このテック川キャンプ編では,2015/2/3(火)朝ロライマ山頂キャンプサイトを出てロライマ下山口へ行き,急峻なトレイルを下りロライマの涙(滝)を経て,ロライマ山BCに下り,ここで昼食.以降緩やかな丘陵を歩きクケナン川を越え,テック川を渡り,その近くテック川キャンプに到着するまでの写真,およびこの日見かけた花の写真を載せました.
さてこの日2015/2/3(火)は,朝のロライマ山キャンプサイト(12)から下山口へ行き,ロライマの滝(滝)を経て,ロライマ山BC(16)に下山.そして昼食後丘陵を歩きクケナン川(17)を越え,テック川を渡り,その近くのテック川キャンプ(18)に到着するときの周辺をマップに示した.
2/3(火)朝,洞窟ホテルのキャンプサイトで朝食をとり,荷物をまとめ,出発準備した.5つ☆ホテルだけに名残惜しい.ポーターの皆さんはテントを畳み,少し遅れて発つ見込みだ.
ロライマ下山口のある北西に向かった.マーベリック岩から少し西に寄った方角であろう.
暫く行くと先方にクケナンテプイが見えてきた.ロライマ山断崖も近いということだ.
そして左手にロライマ下山口が見えてきた.トレイルが急峻なので先方はストンと切れ,その先に緑のサバナが広がっている.
あそこまで降りるのだが,暑いのかな~いや,数日前宿泊したパライテプイと同じくらいの高さだから,適温であろう.
一旦下山口に下りかけたのだが,後ろから,ここでちょっと休憩,の伝令が来て,引き返す.そして広々した脇の丘に登ると実に雄大な眺めが展開されていた.これを背景に記念写真を撮りあった.
クケナンテプイの頂きの雲も取れて,とても平らな様子が見て取れる.いやマクロにはまっ平らだが,実際ここに降り立つとクレバスいっぱいの地面で,普通の人が行くような場所ではないそうだ.以前U社長はヘリで訪れたことがあるが,天候が悪化,暫し回復しないため2日間ほどそこで野宿したことがあるそうだ.
上記下山口から下りにかかった.急な岩の道で,所々手で掴まって降りた.ただ雨でないのが幸いだ.雨だと岩はぐっと滑り易くなるので大変だ.
トレイルは断崖を巻くようにトラバースしている.暫くは急な下り坂一方で,途中鞍部があり,それ以降は傾斜が緩くなるようだ.そしてロライマの滝と言われる滝のある場所に至る予定だ.そこまで2時間くらいが見込まれている.
急坂を大分下ったところで私たちのポーターさんが私たちを抜いていった.かなりの重量を背負っているのにスピードがある.
後ろ側若い男性の背負子はこの地方独特のもので,後ろと上が開放された縦長バスケット構造だ.ネパールのドコとかと違って,細身で狭い場所を行くのに好適であろう.
途中振り返り,下った高さを見てみる.結構下ったようで,断崖の横っ腹がかなり大きく見えている.
かなり大きなものも含めて樹木が茂ってきた.大きなシダ類などいわゆる熱帯雨林的な感じだ.咲いている花もロライマ山の上とは全く異なり,比較的大きなものが多く見られる.
この辺りで登っていく6~7人のパーティとすれ違った.ブラジルの人たちだそうだ.直ぐ隣なのでブラジルからのトレッカーは多いようだ.
ロライマの滝に到着した.ロライマの涙(the cascade of tears)と呼ばれていると説明された気もするが,どうしてそのような名が付いたかは聞き漏らした.とにかくこの水は飲めるということで水筒に補充する.ただ暑くて仕方ないということはないので,まあそれほどはいらないであろう.
ただここで腰を下ろしていると,何か小さな飛ぶものが見えたそうで,いよいよ摩のプリプリ出現か?ということで,早々にずらかることになった.プリプリはこうした水辺に多いのだそうだ.とりあえず手足の肌を露出しないようにしよう.
下は,ロライマの滝へ下るときの写真
滝からまた下り始めた.まだ結構ガレたトレイルである.雨季にはこのトレイルを怒涛の如く流れるのではなかろうか.そして長い年月では岩も運んだのであろう.
やがて林の樹木が疎らになり,山麓が見えてきた.足元は粘度質でしかも随分急峻な部分もある.晴れていて助かったが,雨であればここは相当な難所となろう.
きれいな流れの小川に来た.この小川があるとベースキャンプは直ぐそこのようで,調理用水などここで調達するそうだ.
ちょっとここで顔は洗ってみたが,プリプリがいるかもしれないので気は抜けない.
小川から少し歩くと平らな場所に出た.ここがロライマ山ベースキャンプだ.ちょうど正午頃なので,出発から4時間くらい要したようだ.
ここは周囲に樹木など妨害物がなく,降りてきたロライマ山の断崖やクケナンがよく望めた.そうかあの脇っ腹を降りてきたんだ~とこれまでを振り返る.
ベースキャンプには破れ屋根の小屋があった.先ずお茶を頂く,そしてここでは添乗Sさんがちらし寿司を作ってくれた.また食べ盛りの私たちは更に食べるであろう,とシェフはパスタも用意してくれた.和食とイタリアンのコンビネーションは私たちのお腹を十分過ぎるほど満たしてくれた.ごちそうさまでした.
私たちが食べている間に,下の方から続々と登ってきたトレッカーがテントを張り出した.若い人たちが多いが,バックパッカーなどの人たちが近くで編成したパーティかな~といった感じだ.明日から登りにかかるのでしょう.
私たちは食後,今度は炎天下の歩行に備え,日焼け止めの対策など入念に行った.とりあえず次のクケナン川まではプリプリは心配なさそうだ.
さて午後,クケナン川を目指し歩きを再開した.サバナの緩やかな丘,ほぼ平原だ.樹木はなく立派な草が茂っている.
何度も書くが,草が茂っているのに家畜が居ない不思議は.....草の栄養分が不十分なためと,少し解けつつある...
少しして振り返るとロライマ山の断崖が立ちはだかって見えた.断崖には斜めに急トラバースする2状の窪みが見える.右側がトレイルのある窪みかな?Sさんは左と言っていたが.....
暫く歩きクケナン川(Kukenan river/Rio Kukenan)の畔にやって来た.クケナン川はその名の通り,クケナンテプイに源を発するようであるが,注ぐのはアマゾン側か?カリブ海側か?
クケナン川畔には民家が2,3軒あった.先住民の住宅であろう.パライテプイ村の住宅同様,縦横木造格子に日干し煉瓦をはめ込んだ壁に,トタン屋根の構造だ.
この辺りは畑もないし,家畜もいない(鶏はいる)し,川に魚は....多分あまりいない.先住民ペモン族の皆さんはハンティングを生業としている場合が多いそうだから,クケナン川畔に茂る森で野生動物を仕留めるのか....?
幸いクケナン川の水かさは多くなく,予定されていた裸足での渡渉はなくて,飛び石で渡ることができそうだ.裸足とは言っても素足では危険なので履物をリュックに下げておいたが,履き替えなくて済む.
で,飛び始めた.でもこれはこれで,転げ落ちないように緊張しながら渡った.まあ何とかなってほっとした.
渡った先にカナイマ国立公園の標識があった.標識の先には今歩いてきたロライマ山までのサバナの草原が広がり,強い陽射しが降り注いでいた.
クケナン川の川原からゆっくり上る.強い陽射しで干上がった路面はひび割れし,硬いタイルを敷き詰めたようになっている.雨が続けば滑り易い土質のように見えるが....
暫く進むと小さく新しいキリスト教会があった.こんな原野の真ん中で,周りには何も民家は見えないし,それに先住民ペモン族は必ずしもクリスチャンではないようだし....で,後でU社長に訊いてみたら,教会は,特に年末,クリスマスの頃ロライマ山を訪れる米欧観光客の礼拝のために用意され,神職の人もそのときだけ赴く,ということだった.
サバナの低まったところにテック川(Tek river/Rio Tek)の流れが見えてきた.ここからは緑いっぱい,広々した美しい光景だ.
テック川の袂に来て川面を覗くと,先のクケナン川と較べて少なく,間隔も狭い飛び石で楽に渡れそうでほっとする.そして渡ると,上半身裸になり身体を拭いた.全身沐浴する人もいた.そしてやはりプリプリは居たようだ....気のせいかな....
テック川から同キャンプまではごく間近で,あっと言う間に到着した.スタッフの皆さんがテントを張り始めていてくれており,到着した者から順次荷物を運び入れた.
夕刻にかけ三々五々グループメンバーが到着した.そしてこの頃夕日が惜しむようにほのかにロライマ山を照らし,虹を架けた.大分長く歩いた一日だったが,その分満足感もいっぱいだ.
このサイトにはロッジもあって,少なくとも2組くらいのパーティが宿泊しており,うち一組はテック川で泳いでいた人たちで,話したらブラジルの人々だった.
さて,暗くなってきた.今回はテント前に屋根付きダイニングルームが有り,椅子に座りテーブルで夕食を頂いた.え~と何を食べたかな.....
食事が終わるとトレッキングツアーでは皆同じだが,何もすることがない.早々とテントに入る.このサイトは無制限とも言える広い草原であるが,なぜか風が強く,寝るころには吹き飛ばされるのではと思えるほと吹きまくった.でも直ぐ寝入ったが...zzz....
ロライマ山から下ると,トレイルは熱帯雨林帯的な様相に変わり,概して花は多きく,また種類も多くなった.