このプリトヴィッツェ編では,クロアチアにおける世界遺産『プリトヴィツェ湖群国立公園』の写真とキャプションを載せました.
ボスニアヘルツェゴビナのモスタルから北上し,何と335km/5.5hrも走って再びクロアチアのプリトヴィッツェ/イェゼロホテルに到着した.ボスニアヘルツェゴビナ国境とは近い位置ではある.運転手ジェサンさんご苦労さまでした.このホテルには2泊するので,ジェサンさんは翌朝私たちを散策開始点まで運べば後は殆ど丸1日フリーの筈だが,ホテル近くの適当なレストランが開いておらず,大型バスで贔屓のレストランまで出掛けるはめになったようだ.夏であれば,もの凄い観光客が押し寄せるそうであるが,さすが今の時期訪れる人は疎らで,大半のホテルやレストランは休業中のようであった.
プリトヴィツェ湖群は周囲の山間に広がるプリトヴィツェ台地に位置し,湖群名もこれに由来するそうである.全部で16の湖(若しくは池)があり,それらが滝で結ばれている.この時期上部の湖は閉鎖されており,私たちは右写真,湖群下の辺りを歩いただけだった.それでもまあなかなかいい眺めではあった.
この辺りの地質は主に白雲岩と石灰岩のカルスト(そう,ポストイナ鍾乳洞で教わったあれだ)から成り,それがこの特徴的景観を形作ったそうである.
この方がプリトヴィツェ湖群国立公園のガイドさん.この仕事に就いて5年ほどになるという.園内のことは全部ご存知の生き字引だ.手にしているのは近くのヤブにあった赤い実で,イチゴ,ということだ.まあ,所謂木苺の類と思われるが,私たちが関東地方でよく見かける木苺の系統とは実も葉っぱも随分違っている.ちょっと聞き違えたかな...??
石灰岩による浄化作用とか,公園整備に尽力されたオペラ歌手ミルカトルニナさん(トレイル脇に顔のレリーフ付き銘版あり),野の花の植生とか,流れはどこかでドナウに合流し黒海に注ぐとか.....いろいろ説明してもらった.殆ど覚えていないのがちと問題だが.
彼女が頭に着けているのはヘッドフォンではなく防寒用の耳あて,そしてマフラーも巻いている.この日はいい天気であったがやはり寒いのだ.
台地部分はブナなど落葉樹が多く,道も大変良く気持よく歩ける.
園内には多分今は冬眠中の熊(イェゼロホテルロビーに大きな剥製があった)や狼といった大物から,鷹などの鳥類,それと歩いているとよく見える魚など,いろいろ棲息しているそうだ.
枯れ木でもそれなりにいいのであるから,初夏の頃のブナ林はず~っと素晴らしかろう.本公園,夏は1日1万人訪れるそうだが,湖のトレイルと違って林の道は広いし然程混まないであろう.できればその頃また来てみたいものだ.
水は高濃度の炭酸カルシウムや他のミネラル成分を多く含んでいるそうである.きっとそのためにこのようなエメラルドグリーンとなるのであろう.氷河湖の水色と似ているように思う.また透明度も高く,水底に倒木が横たわっているのがくっきり見える.中国四川省の九寨溝などと似た感じだ.
魚もたくさん泳いでいる.園内のレストランでマス料理の昼食を頂戴したが,この湖産ではない(公園なので当然釣禁止)にしろ,多分この近くで捕れたものであろう.
湖の周囲の木道,特にプリトヴィッツェ大滝近くや階段は少し氷が付着している部分があり,危ない.また湖の一部は氷結している部分もあった.それでも遊覧船でちゃんと渡れたことだし,全面氷結でなくて良かった.
下は,プリトヴィツェ湖群国立公園の写真いろいろ
もっとプリトヴィツェ湖群国立公園の写真
まだ冬で花は殆どないがそれでもいくらか見かけた.イースターには早いように思うが,今回初めて見たイースターローズが咲き始めていた.スノードロップも初めてだが,少し雪の雰囲気とは違うような....クリスマスローズは園芸種でも多いのだそうだが,クリスマスをとっくに過ぎて咲いている姿が健気だ.
下の3つは名前を聞き損ねた.地味ながら可憐でもある.
プリトヴィッツェ/イェゼロホテルで2泊目の朝目覚め,窓を覗くと雪景色だった.そしてまだ僅かながら降り続いているようだ.朝のレストランで同行の人たちと,「昨日でなくて良かったですね~」と挨拶を交わす.昨日このような雪があれば,公園管理事務所は木道トレイルへの立ち入り禁止措置を採ったであろう.
さて今日は最後の観光地ザグレブに向かう.向こうも雪かな~?