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一番奥の徳欽に行くとき，そこから戻るときの２回シャングリラを訪れた．シャングリラ（香格里拉／Shangrila）はそれまでの中甸（ちゅうでん）という地名を2001年に変更したのだそうである．ジェームズヒルトンの小説『失われた地平線』の中で描かれたユートピア／理想郷のシャングリラにあやかったのだそうだ．個人的にはかなり違和感を覚えるが．．．．．
麗江方面から虎跳峡を経て，シャングリラに着く頃にはすっかり日が暮れようとしていた．さてこの山は何であろうか？シャングリラを囲むように聳える石か雪山（「か」の漢字は，上と下を組合わせた文字）の一部か？
山の上から盆地状のシャングリラがよく見える．周囲が半ば湿地のような境界のハッキリしない大きな湖がある．陸の部分は畑や牧場になっており，農家が集まっている．
下は，シャングリラ近郷，というかシャングリラそのものの一部であるが，の風景
ここは宿泊した天界神川酒店（Paradise Hotel）の前の通り．シャングリラ市街はごく普通の田舎町といった趣だ．早朝から清掃員が舗道を掃除しているのは観光が重要な産業であることを窺わせる．天界神川酒店は下の並びの写真にあるように大きなプールも備えた立派なホテルであるが，さすが厳寒の地，冬は使うことはできないようだ．
下は，シャングリラの写真
雨季の頃はナパ海のこの辺りも水で満たされるようであるが，冬は所々に水が残るも多くは乾いている．雨季はまた野鳥も多いそうであるが，今の季節もいくらかの種類が見られ，１つに写真の黒首鶴が舞っていた．もっと傍で大きく写したかったのでゆっくり近づいてみたのであるが，こちらと一定の距離を維持するように常に相手も引いて行くので，差は縮まないのであった．
この辺りの農家は皆チベット族のようだ．壁に卍マークの付いているので，ガイド馬（マー）さんに「お寺ですか？」と訊いてみたら，単にお金持ちの農家だそうである．卍はチベット仏教徒であることの証であるようだ．ごく普通の穀類栽培や，ヤクや豚といった家畜で生計を立てているように見えるが，このように立派な家構えの農家が目立つ．やはりシャングリラを自称するだけに豊かな地なのであろう．
下は，ナパ海の写真
シャングリラの旧市街もまた麗江のように立派な木造建築のお店が建ち並んでいる．ただ街のサイズは小ぢんまりしているようで，主だったところをぐる～っと廻っても，いくらの時間も要さない．街の一画には，ギネスブックにも掲載されるという世界一大きいマニ車を備えた寺院があったりするのが，ナシ族の麗江と，仏教徒であるチベット族の街シャングリラの違いの１つであろう．
旧市街の一画で古い建物を眺めていると，こちらの旦那に半ば強制的に屋敷内に引き込まれ，全く理解できないのにも拘わらず中国語で案内されてしまった．入り口に掲げられた案内板に依れば，少なくとも安布（Abu）さんの古い家で，明朝時代の1635年に作られ，当時のチベット様式を，この辺りドゥグズンで最も良く伝える建築のようである．仏壇を備えた部屋を含めて，２，３の部屋を案内され，著名人の署名もある芳名禄も見せられ，それなりのお布施を示唆されて，それなりにお金を渡し，余裕時間もあまりなかったのでそそくさと引き上げたのであった．
下は，シャングリラ旧市街のあちこちの写真
行きのシャングリラの後は金沙江大湾を訪れ，帰りのシャングリラの後は昆明に向け飛び立ったのだ．時間の流れとは一致しないが，シャングリラの一画にあるチベット仏教寺院，松賛林寺のページを次に置いた．
