太魯閣渓谷Taroko Gorge

この太魯閣渓谷編では,花蓮市から間近い太魯閣(タロコ)国家公園内を流れる渓谷で,燕子口,錐麓大断崖,慈母橋辺り,太魯閣渓谷資料館,長春祠辺りの写真を載せました.

燕子口から錐麓大断崖へ

花蓮から登ってくる

花蓮から登ってくる

海岸沿いの花蓮の街から少し北に来て,そこで太平洋に注ぐ立霧川(渓)に沿う道を内陸西方向に入った.すると程なく川は渓谷状の深い谷となる.これがつまり太魯閣渓谷である訳だ.立霧渓谷ではなく太魯閣渓谷の名であるのは,多分長い立霧川の奥深くではさほど深い谷とはなっていないためであろうか?なお太魯閣はこの辺りを生活拠点とする原住民の一つ,タロコ族に因むそうである.


燕子口

燕子口

渓谷入り口近くに燕子口と呼ばれる場所があった.大理石の壁に大きな口がたくさん開いている.名前を聞いて,ツバメが開けた,とかツバメがここに巣を作るとか,誰しもが連想した.穴は,当初水が滲み出す程度の小さな隙間だったものが,ものすごい年月かけて侵食が広がり,大きくなったものらしい.湿っぽいのでツバメの営巣には適さないし,元よりツバメが嘴は石を穿つほど強くはないそうだ.

もちろんツバメは春(かな?)になるとこの辺りにたくさん飛んできて,岩の隙間とかに巣を作り,また巣立っていくのは確かだそうだ.


トンネルを含む断崖の道路

トンネルを含む断崖の道路

石の断崖の道路工事は困難を極めたそうである.蒋介石が威信をかけて1956~1960年に工事.この4年間で殉職した人は212名にも上るという.島の東西を繋ぐこの2車線の道路は東西横貫公路と称せられ,奥では3,000m級の高峰が連なる中央山脈を横断し,全長192.8kmあるそうだ.ガイドKさんはバスで2回横断したことがあるが,確か18時間掛かったと話していた.

バスで走っていると断崖の連続でなかなかスリリングだ.全行程横断はさぞかしひやひやでしょうね.


錐麓大断崖

錐麓大断崖

高さ200mもあるという大理石の1枚岩.大理石のサイズでは世界最大級とか.

この辺りから上流は谷の幅はさらに狭まってくるようだ.


下は,燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真

燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真
燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真 燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真 燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真 燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真 燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真 燕子口から錐麓大断崖辺りまでの写真

太魯閣渓谷の慈母橋辺り

欄干などに大理石がふんだんに使われた橋.名前の由来は2つあって,
(1)4年間ここの工事に携わり,勤務の工事現場まで一日も欠かさず弁当を届けたという母親の慈愛に因む.
(2)蒋介石の長男,蒋経国氏がここを視察した際,母を偲んで名づけた.
私自身は初めの方の説が好きだが.

太魯閣渓谷の慈母橋辺り太魯閣渓谷の慈母橋辺り
太魯閣渓谷の慈母橋辺り太魯閣渓谷の慈母橋辺り

太魯閣渓谷の資料館とコーヒーショップ辺り

慈母橋の少し先に行くと資料館があった.立体模型や各種写真が飾られている.

その下の階は渓谷に面したテラスになっており,タロコ族の人が営むお土産販売を兼ねたコーヒーショップになっている.コーヒーには茶菓子も付けてくれて,美味しかった.派手目な赤いタロコ族伝統衣装が興味深い.

太魯閣渓谷の資料館太魯閣渓谷の資料館
太魯閣渓谷のコーヒーショップ太魯閣渓谷のコーヒーショップ

太魯閣渓谷の長春祠辺り

上述のようにこの東西横貫公路建設では212名の犠牲者が出た.長春祠はそれらの人々の霊を弔うため1958年に建てられた祠だそうである.

ここでは観光バスが20台ほど止まっており,対岸の祠に向かってお祈りする.

太魯閣渓谷の長春祠太魯閣渓谷の長春祠
太魯閣渓谷の長春祠太魯閣渓谷の長春祠

タロコ族の歌を聞きながら花蓮に戻る

タロコ族ガイドCさんが歌を披露

タロコ族ガイドCさんが歌を披露

花蓮と太魯閣渓谷では専属のタロコ族ガイドCさんが案内してくれた.渓谷の観光を追え,花蓮の街に引き上げる途中歌を披露してくれた.台湾のバスには必ずカラオケ設備とモニタースクリーン(普段これが展望を妨げ邪魔なのだが)が備えられているので,直ぐに始められるのだ.

Cさんの歌は声量豊かできれいだった.通しのガイドKさんの評では,一般に原住民の人々は歌が好きで,上手な人が多いが,特にCさんは上手ですよ~と,事前に太鼓判を押していたが,その通りだった.


花蓮翰品酒店に到着

花蓮翰品酒店に到着

バスは夕方花蓮翰品酒店に到着した.これで今日の観光は完了した.ホテル前庭にはクリスマスツリーが飾られていた.花蓮ではクリスチャンが多いそうだから本物(?)であろう.


さて明日は朝早く列車で九ふんに向かう.早く寝なくては.



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