．殆ど泥や岩で覆われているのであまりきれいではない．
このブアルタール氷河と，先ほどまで沿って歩いたバルプ氷河は年々後退しているそうだ．10年程前，これらの氷河を水源として頼っていた近くの村が，それが確保できなくなり消滅してしまった例があるそうだ．
ブアルタール氷河を渡ると，急勾配の上りが待っていた．途中一休みをとり，暫く歩くと見覚えのあるホーパル村はホーパルヒルトンインの建物見えてきた．11時頃到着し，早速昼食を戴いた．メニューは寸分違わず往きのときと同じようであった．それでも，ネパールの食堂で一般的なダルバート一辺倒と比べれば遥かに多彩な品々だ．美味しかった．
なお，私たちの名シェフRさんは大変忙しく，次にナンガパルバット方面のトレッキングに同行するそうで，直ちに車で旅立った．ご馳走さまでした．
昼食の後直ぐフンザに向け出発の予定だった．ところがどっこい，そうは行かなかった．ガイドSさん，Kさんとポーター間の賃金交渉が難航し，まとまらない．出発前に公的最低賃金以上でちゃんと契約しているのだが，どっこいそれではまとまらず，直接関係無い村の長まで登場し，いや～大変らしい．
それでも小１時間くらいすると，幾らかの上積みを加え，何とか妥結したようだ．写真のようにKさんも漸くにこやかにポーターと握手を交わし，私たちもお礼を述べて４WDに乗り込んだ．ありがとうございました．
下は，ブアルタール氷河とホーパルの写真あれこれ
往くときと同じ道を通り，フンザへと向かった．続けて走るときは埃が多いので間隔を開けて欲しくなる非舗装も多い，いやそちらが多いかも．ナガールの村々を通ると子供たちが手を振ってくれた．ありがとう．
賃金交渉で手間取ったが，車は順調に走り，予定より幾らか遅れてフンザのホテルに到着した．到着するとお茶を一杯戴き，預けた荷物を受け取り，トレック用ダッフルバッグ共々次の車両，小型バスに運び入れた．
山岳ガイドKさんとはここでお別れとなった．いろいろありがとうございました．
下は，ホーパルからフンザへ行くときの写真
フンザを出発するとこの日はうまい具合に雲が少なくラカポシがきれいに見えていた．バスはその後く土砂崩れに遭遇し，渡るのを躊躇するも，後続のミニ乗り合いバスが果敢に行くのを見てこれに続く．
途中，街道脇の農家の屋根で乾し杏を作る光景や，ジャガイモ売りの場面を眺めながらフンザ川，ギルギット川に沿ってどんどん下っていった．
道はやがてインダスに沿うに至るまで南下した．そして程なく下流方向に赤く染まる高い頂が目に入ってきた．ナンガパルパッドだった．やはり高い山だけあって雲に架かりやすいと同時に上の方だけ晴れて，赤くなる場合も逆に多いのかも知れない．
長い間車で揺られ，やがてギルギットのセレナホテルに到着した．８時半頃で，先ずは夕食となった．庭でバーベキューでカバブ初めとした各種料理やフルーツが美味しかった．
食事を終え，部屋に向かう途中声を掛けられた．驚いて眺めると，バルトロ氷河でお世話になったシェフのSfさんだった．数日前ガイドSさんに彼のことを尋ねたことがあったので，予め彼に伝えてくれていたのであろう，ありがとうさん．Sfさんは今年はトレッキングには同行せず，このホテルで働くという．まあ，その方が仕事としては安定していて，いいのではなかろうか．
部屋に入ると久しぶりに風呂に浸かり，ゆったりできた．山はもちろんいいが，山の後のこうしたリラックスもまたいいもんだ．お休み～．
下は，フンザからギルギットへ行くときの写真
山より大変なKKHドライブがあと一日ある．いやあと一日しか残っていないか．さてどんな日になるやら．．．．
