この滝ハイク,カナイマへ編では,2015/2/6(金)朝エンジェルフォールキャンプのハンモックで目覚め,朝食後先ずエンジェルフォール眺望点に歩き,続いてエンジェルフォール直下へと歩き,花など眺めつ下山.そしてキャンプサイトで昼食後再びボートでチュルン川からカラオ川へと下り,カナイマに至ったときの写真を載せました.
さてこの日2015/2/6(金)辿った場所,エンジェルフォールキャンプ(25),エンジェルフォール(26),カラオ川(22),チュルン川(23),カナイマ村(21)の関連周辺マップを掲げた.
2015/2/6(金)エンジェルフォールキャンプに朝がきた.この日はいろいろ行動が目白押しだと云うことで速い時間の朝食,従って賄い方さんは暗いうちから調理にとりかかって下さった.
できあがった朝食を頂くと,チュルン川の渡し場へと歩いた.エンジェルフォールはキャンプ対岸にあり,先ずはチュルン川を越えるわけだ.
川原に出ると目の前にアウヤンテプイの断崖と,そこから落ちるエンジェルフォールがクリアに見えた.ただ水量は少なく,些か迫力に欠くが,乾季なのでやむを得まい.
また川原ではすでに私たちのボートが,下の船着場から遡り待機していてくれた.故障した一艘も復旧し,チュルン川岩底と戦う戦列に戻ったそうだ.
ボートは私たちを対岸に運んだ.こちらの川原もかなり干上がり,川底の石がゴロゴロし,川幅も狭くなっている.
さてここからエンジェルフォールに向かうトレイルが始まる.
私たちは川原からエンジェルフォール眺望点目指し,森に入っていった.
森は樹木が茂り,また地べたにはいろいろな草類も豊かだ.樹木は真っ直ぐ伸び立派なものが多いが,例のクルーズの丸太舟を刳り出せるほど太い木は見当たらない.
豊かな樹木は,根もまた茂り,ガレたトレイルに縦横に張り巡らせている.
ここはロライマ山の完全に標識ゼロと違って,簡易ながら標識が備えられている.20億年前の環境保全に比すればこの程度の人工物は無問題ということだろう.
ガイドJさんが見つけてくれた.左は大きな球状のアリ(確か毒アリ)の巣で,随分大きい.カマキリやある種のカエルのように立木の周りに丸く形成しているが,べらぼーに大きい.
中央がそのアリの成虫.羽根がある.これではハンモックでも飛んできて射される....ということはないのかな?
右は極めて密なネットを張ったクモの巣.やはり毒グモであったような....(でも不確か).ネットが強力なためかなりの大物も掛かったら逃げ出せない.
そうこうしている間にエンジェルフォール眺望点になった.写真右手に上がったところだ.
この眺望点からはエンジェルフォール全体像が見渡せる.確かに979mを一気に落ちる様は迫力だ.
落下手前で霧状になる様子もよく見える.望ましくはもっと雲が取れて,水量が増えて....と欲望尽きることのないのもまた正直なところだが.
眺望点からも少し上へと歩いた.トレイルはそれまでと同様,木の根の絡まる岩の路面が多い.陽当たりが悪いからか,雨が多いためか全般に湿っぽい雰囲気も同じだ.
ほどなくエンジェルフォール直下に至った.ここからは一旦霧状になって落ちた水滴が,再び凝集して子の滝を形成し,その落下点に池,滝壺をうがいている.
この滝壺に入って,ひと泳ぎ楽しんだ人もおられた.深いところは背丈以上あるそうだ.私は例によって,着替える場所がない....何のこうのと躊躇し,結局そのまま引き上げた.
エンジェルフォールからの帰路,ガイドJさんがまたいろいろ探して見せてくれた.これはきのこの一種だそうで,まあ変わった形だ.なめこやしめじのようにクラスター状になっているが,何しろ傘が開いているので,全体が扁平で大きい.食べられるとは言ってなかったと思う.
Jさんは花も見つけてくれた.花や葉っぱが厚ぼったいのが南国風かな.
先住民ペモン族のハンターは,この木で吹き矢の筒を作るそうだ.真っ直ぐなことと,内側中心部が柔らかで,長い深さに渡って丸く抉り出すことができる素材なのだそうだ.筒の長さは2m,或いはそれ以上に達するそうだが,矢の直進性,従って命中率が高まるのであろう.
矢は竹(実物は見ていない)から作り,その先に塗る毒液はクラーレと称され,やはり所定の植物の根から抽出した液体を煎じたりして作るそうだ.
また同行のこういった分野がご専門のMDであるTさんによれば,このクラーレ系と日本でも産するトリカブト系が,世界二大天然薬物だそうである.いずれも極めて薬効が強いそうだ.
さて無事エンジェルフォールから戻った.そして右の昼食を頂いた.パスタにコールスロー,美味しかった.ごちそうさま.
キャンプで昼食頂くとここを離れ,川下りのボートに乗った.エンジントラブルは収まったので,二艘に分乗し,前日とは逆方向,すなわち流れの方向にチュルン川からカラオ川へと下る.下りなのできっと楽でスピードが出る筈だと思う.
ところでヤマハ船外機はスクリューが反転できるようで,このように岸から離れることができるようだ(初めからそうだったのであろうが).メカニズムはどうなっているのかな~ギヤ切り替えかな?
上ってくるボートと出合った.なおこの日は繁盛しているようで,3,4組の遡上ボートとすれ違った.前日より水位がさらに下がったようで,このボートは,ロープも繋ぎ,客も加勢し5人がかりで引いたり押したりしている.大変だ~
この日の情報では,後5日間でボート運行は不可能になり,よってこうしたクルーズツアーは打ち切りになるそうだ.私たちはラッキーと言えばラッキーだが,それにしても際どいタイミングで訪れたものだ.
チュルン川を順調に下ってきた.眺めもいいし,上りよりも巻き上げる飛沫が少ないようで快適だ.そしてそろそろチュルン川が終わり,カラオ川に注ぐ手前にきた.
ここでも上りのボートとすれ違った.私たちのボートは下りなので,飛沫を上げながら突進する.一方対向ボートは船頭さんがオールを捌きながら懸命に舳先を操っている.
とは言っても下りも簡単ではない.もち論船頭さんが川に降り,押したり引いたりする場所もあった.またこうしてカラオ川に入り,少し下り,前日はちゃんとボートで進んだ区間に来たのだが,今回は陸に上がって歩くところも現れた.やはり前日より水位が下がったためであろう.
この陸路は陽が挿す程度の明るい林で,弱いながらちゃんと踏み跡が付いている.きっとこれくらいの雨季と乾季の間辺りでこうして歩かれるのであろう.距離は15分位だったか?
林の陸路から再びボートに乗り込み,川面を順調に滑り始めた.川幅が広がり流れは緩やかになった.
前日上りで上陸した,浅瀬脇の陸にまた上がり,そして30分ほど下流側に歩いた.そして前日昼食を頂戴したレストランに来て,今回は確かコークを頂き,喉を潤した.
このベンチに腰掛けていたときであるが,同行のFさんが両腕をプリプリに射されてしまった.長袖シャツだったに拘わらず,それぞれ片腕,手首から肘の間に20個くらいのブツブツができた.シャツの上からごく短時間にこんなにたくさんの....と,とにかくプリプリの攻撃力には驚くばかりだった.
再びボート乗るため岸に降りた.プリプリ事件の直後だけに,プリプリの好きな水辺は警戒警報最大で臨んだ.幸いプリプリは大丈夫だったが,Jさんが亀を見つけて足で抑えた.で,この足をどけて,リリースするとこれがものすごい速さで川に向かう.Jさんが小走りしないと追いつかない速さで,びっくりするの何の,あっけにとられた.『うさぎとカメ』とか『もしもし亀よ,亀さんよ...』とか,日本だけに通用するストーリーなんだな~と,島国根性的発想(ちょっと違うか?)に対する警鐘を鳴らされた感じだった.
さて午後5時を周り,亀の岸辺にも若干赤みが射し始めた.最終クルーズのボートに乗り,ゆっくり進みだした.終点のカナイマ湖上までは全く障害のない航行で,いくらでもない時間で到着予定だ.
下は,チュルン川,カラオ川下りでの写真
午後5時半カナイマ湖上の船着場に到着しクルージングは完了だ.岸辺は赤く照らされ美しい.楽しかった.
これが今回のクルーの皆さん.カラオ川とチュルン川クルーズするワザに驚き,そして渾身の力を込めて難所を航行してくれた労力に対して感謝の気持ちでいっぱいです,ありがとうございました.
カナイマ湖船着場から,やはり湖畔に立地するカンパメントホテルに入り,チェックインした.ホテルの開放的ロビーからカナイマ湖を望むと広く静か,それに上空は雲ひとつなく,暮色に染まりつつあった.
明日はこの湖内のボート巡りがある予定だが,まあゆったりのんびりのクルージングとなろう.
カンパメントホテルは2部屋続きのコテージが多く並ぶスタイルだった.部屋は写真のように先ずヒョウ柄に統一されたカーテンやベッドカバーにちょっと驚かされる.エアコンは付いているが,そのまま適温で,使う必要はなかった.また熱いシャワーはちゃんと出て,これは助かった.
レストランもまたロビーのように開放的な作り,いやロビー,カフェ,レストラン全てが開放的な一続きである.リゾート気分を満足させる構造だ.
そしてこの夜はここでバフェ形式の夕食を頂くことになった.
いろいろ並んでいたが,少なくとも写真にはトマト,オニオン,ミックスドポテト,ポークチョップが写っている(残っている).ビールもあったし美味しかった.
さて今回ツアーもあと僅かになった.早いものだ実に.