カスバ街道の途中,ダデス渓谷の少し手前で西に折れる道をしばらく行くとトドラ峡谷に至る.ここ入り口辺りは上から覗くと前述のダデス渓谷とよく似ている.
つまりよく観ると,茶色の山間に広いナツメヤシの林に畑があり,その脇にアドビの民家がひしめいている光景,これが似ている訳である.尤もあちこちにあるオアシスの光景は基本的に概ねこの要素,ナツメヤシとアドビの家,から成っているのであるが.
峡谷両側には高い岩壁がそそり立っている.ここはロッククライミングの名所でもあるそうだ.岩肌が茶色なので素人目には何となく砂岩のように柔らかく脆い岩のように見えてしまうが実際はそうでもないようである.この日も高い所を登攀中のクライマーを遠くに見ることができた.すご~い!!
この辺の家は大きく立派な造りのものが多い.確かによく見ると日干しレンガではない.この辺の人々は屈強にして勤勉,スペインなどヨーロッパへ出稼ぎし,財を成す人が多いという.ところで,必ずしもこの地域だけに限定される訳ではないらしいが,嫁さんを貰うには,その親御さんとその一族に莫大な結納金を支払う習慣があるそうで,イスラムの"4人まで"どころか,1人と結婚するのは容易ではないのだそうだ.女性側の支払う持参金が少ないと焼き殺されたりするインドなんかだと女性が大変だが,ここでは男が大変.仮に少ない金額で結婚しても,一族から一生けなされ続けることになるという.それ故,最近この地方の男はヨーロッパ女性と結婚する人も多く,中には,日本女性と一緒になり,ここに住んでいるモロッカンも居るそうだ.ふむふむ.
今日のランチもタジン,この日はビーフタジン,を食べたレストランは崖の下,食事が終わった頃,観光客目当てのロバ引きさんがやって来た.レストラン前の川は,峡谷を形成したであろうにしてはほんのチョロチョロ程度の流れだ.また農婦がそこに観光用ではない,一般乗用って言うか,荷物用って言うか....ロバに水を飲ませにやって来た.
下は,トドラ峡谷の写真あれこれ