日月潭Riyuetan

この日月潭編では,台中から日月潭に行き,同湖畔に建つ文武廟,そしてその近くの小さな町を見物したときの写真を載せました.

日月潭に向かう

ビンロウ(檳榔)とバナナの林

ビンロウ(檳榔)とバナナの林

台中から東に折れ,山道へと入って行った.山道と言っても道は良い.やがて街道は雲の架かる山岳部に入り,麓には小さな町や集落が点在するようになる.そして集落の近くには細長い椰子の木のようなビンロウ(檳榔)樹やバナナの林が目立つようになる.

一昔前,日本のバナナ輸入先は台湾が多かったが,近年はフィリピンや南米など低コスト品が多くなり,日本への輸出はめっきり減り,作付面積も著しく減少したそうだ.

バナナに比べ,ビンロウ(檳榔)林は広大に見える.軽い興奮剤として,石灰,キンマ(野菜の一種)と一緒に噛むのだが,まだそれほど需要があるのか不思議だ.以前は口を赤くしたバスやトラックドライバをよく見かけたが,今回の旅行ではあまり見かけなかった.眠気覚ましになるが,喉頭ガンの要因となることが明らかになり,また噛み残りカス(赤い)の道路への吐き捨て禁止令などで,愛好者は減ってきているという.この先々の土地でもそうなのだが,それにしても夥しい数の檳榔樹が栽培されている.愛好者が減ったとは言え,まだ絶対数は多いのであろう.


日月潭(Riyuetan/Sun Moon Lake)に着く

日月潭に着く

やがて日月潭(Riyuetan/Sun Moon Lake)に到着した.標高750m(芦ノ湖と同じくらいという)に位置し,面積が7.73km2で,台湾最大級ということだ.元々自然湖であったが,発電用ダムを建設したため面積が広がったのだそうだ.そしてその発電量は台湾の水力発電の半ばを占めるということだから大したもんだ.

ところで湖の北側が太陽(日),南が月の形であるところから日月潭と呼ばれるのだそうだが,う~ん,よく判らない....中国人は他のものに見立てる,とか連想するのに秀でている.場合によってはこじつけに感じられることもあるが←僻みかな? それと,本来ターコイズの綺麗な湖面に,山の緑が映える筈であったが.....この天気ではちょっと.....

またこの周辺は台湾原住民17部族の一つサオ族の聖地とされているそうであるが,現在は圧倒的多数の大陸から来た台湾人に占領されていると云うのが実情であろう.

日月潭畔の文武廟the wenwu temple

文武廟入り口門

文武廟入り口門

日月潭の畔には大きな文武廟が建てられていた.この門の上に前殿,中殿,後殿が階段上に連なる中華様式の立派な廟である.前殿は学問の神様という文昌帝君と云う方(ともうひと方),中殿は関羽将軍(ともう一人)を祀った武廟,後殿は文廟(孔子廟)ということだ.


中殿への龍の階段

中殿への龍の階段

中殿へ上る階段中央には大きな龍の造形が置かれている.きらびやかな建物群の中にあって,更に絢爛さを加えている.日本の寺社建築では最も絢爛ではないかと思える日光東照宮でもとても勝負にならないと思う.


中殿に祀られた関羽将軍ともう一人

中殿に祀られた関羽将軍ともう一人

横浜中華街にも立派な関羽将軍廟(関帝廟)があるように,関羽将軍は中華文化圏では神となり,頻繁に祀られた場所に出合う.ご存知,蜀の劉備に仕えた武将であるが,並み外れた武勇に加え信義や義侠心に厚い人柄は敵の曹操さえ含めて,だれからも称賛されたという.また『三国志演義』などにも逸話が記され,人々に色々な伝承や信仰が生まれ,神格化されていったそうである.

ところで桃園の誓いで,劉備,関羽ととも義兄弟の契を結んだもう一人,張飛はどうしたか?『演義』などでは割りと武闘派的に描かれていることから神格化されるには至らなかったのであろうか?


お祈りの人々

お祈りの人々

この日は土曜日でもあったためか随分と参拝者が詰めかけていた.若い方々が相当多く,長い線香を灯し拝んでいる.

また礼拝所には,対のコーヒー豆を大きくしたような2つの木片が置いてあり,これを地面に投げて占うことができる.裏と表のペアが出るまで投げ,出た後は番号棒を引き,....と長いプロセスを辿り結果が判明するようだ.

でもそんな事やってたら日が暮れるので,ガイドKさんは『願い事を心の中でつぶやき,2つ投げて,裏表ペアならOK,表々,裏々ならX』という安直方式を伝授してくれたのだった.


壁のレリーフ

壁のレリーフ

三国時代の戦車であろううか?壁にはこんなレリーフが嵌めこまれていた.ぱっと見,中華風には見えず,ここだけ中世ヨーロッパのお城の壁か?と思えなくもない.面白い.


赤い甍の先に日月潭を望む

赤い甍の先に日月潭を望む

後殿で孔子像を拝んで展望台に出ると,赤い瓦の先に日月潭が広がっていた.静かではあるが,また一雨来そうな空模様だ.

瓦と瓦の交わる稜線先端部分には動物のようなものが何体か載せられている.沖縄のシーサーのようなお守りなのであろうか?ただ動物の種類は多いようだ.


下は,日月潭でのいろいろな写真

日月潭での眺め
日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め
日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め 日月潭での眺め

日月潭近くの小さな町

ビンロウ店

ビンロウ店

日月潭を見物した後,台南に向け出発し,途中のレストランで昼食をいただいた.レストラン近くに小さな大項檳榔と記されたビンロウ店があった.ガラスには石灰,包葉と併せて噛む品も記されている.お店番のオバさんはあまり客が多くないようで手持ち無沙汰なようだ.少し前までは少し怪しげな装束のビンロウガールも多かったそうだが,今はそうではないようだ.

ところで,ビンロウを嗜む人は少なくなったと聞くが,その割に道端のみならず高雄のような大都会でもこうしたビンロウ店は結構目立つ.少なくなったと言ってもまだまだ,というところか.


黒檀彫刻は日月潭周辺の特産

黒檀彫刻は日月潭周辺の特産

ここはレストランのお土産売り場.硬くて美しい黒檀は日月潭周辺の特産だそうだ.でも密なだけ成長は遅く,伐採は保護されているので,近年は輸入材が多いそうだ.それをこうした仏像や家具に加工し,内外の観光客に販売しているという訳だ.職人さんの彫刻の腕はなかなか素晴らしいと思うが,あまり用途はないし....



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