このカラカスに戻る編では,2015/2/7(土)朝カナイマ湖クルーズを楽しんだ後,セスナ機でプエルトオルダスへ飛び,ここで乗り継ぎカラカスへと飛び,カラカスのホテルに入り,ここで一泊し滞在したときの写真を載せました.
さてこの日2015/2/7(土)は,先ずプカナイマ湖(27)でクルーズの後,ここからプエルトオルダス(シウダードグアヤナ)(5)に飛び,続いてカラカス(4)に飛んでここで一泊.右マップではそれらに関連するエリアを表示した.
カンパメントホテルで一夜が明けた.表に出ると既にカナイマ湖浜辺で散歩する人の姿が見える.湖面の青と空の青が爽やかだ.
改めてホテルレセプション前に行ってみると,私たちが泊まっているので日の丸,それに故チャベス前大統領も共鳴した思想の主,革命家,軍人,政治家シモンボリバル (Simon Bolivar:1783年カラカス生まれ~1830年)の胸像があった.こうした銅像で,宗教系を除けば世界で最も多く立てられている人物がこのボリバル氏だそうだ.生涯をラテンアメリカの解放と大コロンビアへの統一(成らなかったが)に捧げ,コロンビア,ベネズエラ,エクアドル,ボリビア,ペルーをスペインから独立に導いたという.
南米の独立運動では他にアルゼンチン独立のサンマルティン将軍や,キューバ革命のチェゲバラなど知られるが,特に後者ゲバラは世界のあちこちで例のモノクロハイコントラスト顔写真をプリントしたTシャツの青年を見かける.多くは思想的共鳴でなく,ファッションであろうが,多分.
朝食後ボートに乗り,カナイマ湖クルーズに出た.ボートは対面シート式で,前日のカラオ川クルーズのボートが東海道線タイプとすれば,今日のは山手線タイプと言えよう.これならスピードが抑えられ浴びる水はあまりないであろう.
カナイマ湖はカラオ川が流れこんで作られ,そして他端からまた川となって,大きなカロニ川(Rio Caroni)に注ぐようだ(上のGoogleマップ拡大で).
ところでカラオ川がカナイマ湖に注ぐ直上ではカラオ川は州で複数の流れに分岐区分けされている.複数の流れは直前まで傾斜の緩い流路を辿り,最後のここで滝となって一気にカナイマ湖に落ちるようだ.
ということで複数の滝があり,写真右側はゴロンドリナの滝(Salto Golondrina)だったであろうか.
もう一つ覚えたアチャの滝(Salto Hacha).結構な幅と落差があり,大量の水が流れ落ちている.この裏側を歩くのだ.
アチャの滝脇の浜に上陸した.細かい砂地だ.ここでは早速ガイドJさんが小さいながら海ヘビ,そして派手な色合いの毒カエル,どちらもちょっと気持ち悪い生き物を見つけてくれた.毒カエルはあまり長い時間指に載せると痒くなるそうだ.
私たちはカッパを着て,Jさんは裸で,そして滑り易い路面のため靴を脱いで靴下で,轟音をたてるアチャの滝裏に入っていった.
アチャの滝を抜け,抜けた先から振り返るとこんな風に見えた.滝幅の中で左右縁は水量が少なく,真ん中が激しく落ちている.音もスゴイし,面白かった.
戻ると滝の縁では霧状となり,きれいな虹が架かっていた.これもまた趣がある.
下は,カナイマ湖クルーズでの写真
ということえカナイマ湖クルーズは無事完了した.
カナイマ湖クルーズを終わると私たちは荷物をまとめて,近くのカナイマ空港に歩いた.そしてこれら6人乗りセスナ機に分乗し,プエルトオルダスに向け飛び立った.フライト時間は1時間10分くらいの予定で,意外と長い.プエルトオルダスまでは距離があるし,巡航速度が小さいせいもあろう.
カナイマ空港を離陸すると直ぐに,当然のことだがカナイマ湖と滝群が見える.たった今遊んだ場所なのにある種の郷愁を覚える.
暫く行くと,大きな湖の上になった.上述のカナイマ湖が流れ出て注ぐ大きなカロニ川(Rio Caroni/Caroni river)が注ぐグリ湖(Lago de Guri/Lake Guri)のようだ.その大きさは半端ではない,カナイマ空港からプエルトオルダス空港までの距離の半分も占めようかという長さがあると感じられた.そして乾季のため,水位が下がったためであろう,所々に島が現れ,岸辺は新たに露出した樹木のない土砂領域が見えている.なかなか大した景観だ.
大分飛んでプエルトオルダス近くになった.そしてここでも大きな湖が見える.上記グリ湖から流れ出る川を堰き止めてできた次はグリ貯水池ということだ.写真中央『く』の字状部分が堰き止めたグリダムであろう.そして『く』の字上の辺からは複数の送電線が出ているのが見える.つまりここには発電機が据えられている筈だ.
ここでぐぐってみると,グリダムは高さ162m,長さ7,462m,世界第五位の貯水量で,1978年完成.そして発電量は何と1,000万kWもあるそうで,まあ原子力発電所10個分くらいに相当しよう.実際ベネゼエラの電力の7割近くを賄っているというから,すごいものだ.
グリダムに近いプエルトオルダス空港目がけセスナは高度を下げていく.空港周辺には工場のような大きな建物が目立ち,離れて住宅が建ち並んでいる.
ベネゼエラはボーキサイトの大生産国であるようで,また発電所が間近なのでアルミニウム精錬工場があるかも知れないが....どうなんでしょう?
1時間余りのフライトでプエルトオルダス空港に到着し,降り立った.ロライマでのチーフガイドDさん(プエルトオルダス在住)がご親切に乗り継ぎサポートとお別れを兼ねて姿を見せてくれた.かたじけないです.
ロビーには,ず~っと前にここのホテルで預かってもらっていたスーツケースを届けてもらい,そしてそれに手持ちの荷物をまとめて入れて機内預入用として一つにした.
そしてそのスーツケースをカラカス行きアセーカ航空R7-774便にチェックインした.
カラカス行きアセーカ航空R7-774便は来たときと同じMD S80機だった.エコノミークラスのシートマップが2-3と非対称,アンバランスなのが妙に気にかかる.これもU社長からヘリのシートを厳密に指示されたり,カラオ川クルーズ,チュルン川クルーズで,船頭さんからシート指示と,着席位置(左右の)指示,移動指示を何度も行われた,そしてトラウマになったためだ.
カナイマ~プエルトオルダス間より,このプエルトオルダス~カラカス間が遠距離であるがさすがジェット機はセスナより速い,1時間足らずでカラカス上空にきた.ところで空港に近いこのエリアの集合住宅と思しき建物群が恐ろしく無機質で,恰も火星,いや知らない星に建設された遠未来都市のように見える.他のエリアはそんなことなく,ごく一般的な都市景観だと思う.
空港に到着し,荷物を受け取って外に出た.そこへ往きでもお世話になったアテンドのAさんがマイクロバスで待ってくれており,それに乗り込んでホテルへと向かった.
バスは途中例の遠未来都市の脇を通過したが,やはり極めて無機質な建物群と確信を深めた.そこを通過すると政治的意図が含まれる壁画が連なるエリアなども見える.そして写真のように他は他の都市と似たようなものであろう.
カラカスの人口当たり殺人件数が東京の100倍以上であることは別ページで既に述べたが,世界第3番めに発生率の高い都市だそうだ.なお1,2番目もそうだが,世界ワースト50都市のうち,40くらいは中南米にある都市らしい.
バスはマリオットホテル(Marriott Playa Grand)に着いて,チェックイン.空港からここまで無事到着できて一安心.他では味わえぬカラカスならでは安堵感だ(←大仰だね~).
さすがマリオット,今回ツアー一番の部屋だ.広く,コーヒーセットもあるし,電話もあるし,バスタブもあるし,LAN端子もあるし....
でも問題もある.冷房が切れないし,温度設定もできない...私の部屋はまだ少し寒い程度だったが,凍えそうな部屋もあったそうだ.南国ベネゼエラでは,何でも冷凍室ホテル,冷凍車バス,...といったものがかなり一般的なのだそうだ.思い返せば,その昔,JRや東急,市バスなんかもかなり寒かったですね~
夕方になった.マリオット斜向かい,ごく近くにスーパー(左クリーム色)があり,ここなら安全ということでAさんが案内してくれた.ボリーバルフェルテ(BsF)の持ち合わせが足りない人には,Aさんがレジにてカードで立替え払いしてくれるという.そして後で米ドルでAさんに返済する.
NHKの報道ほど空っぽではないが,やはり日用品や食品の種類も,量も少なく,一部は写真のように空だ.そんな中で酒類は比較的豊富に見えた.
ビールやワインだけは十分並んでおり,値段も手頃だ.でもそのツマミのチーズや生ハム,ピーナッツ(私の旅行中スーパーでの定番)など探しても見当たらなかった.不慣れで単に探せなかっただけかな~
少しバスケットに入れてAさんと一緒にレジに並ぶ.傍に愛煙家のAさん同様タバコを嗜むFさんがいて,互いに初物外国ブランドのタバコを交換しあう.Aさんには二人のお嬢さんがいて,皆タバコ好きだったのだが,一人はまだ20代なのに血栓のため冠動脈にステントを入れ,それで止めている.....などおしゃべりしているうちに順番がきた.
マリオットの部屋に戻り,スーパーで買ったビールとポテトチップスをお腹に収めた.ビールは薄めでチップスは並の味だ.とは言っても大好きなのでもち論美味しく頂いた.
それにロン(ラム酒,左の小瓶)も,話の種にと一応買ってきた.でもスーツケースに入れる段になると,割れないように入れる自信がなく,結局ゴミ箱に入れてきた.
さて,これで全部だが,随分安く,僅か数ドルだった,驚いた.
ベッドサイドにはスペイン語版新約聖書に並んで英語版モルモン教の書が置かれていた.モルモン教は末日聖徒イエスキリスト教会の教えのようであるが,比較的新しく,信徒も一般のカトリックやルーテル派に較べて多くないと思うが....と,何も知らないながらちょっと風変わりな印象を受けた.でもそう言えば自宅近くにも末日聖徒イエスキリスト教会ってあったから,割りと多いのかな....?
夕食はマリオットのプールサイドオープンカフェ借りきりだった.数種類の中から予め注文しおき,夕食時に素早く供してくれるという.
で,よく分からないながらオーダーしておいて,出てきたのがこれらだ.パスタが茹で過ぎ(ある意味致命的)だったのは残念だが,他は大丈夫だった.
↑難しい名のサラダ | ↑難しい名のパスタ |
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夕食後部屋に戻り,テレビを点けてみる.でもこれがまた全チャンネルスペイン語で,困ったもんだ.CNNまでスペイン語とは一体全体どうなってるんだ~寝るか~
2015/2/8(日)はマリオットで朝が明けた.午後マイアミに発つので,午前中はフリータイムだ.とりあえず朝食に行く.今度はプール上のオープンカフェ,カリブ海を真正面に望むスペースで,また貸し切りだ.全く上得意様でもないのに一体どうなっているんだろう?
バフェ形式ながらウエイターがしきりに,オレンジにしますか,トマトにしますか?とか言いながらジュースを注いでくれたりするので,恐れ入る.
眺めはいいし,味もいいし,いいところだ.
部屋に戻ると,プールにも行かず引き篭もる.窓を見るとカリブ海のビーチ,ちょうど湾状に囲まれた浅瀬が海水浴場になっているようだ.折しも今日は日曜日,教会にも行かずビーチに集う.
ビーチを仔細に眺めると,砂浜も波打ち際もうじゃうじゃ正に芋洗い状態だ.湘南海岸といい勝負だ.ただし湘南はかなり広いビーチだが,ここは狭い.人の総数は遥かに少なかろう.
これは海岸から少し離れた通りにフォーカスした写真.まあカラカスの海岸通りということになろうか.集合住宅風の建物が並んでいるが,十数階建てが多い.街路樹も豊かで,道路も混み合ってはいない.いい通りに見えるが,お上りさんが歩くようなところではないと釘を差されている.もち論出掛けませんよ.
さてこうして無駄な時間を過ごしているうちに,マイアミに向かう時間になった.