パライテプイへgo to Paraitepuy

このパライテプイへ編では,2015/1/30(金)朝,車でカモイランのロッジを発って,カマの滝に至り見物,そしてパテプイの谷経由でチェコの滝,次いでユルアニの滝に至り,次いでそのまま南下し10号線上のサンフランシスコに来て昼食.そして食後サンフランシスコ先で10号線を離れ,無舗装路を辿りパライテプイのロッジに到着したときの写真を載せました.


カモイラン~パライテプイ周辺のGoogleマップ

さてこの日2015/1/30(金)は,先ずカモイラン(6)を出て,カマの滝(7)に寄り,そしてパテプイの谷経由でチェコの滝(8)に来て,次いでユルアニの滝(9)に至り,さらに南下し10号線上のサンフランシスコ(10)の村に来て昼食.そして食後サンフランシスコ先で10号線を離れ,東に未舗装路を辿り,ロライマ山麓のパライテプイ(11)のロッジに到着した

カモイランを発つleave Kamoiran

カモイランの朝荷物を出す

カモイランの朝荷物を出す

1/30(金),カモイランのロッジPapidos Kamoiran Campに朝が来た.昨晩仕分けした荷物を持って,車高を上げたトヨタランドクルーザーの並ぶ玄関先まで行く.

生憎今朝は,強くはないが雨のようだ.この地方今は乾季(12月~5月の間)ということだが,乾季でも結構降るのだそうだ.ただあまり降らないと次週訪れる予定のエンジェルフォールに行く川の水量が減り,ボートが進めなくなる,つまり行けなくなるという危険があるそうだ.パンフレットの片隅には老眼では見えないほど小さな字でその旨書いてあるそうだ.なので,迂闊にてるてる坊主を下げたりできないのだ.


今日も朝から売り子さん

今日も朝から売り子さん

昨日のアクセサリーの売り子さんは,今朝も早くから商品を壁上に並べていた.幾つかでも売れるといいですね.....


カモイランのロッジレセプション

ロッジレセプション

改めて玄関周りを見渡すとレセプションの標識が架かっていた.ただその標識は傾き,窓口はスノコのブラインドで覆われているので機能している様子はない.

レセプション反対側(左側)にはレストランの標識があり,これからそこで朝食を頂く.


カモイランのロッジPapidos Kamoiran Campの朝食

カモイランのロッジの朝食

これが出してもらった朝食.ハム,チーズ,エッグ,ロールパン,ごくありふれた内容のように見える.ただパンがトウモロコシで,そこが普通と大きく異る.アレパ(arepa)と呼ばれ,少しざらついた食感であるが,然程違和感なく食べることができると思う.


カモイランを発つ

カモイランを発つ

さて,朝食を済ますと私たちのランクルは小雨の中をスタートした.相変わらず緩やかな起伏の道が続く.私の車両のドライバーは昨日に引き続きLさんで,スピードは他車両同様速いが大変丁寧なドライビングをしてくれる.Lの名はジョンレノンのファミリーネームと違って,ファーストネームだということだ.Lさんは元々他国の生まれで,今はベネズエラ在住ということだ.きれいな英語を話す.

ところでどのランクルも車高を上げているが,これまでのところどこもいい道で,その必要性を認める路面はなかった.この先あるのかな...

カマの滝Kama Fall

横から眺めたカマの滝

横から眺めたカマの滝

車はカマの滝にやってきた.落差60mというなかなか大きな滝だ.上部の平べったい感じのカマ川の流れが2条に分かれて落ちるので双子の滝とも言われるそうだ.カマ(Kama)がこの辺りの先住民族ペモン人の言葉で『双子』の意に相当する.....いや『吸い込まれる』の意だとか....結局不明だが.


上から眺めたカマの滝

上から眺めたカマの滝

重なった岩盤凹み部分に水が流れ,先端から落下している.岩盤凹凸は浅いので,雨季には上まで水が被さり,一面湖状になり,そしてとても幅広なカマの滝となって落ちるそうだ.雨季まで待てない私たちはそそくさと元の通りまで引き返したのだが.


カマの滝で露天販売の石細工

カマの滝で露天販売の石細工

滝の脇で先住民伝統デザインと思しき石彫刻が売られていた.エンジン船外機も見えるから,現代要素も組み込まれている.篆刻で石彫りに親しむ筆者にはなかなかの味が感じられる.すみません,買いませんでしたが.

なお確か白いのが『ソープストーン』で,これで洗うと肌がスベスベになるという....だったと思う.


カマの滝で咲いていた花

滝の脇でこんな花が咲いていた.

カマの滝で咲いていたピンク花カマの滝で咲いていた黄花

パチェコの滝Pacheco Fall

テプイの谷(Tepuy Valley)を目指す

テプイの谷を目指す

カマの滝を見物した後,ランクルはテプイの谷を目指して進んだ.でも行く手は雲が深い...見えるかな.....?


テプイの見えないテプイの谷(Tepuy Valley)

テプイの見えないテプイの谷

そしてテプイの谷(Tepuy Valley)に到着した.晴れていれば6つのテプイ(台地,テーブルマウンテン)が連なって見える場所だそうだ.でも深い雲で,何も見えない.まあ,こんなこともあろう.

添乗Sさんは不憫に思ったようで,もし雲がなかったらこんな風に並んで見えますよ~と,旅のしおり裏表紙に6つのテプイの形と名前を記し,翳してくれた.タラメン,イル,カラウリン,ワダカ(突起状),ユルアニ,クケナンだそうで,ロマイナはクケナンの裏でここからは見えないそうだ.ありがとうさん.

ところで,例えばクケナンテプイのように,一般にXXテプイと呼ぶのに,ロライマ山だけはロライマテプイとは言わず,ロライママウンテンとか,Mt. Roraimaとか記されたり呼ばれたりしている.どうしてでしょうね?


パチェコの滝(Pacheco Fall)に到着

パチェコの滝(Pacheco Fall)に到着

そうこうしているうちにパチェコの滝に着いた.前に大きなカマの滝を見てきただけに,拍子抜けするほど小さい印象だ.まあでも優しい感じの滝で,これはこれでいいだろう.パチェコ(Pacheco)さんという人が見つけたのが名の由来だそうだ.今度は解りやすい,命名が安易だが.


パチェコの滝で泳ぐ人も

パチェコの滝で泳ぐ人も

滝壺がちょうどスイミングプールのようで,また水温がちょうどいいそうで,Sさん初め何人かの人が泳いでいた.更衣室とかないので,その辺がちょっと大変そうだ.


パチェコの滝の花

パチェコの滝の花

パチェコの滝の傍らには地味ながらこんな花が咲いていた.


パチェコの滝の10号線

パチェコの滝の10号線

パンアメリカンハイウェイの一部(若しくは支線)である10号線であるが,交通量は多くない.たまに通っていったバスは路線バスであろうか?車内は空いていた.

脇の道路標識を見ると,朝出てきたカモイランまで70km,昨日通過したエルドラドまで248kmと記されている.ふむふむ.


ユルアニの滝Yuruani Fall

10号線脇に入る

10号線脇に入る

パチェコの滝見物の後再び南下した.そしてユルアニの滝辺りに着くと,脇の小径を入った.


脇道はロライマ山のようだ

脇道はロライマ山のようだ

ユルアニの滝への小径は,後に歩くことになるロライマ山のトレイルのようだ.つまり一面の岩に若干の凹凸があり,凹んだ部分には水が溜まっている,そんな景観だ.この時点ではまだ未経験で,知らなかったのではあるが.


幅広いユルアニの滝

幅広いユルアニの滝

ユルアニの滝の脇にやってきた.落差は小さいが幅がある.その広い幅の中で落ちる水の厚さはかなり均一だ.ナイアガラの小型版の趣だ.


ユルアニ滝の下に降りてみる

ユルアニ滝の下に降りてみる

足場が悪いがユルアニ滝の下に降りてみた.これで全幅前面から望める筈だ.


ユルアニ滝の下から望む

ユルアニ滝の下から望む

ユルアニ滝の下から望むと全幅に渡って良く見える.うんなかなかいい滝だ.

滝壺の底面が赤いのはタンニン (tannin) が付着した色で,有害なものではないということだ.この赤はこれからギアナ高地他所でも見ることになる.


ユルアニ川を渡る

ユルアニ川を渡る

ユルアニ滝見物を終え,再び車に乗った.少し行くと,Salto Yuruani(ユルアニ滝),RIo Yuruani(ユルアニ川)併記標識のある橋を渡った.さっき見た滝が川となって流れてきた川のようである.こうしてみると結構広い川である.


サンフランシスコSan Francisco

サンフランシスコにやってきた

サンフランシスコにやってきた

ユルアニ滝見物の後サンフランシスコ村にやってきた.正式にはユルアニ川のサンフランシスコ(San Francisco de Yuruani)のようである.鄙びた藁葺き屋根の家が結構たくさん並んでいる.一様に通りに面した開放的店舗を備え,僅かづつ民芸品のお土産を並べている.客の数に対して店舗数が多いし,商売としては成り立つのは大変かな~と思える.爺さんなのに老婆心かな~


サンフランシスコのレストラン

サンフランシスコのレストラン

レストラン(カフェ)を営んでいるお店もある.いま客がないのでケータイがいい友だちになっている.多少ルックスは南米的ではあるが,世界のどこの国でも一般的に見られる光景であろう.でも上述のように観光客も地元の人も疎らなので,全般に長閑な雰囲気が濃い.


ローストチキン調理中

ローストチキン調理中

こちらがYarikuレストランの軒先で,チキンをローストしている.焼きあがったら私たちが昼食として頂戴することになっている.早く焼けろ!


私たちのツアースタッフの皆さん

私たちのツアースタッフの皆さん

そしてこのレストランで,それまでのガイドDさんなどツアースタッフの皆さんに加えて,話題のU社長(写真中央,通称上様とも)が紹介された.氏は当初ドイツから,カラカスのドイツ大使館でセキュリティシステムを担当するエンジニアとして赴任していたそうだ.そして25年くらい前に独立し,ギアナ高地を主とする旅行会社を立ち上げたそうだ.ベネゼエラのこのエリアを扱う旅行会社としては先駆け,老舗であるそうだ.

以来前線で仕事をしているが,数ヶ月前,車の屋根の荷物積み下ろし作業の際,上から転落し,大腿骨を折り,手術したがまだ完全ではなく松葉杖で歩いている.怪我の直後,後日宿泊するサンタエレナの病院で診てもらったら,『大したことありませんよ』と診断された.だが,どうもおかしいのでヘリでブラジルの病院に行ったら,『エマージェンシーです』との診断で,直ぐ手術を受けたそうだ.まだ不完全なので再度手術が必要なようだが,次はマイアミで,いやマイアミで教育を受けたブラジル人医師で....と言ってたかな.

パライテプイget to Paraitepuy

サンフランシスコ先でダートロードに入る

サンフランシスコ先でダートロードに入る

サンフランシスコでローストチキンの昼食後,ほんの少し先で,東に向かうダートロードに逸れた.地面はやはり赤い.そして面白い地形が展開される.つまり殆どが草だけの緩やかな斜面の草原の中で,谷状に抉られた部分,多分水が多いのであろう,に大きな木がたくさん茂っているのだ.実に不思議な景観に思える.まあ,これでようやく車高を上げたトヨタランクルの出番となったわけだ.


パライテプイの村に入ってきた

パライテプイの村に入ってきた

暫く走ると目指すパライテプイの村,正式には標識のロライマのパライテプイ(Paraitepuy de Roraima)に入ってきた.テプイと名付けられているように少し丘に上るのだが,上るに連れ家が幾つも見えてきた.木軸構造,木の格子状骨格に日干しレンガを嵌め込んだ壁,トタン若しくは藁屋根のように見える.窓は少な目だ.


パライテプイロッジに到着

パライテプイロッジに到着

車はパライテプイロッジに到着した.広々した丘の上に十数戸のバンガロー(各戸に2室)が建てられている.ここの標高は1,100mで十分温かい.前日通過したグランサバナ入り口の1,440mより,アップダウンしながら,総量では低下していたわけだ.

ロッジの前にはヘリポートが設けられている.明日ここにヘリが飛んできて,私たちをピックアップし,ロライマ山の上まで運んでくれる予定だ.


ロライマ山とクケナンテプイが見えてきた

ロライマ山とクケナンテプイが見えてきた

少し雲が流れたようで,ロライマ山(右)とクケナンテプイ(左)が見えてきた.すご~い!との歓声が上がる.その2つのテプイと,いま立っているこのパライテプイの間に広がる草原と樹木のサバナの様相もまた雄大で見事だ.


青空広がる

青空広がる

暫くすると青空が広がってきた.やはり陽に照らされると一段と眺めがいい.明日ヘリが飛べるか否かは,天気次第だそうだが,何とか明日まで天気が持って欲しいものだ.


パライテプイロッジの部屋

パライテプイロッジの部屋

パライテプイロッジの部屋は2ベッドルームで,片側のベッドには蚊帳が備えられている.実際夕方ブ~ンと音がした(気がした)ので跳ね上げてある蚊帳を垂らして防護した.そして無事一夜過ごすことができた.なお蚊取り線香を炊くと匂いが部屋に付くから禁止ということだった.

ところでこれを書いている日の前日,2015/2/28上野でモンテカルロバレエ団の白鳥の湖を観てきたのだが,題4幕最終シーンで,ここの蚊帳を黒く巨大にしたような布幕が天井から吊り落とされて驚いた.そして同時にパライテプイロッジが思い浮かんだ.さては鬼才振付師(と言われるらしい)ジャンクリストフマイヨーさんも吊り蚊帳にヒントを得て,この演出を考案したか....?


パライテプイロッジのバスルーム

パライテプイロッジのバスルーム

ベッドルーム横のバスルームはこんなだ.シャワーは冷たいのでちょと全身浴びるには戸惑う.初日でなく,数日滞在の晴れた昼間なら浴びるかな.

夜シンクにゴキブリが現れたので,水を出してドレインに沈め,数分流し続け水攻めした.だが水を止めたその後這い上がってきた.つまり数分間酸素が無くても生き続けるようだ....そんな恐ろしい....

まあ,それはそれとして明日天気にな~れ,ヘリ飛んでくれ~お休みなさい.


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