白馬(茫)雪山峠を越えて,いよいよ梅里雪山の麓,徳欽に向かった.
徳欽はシャングリラより200km北で,チベットのすぐ隣だ.写真は徳欽の県庁(日本の県と違って,市の下が県であるが)所在地で,陽当たりのあまり良くない谷あいにあり,海抜は3400mだそうである.県の平均海抜はそれより少し高く,雲南省では一番高地となるようだ.道路脇の民家には旧正月(春節,この年は2月18日から)に向けてか財神のお札を戸口に貼ってあったりする.表立ってお金お金というのははしたないと云うことは全くなく,金儲けは美しい,とする哲学は中国全土,いや海外の華僑も含めて共通のようだ.実に興味深い.
徳欽で私たちのバスのガソリンを入れる予定であったが,たった一軒のスタンドがあいにく閉まっていた.これでは翌日の観光に差し支えるので,バスドライバは夜の間調達のために駆け回り,ようやくチベットから雲南へ来ている巡礼者一行の小型バスから手持ちガソリンを分けてもらったそうである.その分けてくれたバスには,2日後,ここ徳欽でエンコし,先に進めず困っている場面に遭遇した.このときガソリンを分けてもらった恩返しに,ドライバのアーさんが手伝い,30分ほど要したであろうか,エンジンがかかり,出発できたのであった.途中の小さなゴンパにお参りしながら松賛林寺まで行くようである.
なお,チベットから雲南へ,逆に雲南からチベットへ,双方への巡礼者を含む往来者は多いそうで,定期バスが運行されている.2階建て寝台付きバスに遭遇したが乗客でいっぱいだった.ラサ~シャングリラで確か2泊3日だったか....?かかるそうだ.
ここは飛来寺地区にある展望台.飛来寺そのものはここから少し離れたことろにあるが梅里雪山の展望があまり開けない場所だ.一方,チベット仏教徒にとって聖山,梅里雪山の見晴らしの良いこの地には,たくさんのチョルテンが並び,巡礼者が引っ切り無しに香を焚き,また経文を印刷した魔除けと祈りの旗タルチョー(またはルンタ)が無数に奉納されている.
この一画には,京大/中国登山協会隊の遭難慰霊碑が建てられているが,残念ながら日本でも報道されている通り,無残にも日本人遭難者名が削り取られている.聖山を汚されたので怒った地元仏教徒,反日活動家,の2説あるようであるが,ガイド馬さんは,上海辺りから来た行き過ぎた反日家であろうと慰めてくれていたが,どちらにしても残念なことだ.
下は,ホテルと展望台周辺の写真
雲南からチベットへ1本の国道が通っている.舗装道路であるが,崖崩れで舗装が覆われている個所もある.補修してもまたすぐ崩壊してしまうのだそうだ.有効そうなガードレールはあまりないので,ここはやはりドライバに命を預け,景色に専念するのが得策だ.幸い交通量は多くない.
下を走っているのはメコン川(瀾滄江)で,深く深く谷を形成している.
下は,チベット路の写真あれこれ