クエテナチコへtoQuetenaChica

このクエテナチコへ編では,6月3日朝ビリャマルを出て,翌日登る予定のウトゥルンコ山を西側より展望し,カピナ湖を経て,フラミンゴの棲むコロラダ湖に至り,次に標高5,000mくらいの場所で高所順応ハイクを行い,ソルデマニアーナ間欠泉に下り,ポルケス温泉に来て昼食.午後はチリ国境間近のベルデ湖に至りリカンカブール山を眺め,ここでUターンし元来たのサラダ湖少し先まで戻り,北東に折れてウトゥルンコ山南面を展望しながら,クエテナチコのロッジに到着した.これら各地の写真にキャプションを添えて載せました.


クエテナチコ付近のGoogleマップ

この日はビリャマル16を出発し,コロラダ湖17を経由しベルデ湖18に至る.ここで一旦引き返しウトゥルンコ山20南面を眺めながら北上しクエテナチコ19の宿に到着した.


6/3(水)のルート

6/3(火)のルート(Googleマップのスクリーンショット,拡大可)

オレンジ線(午前)と水色線(午後)がGPSロガーの記録したこの日のトラック(午前の終盤直線部は加筆).

この日も埃だらけのダート道だった.このマップでクエテナチコのすぐ北にソルデマニアーナと記されているが,実際はオレンジ色トラック上でラグナコロラダの少し南にあった筈と思う.

ビリャマルを出てウトゥルンコ山展望lieave Villamar and observe mt. Uturunco

ビリャマルを出発

ビリャマルを出発

ドライバーCさんの3号車に乗り,ビリャマルのロッジを出発した.今日も快晴だ.暫く行くと砂地に灌木の生えた斜面にアルパカがいた.こちらからも眺めているが,アルパカも警戒し,こちらを見ている.


砂の道を南下する

砂の道を南下する

前日に引き続き砂の道を走る.いや~ほんとに雨が降らないようで乾ききっている.


一部雪が残る

一部雪が残る

珍しく小川が横切る場所があり,これをジャブジャブと横断した.既に記憶が途絶えている筈だが,幼児のころ雨靴で水溜りではしゃぐような....

そしてここでは雪も残っていた.全く埃は巻き上げず,ごく短い距離ながら清々しい気分を味わう.


ウトゥルンコ山が見えてくる

ウトゥルンコ山が見えてくる

やがて私たちの最大の狙いであるウトゥルンコ山(mt. Uturunco:6,008m)が東に見えてきた.双耳峰で写真右側,西峰が6,008mで,ターゲットだ.なかなか美しい山容だ.

アンデスで最も簡単な6,000mとされ,アイゼンもピッケルもなく登れるということでツアーに参加した.他のメンバーも初めての6,000mという狙いで参加しているようだった.


ウトゥルンコ山ズームアップと登頂ルート

ウトゥルンコ山ズームアップと登頂ルート

計画では左の東峰と右の西峰間コルまで,ランクルで上り,ここからは背後となる西峰を巻くトレイルで頂上に向かう予定と,Hさんの説明があった.楽しみだ.


カピナ湖Laguna Capina

カピナ湖に至る

カピナ湖に至る

暫く走るとカピナ湖(Laguna Capina)に至った.これも塩湖だそうで,湖面は塩がいっぱいだ.遠くには塩の小山がいくつも築かれているのが見える.採塩を行っているのであろう.ただしここはウユニと違って,塩だけでなく水の部分もあるし,縁近くは土も混じり茶色だ.


カピナ湖付近は圧倒的な荒野

カピナ湖付近は圧倒的な荒野

カピナ湖付近の地面はどうした成分のなせるワザか解らないが,赤みががった茶色で,草も極めて少ない.地球上の景観とは思えないほど荒々しい.


道だけがなぜか雪が多い

道だけがなぜか雪が多い

道の両側は大して雪が多くないに拘わらず,道の上にだけはたくさん残雪がある.埃が立たないようにとの神の思し召しか?

この道の上だけ雪が多い現象はここだけでなく,次の日のウトゥルンコ山のコルに上るときの道でも見られ,予定の標高まで登れず困ったことになるのだった.どうしてか?いま懸命に考えても何故か解らない.例えば雪の後で,道は車で踏み固められ,その上に新たな雪が積もるので....とかあろうか.でも交通量は疎らだし,それは考えにくいし.....どなたかお教え頂けないでしょうか.

コロラダ湖Laguna Corolada

カピナ湖を過ぎ,草が増えアルパカも

カピナ湖を過ぎ,草が増えアルパカも

カピナ湖を過ぎ,暫くすると湿気があり,多少草が増したエリアに入った.草が増えたのでリボンを付けたアルパカも歩き回っている.


コロラダ湖にやって来た

コロラダ湖にやって来た

そしてコロラダ湖(Laguna Corolada:4,280m)にやって来た.やはり塩水湖だそうで,しかも塩分濃度が高く,魚は棲めないそうだ.そして遠目でも赤味がかったフラミンゴの姿が窺える.塩水でも大丈夫なのだろうか?ただもっと近くで,と言うのが人情だろう.そして通りから湖畔に歩いた.こんな時はとてもワクワクする.


コロラダ湖フラミンゴ歩く姿と飛ぶ姿

フラミンゴ歩く姿と飛ぶ姿

いたいた,湖畔では夥しい数のフラミンゴが見えた.向こう側に歩む手前のピンクの一群と,空に舞っている向こうの黒い羽根の一群は別の種のように見える.

資料によると,このコロラダ湖で多いのはジェームスフラミンゴ(別名コバシフラミンゴ)と呼ばれる種で,他に2,3種見られるようだ.ジェームスフラミンゴは全長90cmくらいで,このような高地だけに棲息する種であるらしい.

ところで湖面の一部が赤く見える.ここで棲息する赤みがかった藻類やプランクトンの色だということだ.ときによっては血のように真っ赤に染まることがあるようだ.前述のように高濃度の塩分で魚は棲めないが,そうしたプランクトンが豊富で,そのお陰でフラミンゴが安泰なのだそうだ.ここで質問:プランクトンというと,とても細かな原始的な生物を連想するのだがフラミンゴの餌になり得るようなサイズのものもあるのでしょうか?


コロラダ湖フラミンゴの離陸はシンクロ動作

フラミンゴの離陸はシンクロ動作

手前の一群が飛び立とうとしている.そして多くのフラミンゴがシンクロして羽根を動かしているように見える.きっとそうした習性があるのでしょうね.敵が現れたときまとまって防御するため...とか.


コロラダ湖のフラミンゴは陸の草むらに巣を作る

フラミンゴは陸の草むらに巣を作る

これは裏側が割れたフラミンゴの卵で,放置されていたもの.羽根は演出(つまりやらせ)である.大きさはがちょうくらいか,それより少し大きい感じだった.いずれにしてもこうした湖岸の草むらに産卵し,孵化するそうだ.そういった観点では,草の少ない上述のカピナ湖は似たように見えるが継続的な棲息は困難かもしれない.


コロラダ湖を離れ,ビクーニャ

コロラダ湖を離れ,ビクーニャ

私たちの車はコロラダ湖を離れ,さらに南に向かった.標高は上がり,地面は再び荒涼としていった.つまり草は少なくなったのだが,ビクーニャは走り回っている.アルパカやリャマといった競争相手がいないので好んでこうした土地にいるのかもしれない.まあ,それが野生のまま留まっている醍醐味なのでもあろうが.

高所順応ハイクhigh elevation acclimatization hike

高度を上げる

高度を上げる

コロラダ湖から南に進むに連れ高度を上げていく.乾燥で路面の砂を巻き上げ,先行Vさんの2号車は既にほこりまみれだ.満タンの屋根上ガソリンのポリタンクも激しく揺られるが,安全性には問題ないのだろうか.


4,850m地点から高所順応ハイクスタート

4,850m地点から高所順応ハイクスタート

車は4,850mの標高に達した.今日通過するエリアでは一番標高の高い場所で,歩くに手頃なトレイルがあるそうだ.そして私たちは明日のウトゥルンコ山登りに備え,ここで予定通り高所順応ハイキングを始めた.


150m登って少し先に下る

私たちは茶色のトレイルを歩いた.然程ここを歩くハイカーは多くないであろう,乾ききった地面の踏跡は明確ではない.まあコースを外れたとしても支障ないが.

150mほど登り,5,000mくらいの高さになり,周囲を見渡す.一面茶色の世界が広がっている.

高所順応ハイク1高所順応ハイク2高所順応ハイク3
高所順応ハイク4高所順応ハイク5高所順応ハイク6

一応頂上を過ぎると,登りとは異なる,概ね反対側,次のソルデマニアーナ間欠泉に下っていった.全行程一時間半くらいであったか,やはり歩くのは楽しい.

ソルデマニアーナ間欠泉Sol de Manana

下る途中でソルデマニアーナ間欠泉の噴煙が見える

下る途中でソルデマニアーナ間欠泉の噴煙が見える

ハイキングで下る途中,ビクーニャ(写真中ほど)に出合い,その先にはソルデマニアーナ(Sol de Manana)間欠泉の噴煙が上る様子が見えた.ソルデマニアーナは『朝の太陽』の意味だそうだ.どうしてそのような名があるのかは不明だが....

この辺りは火山活動が活発な地帯で,私たちの歩いたところと同じくらい4,850m~5,000mの高さで,10km2の範囲にあるそうだ.


ソルデマニアーナ間欠泉に観光客集まる

ソルデマニアーナ間欠泉に観光客集まる

間欠泉の在るところまで車が入ることができる.私たちの車も先回りしてここで待ってくれていた.それなので観光客も結構訪れている.


ソルデマニアーナ間欠泉で吹き出すガス

ソルデマニアーナ間欠泉で吹き出すガス

ガスが吹き出している.周囲で皆見物(自分も)しているので有毒ガスの心配はないのでしょうか,いややはり危険はあるらしい.そしてガス温度は最高200℃に達するというから,もろにガスの中に入ったりするのはまずい.こうして吹き出す量は時間によって変化し,それが間欠泉のいわれのようだ.


ソルデマニアーナの泥の池

ソルデマニアーナの泥の池

吹き出す元を覗きこむと泥がグズグズ煮えたぎっている.4,5日前から警戒度の上がった箱根辺りの火口と同じような感じだと思う.


サラダ湖とポルケス温泉polques hot springs and Laguna Salada

塩っぽい道を南に下る

塩っぽい道を南に下る

ソルデマニアーナから一路南へと下った.道脇の小川,いや池か?は塩で白い.とにかくアタカマ高地一帯はあちこち塩がいっぱいだ.


サラダ湖に至る

サラダ湖に至る

やがてサラダ湖(Laguna Salada:4,400m)に至った.ミネラルが多いそうで,なかなかきれいな水色だ.


サラダ湖脇にはポルケス温泉

サラダ湖脇にはポルケス温泉

サラダ湖に接してポルケス温泉(polques hot springs)と呼ばれる露天風呂が湧いており,幾人かの旅行者が浸かっていた.手を入れてみるとちょっと低目で,40℃に満たないようだ.私たちのメンバーはそれで入るのを躊躇した.


サラダ湖傍にダイニングルームあり

サラダ湖傍にダイニングルームあり

サラダ湖傍にダイニングルームがあった.入り口脇に小さく『JAPON』の看板(写真右上)が見える.日本のODAで作られた設備らしい.


ダイニングルームでチキンのランチ

チキンのランチ

建物内部にはなかなか立派なダイニングルームが備えられているが,調理設備やスタッフはいないようだ.そこで,昨夜宿泊したビリャマルのHostel Piedritasロッジで準備して持ち込んだ写真のチキンとパスタの食事となった.一応少し歩き,遅い時間になったこともあり,まあ美味しかった.


ベルデ湖とリカンカブール山Laguna Verde and Licancabur

ベルデ湖とリカンカブール山目掛けさらに南下する

さらに南下する

私たちはここで東に折れれば,目的のウトゥルンコ山麓のクエテナチコ村へのルートに入る.ただボリビア南端,チリ国境近くのベルデ湖見物があるため,南下を続けた.

快晴の空はどこまでも続き,茶色い峰々には殆ど植物がなく,荒涼とした景色が続く.


ベルデ湖とリカンカブール山への途中雪の多いところも

途中雪の多いところも

地形の関係であろうか,途中雪の多いところも通る.およそ標高4,500mくらいのところなので,乾季ながら降れば雪なのであろう.


リカンカブール山が見えてきた

リカンカブール山が見えてきた

そのうち先方にどっしり,しかも整ったリカンカブール山(mt. Licancabur:5,920m)が見えてきた.ボリビア/チリ国境に聳える火山だが,頂上とクレーターはチリ領に属するということだ.

-30℃になるという山頂にはインカ遺跡があり,またさらに古いプレインカ時代から聖地として生贄の儀式が行われていたという言い伝えがあるそうだ.そのため少なくともここ500年位は大規模な噴火は起こってはいないと見られているようだ.


ベルデ湖に至る

ベルデ湖に至る

やがてベルデ湖(Laguna Verde)に至った.スペイン語Laguna Verdeは緑湖の意味だそうで,ちょうど聖山リカンカブールの前になる.

ベルデ湖の湖水はターコイズブルーでとても美しい.周囲が白いように,ここもやはり塩湖であるが,それ以外,銅化合物などミネラル成分が美しい色を作っているようだ.ただガイドPさんの話では,ヒ素(As,若しくはその化合物)も溶解していて,それを知らずにここで泳ぐと大変なことになるということだ.

ウトゥルンコ山南面展望mt. Uturunco South face

ベルデ湖から引き返す

ベルデ湖から引き返す

ベルデ湖とリカンカブール山を存分に眺め,元来た道を辿りサラダ湖少し手前まで引き返した.そして東に折れ,果てることのない砂塵の道を進んだ.


コルパ湖(Lagna Kollpa)か

コルパ湖か

途中大きな湖が2つあった.これはその中で始めのコルパ湖(Lagna Kollpa)だったであろうか.真っ青な空の下,真っ白な塩が輝いていた.


砂漠の一本道

砂漠の一本道

この辺りにくると完全な砂漠が広がっている.通りは周りに何もないのでウユニ塩湖の塩の上と同じように車は思い思いに走れる.そして幾条もの轍が出来上がっている.


今度はエディオンダ湖(Lagna Hedionda)か

今度はエディオンダ湖か

今度はエディオンダ湖(Lagna Hedionda)であろうか?いやどうも違うかもしれないな~

ここはとにかく採塩のためであろうが,塩田のような形に綺麗に整えられた区画が複数箇所に見られる.湖水を凝縮したのか....?どのようにして....?


小さな池に映る山

小さな池に映る山

そのうちに小さな池があり,きれいにミラー像が映し出される場所を通過した.


いよいよウトゥルンコ山南面

いよいよウトゥルンコ山南面

いよいよウトゥルンコ山南面が見えてきた.西峰南面の抉られた面が美しい.右背後に東峰が見えるが,この手前のコルまで車で上り,西峰右の斜面を登る筈だ.


ウトゥルンコ山の方向を目指し,車は北上を続けた

車は北上を続ける

ウトゥルンコ山の方向を目指し,車は北上を続けた.陽の位置が低くなり,ウトゥルンコには若干赤みが射し,手前の谷は陰になり暗くなってきた.


ウトゥルンコ山より西の山も暮れようとしている

西の山も暮れようとしている

山名不詳ながらウトゥルンコ山の西に見えた山だ.こちらも暮れようとしている.


ウトゥルンコ山南面展望

ウトゥルンコの少し西になる

クエテナチコの近くになり,ウトゥルンコの南から少し西に回り込んだロケーションになった.そして太陽はほぼ真横から照らすくらい低い位置になった.今日一日,このページの頭からここまでの写真を見ると雲は全く見えずかんかん照りだった.この分では明日もいい天気であろう.


クエテナチコに到着get to Quetena Chica

夕暮れ後クエテナチコの村に到着

夕暮れ後クエテナチコ村に到着

今日も長い行程だった.クエテナチコ村に到着したときは完全に陽が落ちて暗かった.外灯などなく,文字通り暗いのではっきりしないが,アドベの家々が建ち並んでおり,その一画に塀で囲まれた私たちの宿泊するLodge Jaqualineがあるようだ.


月明かりのウトゥルンコ北西面

月明かりのウトゥルンコ北西面

到着したロッジ前から月明かりのウトゥルンコを撮した.途中の南面眺望方向から回り込んだので北西面となった.月の薄明かりなので,写りはしたがフラットだ.


部屋に案内してもらう

部屋に案内してもらう

一昨日,昨夜と部屋が確保できないとして,Tさんとシェアしてきたが,この日は本来の個室を用意してくれた.何もこんなに3つものベッドがなくてもいいのだが....

少しして隣部屋のTさんが『トイレットペーパーはありますかね?』と,訊きに来た.手洗いを覗いてみると,果たしてそれはなかった.石鹸とかタオルもなかったが,まあ,ネパールの山小屋などと同じであろう.

一時的に停電もあったが,大した時間を経ず直ったのも素晴らしい.


ロッジレストランで夕食

ロッジレストランで夕食

ロッジレストランに集い,夕食を頂いた.野菜のスープに,さて何だったかな....?写真がなかったため思い出せない.


まあ,こうして6/3は暮れていった.いよいよ明日はウトゥルンコだ.


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