スースはチュニスの南約140kmに位置するチュニジア第三の都市で,人口約43万人.町は「サヘルの真珠」と呼ばれるそうで,美しい.旧市街メディナはユネスコ世界遺産に登録.
オリーブ林の続く田舎からスースの街に入ってくると道が混み合ってくる.当初予定されていたチェニスバルドー美術館見学が,羊の犠牲祭のあおりでチャラになったため,代替で先ずはスース博物館に向かうことになった.バルドー美術館は超有名らしいが,ここスース博物館の展示作品もそれに劣らず立派である旨ガイドさんが釈明していた.
ここは最も大きな展示室.他に中小の展示室や彫刻を置いた中庭等から構成される.展示物はチュニジア各地から集められたようだ.壁だけでなくこの展示室のように床にも展示されている.元々在ったところは床だったものが多かったらしいので,より鑑賞しやすくするための縦置きは結構かと思う.なお天然の石を砕いてタイル状にし,セメントで固めてあるので,床のままで踏んでも十分丈夫であるようだ.
神話や魚や動物といった食材をテーマにしたものが多いように思った.チュニジアのモザイクは永い時代に渡って造られたようであるが,支配者の変遷など時代でタイルのサイズが異なっていくなどの変化も窺える.
下は,スース博物館の写真
さらにスース博物館
その昔,この高い外壁で敵から守ったのであろう.レンガをセメントで固めた構造のようでかなり強固に見える.この中にモスクがありスーク(市場)が広がる.
このお店自体はスークの入り口辺り,外壁の外側にあって.市民が大勢立ち寄っていく.いかにも市場といった品揃えだ.観光客も多いので路面にはお土産品も並べている.
それほど暖かい訳ではないがこのようなオープンレストランが多い.とりわけこうした形態を好むフランス人が持ち込んだ文化の影響が大きいのであろう.何にしてもこうしたお店で見かけるのは男であって,もし女性が座っていればその人は外国人に違いない....と,まあこんな風に理解できるようになった.
下は,スースのメディナの写真
ここがスースのヨットハーバー,カンタウィ港.隣にスーパーマーケットもあるということで案内された.ディンギーではない本物のヨットが沢山係留されている.チュニジアのお金持ちが所有しているそうである.海も空も真っ青,セーリングはさぞかし快適だろうね~
釣る人も見物する人もこちらはごく普通の一般市民.どこの国でも釣りの好きな人はいるものだ.観光客も何が釣れたのかな~と興味深々,楽しめる.残念ながら見物している間は釣れなかった.多分釣れ始めたらギャラリーがどんどん増えるのではないか.(迷惑だろうけど)
半そでに半ズボン,よく寒くないですね~!このスタイルって先ずヨーロッパの人でしょう.ヨーロッパの人々は相当寒くとも晴れてさえいればこんな薄着で,寝そべったり,こんな風に長い時間ベンチで過ごしたりする人多いですね~.寒さは平気なんですね~うらやましい.
下は,カンタウィ港の写真
ここはエルハナビーチと呼ばれるそうだ.立っているところは宿泊したエルハナインターナショナルホテルのプライベートビーチ.今日の地中海は穏やかで水もきれいである.しかしさすがにオフであるので人は殆ど居ない.この街は有名なビーチリゾートでホテルがとても多そうであるから,夏になればヨーロッパから大挙して押しかけるのであろう.
ホテルの庭.冬でも芝生が青々と茂っている.もちろん手入れは行き届いているのであろうが冬でも茂る品種なのであろう.やしの木も様々な種類が植えられていた.これは一旦植えさえすれば後はあまり手間が掛からない....気がする.
下は,エルハナビーチの写真
スースのメディナ,スークの入り口にあるグランドモスクは9世紀に建立されたそうである.写真中央に見えるのはミナレットではなく,城塞の意味のリバトなのだそうだ.リバトがミナレットの代わりに使われたそうではあり,現在もここからアザーンが流れるようである.昔は10㎞ごとくらいにリバトがあって,のろしで外敵襲来の連絡をとりあったようである.モロッコの首都「ラバト」はこのリバトに語源を発するようである,なるほど.
多くのモスクと同様に絨毯が敷き詰めてある.本来このモスクはイスラム教徒以外立入禁止なのであるが,異教徒でも何がしかの入場料を払えば入れるということらしい.(で,ここにこうして居る訳であるが)でもこの礼拝の場までは立ち入ることはできない.礼拝所の奥の方にはメッカの方角を示すミフラーブがあったと思う.
それほど日が経っていないのにはっきりとは思い出せない.この階段がリバトに続く階段であったか?,それとも宗教指導者がここでお話する演説台だったか?,それともその2つを兼ねていたか?...はたまた全く違った用途のものであったか?
普通のアラビア文字は発音記号の役目を果たすマークがそれそれの文字に付されるのだそうだ.(ドイツ語で言えばウムラウトのようなものか?)それがこのモスクの壁に付された文字にはそれがなく,最近の若者には判読できないのだという.ちなみに教養あるガイドのアハレムさんはちゃんと読めると言っていた.でもどうしてわざわざそんな難しい文字で飾ったのかね~?イスラム神秘主義って言葉と関係あるのかな~?
通りのあちこちに立派なやしの樹が目立つ.観光の街として景観を大事にしている様子がうかがえる.
海岸沿いには立派な家が立ち並ぶ.いずれも大きくゴージャスな屋敷である.シディブサイドが格式の高い伝統的お屋敷であれば,こちらは近代的で実用的な住宅であろう.チュニジアにはお金持ちが多いとみた.
大きな通りではアラビア語とフランス語が併記されるようである.フランス語が読める訳ではないが単語レベルで判るものも多く便利だと思う.
下は,スース他いろいろ