ポストイナPostojna

ブレッドの観光を終え,そこで昼食の後,バスでここポストイナにやって来た.この街には全長約21kmという巨大な鍾乳洞があって,本ポストイナ編ではその鍾乳洞の写真とキャプションを載せました.


トロッコでポストイナ鍾乳洞に入る

トロッコでポストイナ鍾乳洞に入る

さてポストイナはブレッドから100kmあまり,途中スロベニアの首都リュブリャナ(Ljubljana)脇を通る高速道路を走って1.5時間くらい要したであろうか,ポストイナ鍾乳洞の駐車場に到着した.

駐車場から少し登ると鍾乳洞の入り口があり,ここからトロッコ列車に乗って中に入った.入口前に展示された機関車を見るとバッテリを用いるミニ電気機関車ではないかと思う.結構なスピードで,しかも壁や天井が迫り来る狭い箇所もあってかなり迫力がある.走り始めると直ちに鍾乳洞で,暫く走った先の停車場で降りた.洞内では言語別の専任ガイドが解説し,それを添乗Kさんが日本語にした説明を受けながら次の停車場まで1時間余り歩いた.洞内の気温は一年中8℃だそうで,このときは外気より多少高めであるが,夏に来るとかなり肌寒く感じられるであろう.風変わりな景色を眺めながら丁度良い散歩ができた.


ポストイナ鍾乳洞

ポストイナ鍾乳洞

鍾乳洞の天井からは蕎麦かうどん程度に細いものから,岩石状の巨大なもの,カーテン状オーロラのように襞状のもの....と,いろいろだ.同様に地面から上に成長したもの,上と下とが繋がったもの,いろいろな形が楽しめる.上から下がる鍾乳石は1cm/100年,下から上に成長する石筍は1cm/200年~300年の成長速度だそうで,もの凄い時間が掛かっているようだ.

鍾乳洞長さ21kmは,ヨーロッパで9番目の大きさだそうだ.昔桂林の鍾乳洞に入ったとき,広いな~と思ったものだが今改めて調べると全長2kmだそうだから,その10倍もあることになる.尤も全部を見物する訳ではないが.途中コンサートホールと名付けられたかなり広い場所もあって,夏には実際にコンサートが開催されるそうだ.

なお石灰岩地域で溶食により形成されるこのような地形は一般にカルスト(Karst/独)地形と呼ばれるそうだが,そのカルストとはスロベニアの正にこの地方を指す地名(Kras)が語源なのだそうである.なのでまあ,元祖と言えよう.また地表で形成されるときは石灰岩柱の林立する景観が形成されるそうで,例えばまだ訪れたことがないが愛媛県と高知県との県境にある標高1,400m,東西25kmに広がる四国カルスト台地などが知られているそうだ.


ホライモリの載った鍾乳洞入り口の案内板

ホライモリという仙人のような両生類

水槽の写真は撮れなかったので,鍾乳洞入り口の案内板右下の絵を参照.この一見魚のような若干薄気味悪そうな生物はホライモリ(Cave salamander)と呼ばれるそうだ.退化したような前肢と後肢があって,前肢付近にイボイボが付いていて,これはエラのようである.体長は約30cmくらい.ここポストイナ周辺,クロアチア,ボスニアヘルツェゴビナのカルスト地形のあるエリアにのみ棲んでいるそうだ.両生類なので陸でも水中でも呼吸できるようだ.

暗黒の鍾乳洞に棲息したため目は完全に退化し盲目となり,2年,いや場合によっては6年間も何も食べずに生き,寿命は80年以上あるという.これを聞いて直ぐさま,霞だけで万寿を生きる仙人を連想した.また皮膚が肌色のため類人魚(Human Fish)と称されることもあるそうだ.その名前も異様だが,肌色そのものもちょっと異様に映る.....ぱっと見ではイモリにはとても見えず,肌色のうなぎに近い....

数匹の個体が水槽で飼われていたが,本来暗黒の水底で静かに暮らしているからこそ長寿,水槽でストレス多ければそうもいかなかろうと,水槽で2ヶ月ほど過ごすとリリーズされ,交代要員がまた捕らえられてこの水槽に来るということだった.国際自然保護連合で絶滅危惧II種に指定されているそうだ.大事にしなくてはね.


下は,ポストイナ鍾乳洞と周辺の写真

ポストイナ鍾乳洞
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さてポストイナ鍾乳洞を眺めた後はやはりスロベニアは海縁のピランへと向かう.



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