デシエルト湖ハイクLago Desierto hike

このデシエルト湖ハイク編では,2013/1/31(木)朝カラファテを離れ,先ず古いホテルのラレオナ(La Leona)まで,次にこの日の宿泊地チャルテン(El Chalten)まで行き,ホテルにチェックイン.その後バスで北のデシエルト湖へ行き,その近くウエメル(Huemul)湖とウエメル氷河を望むコースのハイキング(ウエメルハイク)を楽しみ,チャルテンに戻るまでの写真を載せました.


デシエルト湖ハイクへの行程マップ

この日一日の行程マップ

朝カラファテを離れ,11号線を東進し40号線に至るとそれを北上し古いホテルのラレオナ(La Leona)まで行き休憩.

その後40号線北上を継続し,ビエドマ湖(Lago Viedma)の北東角辺りで左折し,この日の宿泊地チャルテン(El Chalten)に至り,一旦El Paraisoホテルにチェックインし,荷物を置く.

その後バスで未舗装路を北に辿り,川辺のレストランで昼食後デシエルト湖まで行き,見物.続いてこの日のメインイベント同湖近くウエメル湖(Lago Huemul)とウエメル氷河(Huemul Glacier)を望むコースのハイキング(ウエメルハイク)を楽しむ.

下山後は再びバスでチャルテンに引き返し,El Paraisoホテルで宿泊した.

カラファテを離れラレオナホテルまでgo to La Leona from El Calafate

カラファテを経ち,サンタクルス川を越える

カラファテを発ち,サンタクルス川を越える

1/31(木)晴れた朝,私たちはカラファテのパタゴンホテルを発ち,アルヘンティーノ湖沿いを走り,北へと向かった.やがてアルヘンティーノ湖から流れ出るサンタクルス川(Rio Santa Cruz)を越える.この川は大西洋へと注ぎ,1894年(明治27年)この周辺で農場が開かれた頃,アルゼンチン政府はイカダを建造し,羊や人の運搬に活用したということだ.ここから大西洋まで1ヶ月も要したそうだが,イカダ1艘で羊は200頭まで載せたそうで,陸路より大量に運べたのであろう.

でもイカダなので遡るときはどうしたのであろう?当時内燃機関はまだ実用化が十分でなかったであろうから,蒸気機関を積んでいたのかな~?


ラレオナホテル(La Leona hotel)に着く

ラレオナホテルに着く

暫く北上を続け,このラレオナホテル(La Leona hotel)に到着した.このホテル脇にはラレオナ川(下の写真)が流れている.この川はこれから行くビエドマ湖から流れ出て,アルヘンティーノ湖に注ぐそうである.上述のようにこの辺りで酪農が始まった頃,羊飼いは羊をサンタクルス川のイカダに載せる前に,先ずこのラレオナ川を越える必要があったが,数百頭もの羊を越えさせるには1日では済まず,宿泊が必要だったそうだ.そこである家族によって建てられたのがこのホテルだという.なお現在はカフェお土産店として営業されている.添乗Iさんの計らいで,名物というレモンパイも頂戴した.

ラレオナ(La Leona)の地名は,つい前日まで楽しんだペリトモレノ氷河を1877年(明治10年)に発見した探検/研究者フランシスコペリトモレノ(Francisco P. Moreno)が,この辺りで雌ピューマ(=スペイン語でレオナ:Leona)に襲われて大怪我をしたことに由来するそうだ.

開拓時代からのこの古い荒野のホテルは,色々なエピソードがあるそうだ.例えば,1905年隣のチリに向かう3人のアメリカ人がひと月ほど滞在したが,その後訪れた警官が携えていた手配写真の凶悪犯で,都会で銀行強盗を働いた後,ここで休養のため滞在したのだと判ったそうだ.


ラレオナホテル脇のラレオナ川(Rio La Leona)

ラレオナホテル脇のラレオナ川(Rio La Leona)

これがホテル(カフェ)脇のラレオナ川.

ビエドマ湖から流れ出てくるが,氷河溶解水の特徴である少しミルク色がかっている.直接太平洋に行かないで,または途中でサンタクルス川と合流するのでもなく,アルヘンティーノ湖に注ぐのはちょっと奇妙と言うか,面白い.


下は,カラファテを離れラレオナまでの写真

カラファテを離れラレオナまでの写真
カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真 カラファテを離れラレオナまでの写真

チャルテンまでget to El Chalten

ビエドマ湖(Lago Viedma)のエリアに入る

ビエドマ湖のエリアに入る

ラレオナホテルを出て少し走ると左手にビエドマ湖(Lago Viedma)が見えるようになる.地図で見るとアルヘンティーノ湖と同じくらい大きいように見えるが,少し小さいようだ.アルヘンティーノ湖には湾や入江がたくさん付いているのが効いているのであろうか.

こちらもやはり氷河湖で,エメラルドグリーンの水面が陽光に輝いている.ここからは上述のラレオナ川として流れ出している.


ビエドマ氷河(Viedma Glacier)

ビエドマ氷河(Viedma Glacier)

やがて左手にビエドマ氷河(Viedma Glacier)が現れてきた.この氷河はロスグラシアレス国立公園内最大で,長さ57km,最大幅9km(終端ではなく中央部),高さ60mということだ.安定したペリトモレノ氷河と違って年々後退しており,一年で200m余りずつ後退,また幅も縮小しているという.

この氷河末端はビエドマ湖であるから,リトモレノ氷河同様崩壊では大きな音響と水しぶきが楽しめるのではなかろうか.


フィッツロイ(Mt. Fitzroy:3375m)見えてくる

フィッツロイ見えてくる

さらに行くとパタゴニアでよく知られた山フィッツロイ(Mt. Fitzroy:3375m)見えてきた.花崗岩の山容が荒々しい.天気もまた荒れ模様で上は雲で覆われているが,パタゴニアではこれがまあ普通という.でも明日,あさってはあの麓辺りを歩く計画になっているので,その時は望ましくは晴れて,少なくとも降らないで欲しい.

山の下側にパラパラ建物が見えているところが目指すチャルテン(El Chalten)の街だ.もう直ぐそこのようである.


チャルテン(El Chalten)の街に入る

チャルテンの街に入る

思った通り程なくチャルテン(El Chalten)の街に入ってきた.道路の通行は僅か,建物は疎らで数も少なく,朝まで居たカラファテと比べてかなり小規模なようだ.私には西部劇の街を思わせる雰囲気がある.定住人口は1200~1300人程度で,夏の今は私たち旅行者で相当増えるようだ.


El Paraisoホテルに到着

El Paraisoホテルに到着

程なくこれから三泊予定のEl Paraisoホテルに到着した.丸太を多用した少し大きめの雰囲気ある山小屋の趣だ.ここでバスから荷物を降ろし,カラファテのドライバさんとガイドさんにお別れした.ありがとうございました.

ホテルにはチャルテンの新たなガイドFさんとドライバLさんが待ってくれており,早速荷物をレセプション前まで運び入れてくれる.どうぞよろしく.

部屋の鍵を貰うと,次のハイキングが待っているので急ぎ荷を部屋に運び,出発準備をした.


下は,チャルテンまでの写真

チャルテンまでの写真
チャルテンまでの写真 チャルテンまでの写真 チャルテンまでの写真 チャルテンまでの写真 チャルテンまでの写真

デシエルト湖へget to Lago Desierto

ラスブエルタス川(Rio de Las Vueltas)に沿って北上

ラスブエルタス川に沿って北上

皆の用意が整い,急ぎトヨタハイエースのようなマイクロバスに乗って出発した.舗装道はチャルテンで終わりで,ここからはラスブエルタス川(Rio de Las Vueltas)に沿う未舗装道路をがたがたと北上した.ラスブエルタス川は目指すデシエルト湖(Lago Desierto)から流れ出てくるようだ

ラスブエルタス川は一見緩やかなようで,実は急なところもあって変化に富んでいる.途中写真のように広々した川原もあり,車を降り眺める.中央の山はトレンタアンパサリオ山(30 Aniversario:2029m)と言い,アンパサリオ(Aniversario)はアニバーサリーの意味合いらしいが.....変わった名前だ.


大きなログハウスレストランで昼食

大きなログハウスレストランで昼食

途中森の中,川の脇,牧場風大きなログハウスレストランで昼食となった.大きな丸太がふんだんに使われた贅沢な造りだ.チーズやオリーブの前菜に,例によってメインデッシュはステーキだった.ただ残念ながら写真のように完璧なウエルダンで,少ししてこれが災いした.

つまり少ししてお腹を壊し,下痢になった.私はウエルダンのビーフと相性が悪い.消化しないのだ,多分.いやそれとも単に食べ過ぎであろうか?(←そうだ,の声あり)


デシエルト湖(Lago Desierto)に到着

デシエルト湖に到着

何はともあれデシエルト湖(Lago Desierto)の駐車場に到着し,少し歩いてデシエルト湖を眺めた.なかなか綺麗な湖だ.パタゴニアの湖は皆氷河湖だから,皆青く美しい.ただ腹具合の関係で,個人的には気はそぞろだ.


ガウチョか?

ガウチョか?

湖から駐車場に戻る時,数頭の馬に跨った人達がラスブエルタス川を横切っていくのが見えた.これがその昔,高校の人文で習ったあの有名なアルゼンチンのガウチョ(Gaucho/カウボーイのこと)であろうか?それとも普通の人のレジャー乗馬か?でもそれでは夢が壊れる,ここはやはりガウチョだとしておこう.


下は,デシエルト湖へ行くときの写真

デシエルト湖へ行くときの写真
デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真
デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真 デシエルト湖へ行くときの写真

ウエメルハイクHuemul Hike

ウエメルハイクに出発

ウエメルハイクに出発

ウエメルハイク(Huemul Hike),正確にはウエメル湖(Lago huemul)とウエメル氷河(Huemul Glacier)を望むハイク,或いはデシエルト湖脇なので本ページタイトルの如くデシエルト湖ハイクなどと称してもよいだろう.いずれにせよ,高が往復5km/2hr程度の軽い歩きの予定だ.

最初暫くはレンガなど南極ブナの林を行く.雨量が豊かなのであろう.さらに林の中を川も流れているし,樹木はよく育っている.


ウエメルハイクのトレイルはこんなだ

トレイルはこんなだ

トレイルはこんな感じで,ブナの根っこが張り出したり,岩が転がっていたりもするがいい道だ.なかなか快適だ.


丘に出るとウエメル湖(Lago huemul)とウエメル氷河(Huemul Glacier)を望む

丘に出るとウエメル湖とウエメル氷河を望む

やがて林が途切れ,少し登り丘に出ると前方にウエメル湖(Lago huemul)とウエメル氷河(Huemul Glacier)が展開された.お~っ,なかなか豪快な眺めだ.ウエメル氷河(Huemul Glacier)はこれまでと違って湖の手前で終端している.昔からそうなのか,或いは後退したのであろうか.

ところでウエメル湖とウエメル氷河のウエメル(Huemul)とはこの辺りに棲息する鹿のような動物,南アンデス鹿(South Andean Deer)の名前だそうだ.絶滅危惧種で,ガイドFさんも滅多に見ることがないという.


デシエルト湖を眺め下る

デシエルト湖を眺め下る

暫く丘で眺めた後,下りにかかった.上からは,東側についさっき訪れたデシエルト湖の青い湖面が林の中に浮かび,鮮やかだ.そして暫くすると再びブナ林に入っていった.下りなので往きより大分速い.腹具合もあるので,急ぎたいのは勿論だ.

まあこうして無事駐車場まで下り,今日のハイキングは完了した.


下は,ウエメルハイク(デシエルト湖ハイク)での写真

ウエメルハイク(デシエルト湖ハイク)
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チャルテンに戻るreturn to El Chalten

車でチャルテンに向かうときの雲

車でチャルテンに向かうときの雲

ウエメルハイクを終えた私たちはまたマイクロバスに乗り,チャルテンに引き上げた.途中写真のように妙な形の雲が架かった.さてこれは,見る人が見れば明日の天気が判るのだろうか?私には見当も付かない....


El Paraisoホテルの部屋

El Paraisoホテルの部屋

私の3階の部屋はダブルベッド+シングル2個と云う変わった部屋だった.多分ファミリー用であろう.大きなバスタブもあるし,脇に熱ラジエーター式タオル掛けもあった.これでは洗濯しなくてはいかんな~

ただしこの部屋は電話がなかった.まあ,電話が必要なことは滅多なことではないから要らないが.WiFiは部屋では電波が弱すぎて繋がらない.レセプションでは繋がるが,速度が遅すぎ(遅いプロトコルのようだ)てあまり使い物にならない.まあ,折角遊びに来ているのだからそれでいいだろう.


部屋から眺めたチャルテンの街

部屋から眺めたチャルテンの街

部屋は山と反対側向きだった.ただ廊下を挟んで山を望む展望室が備えられていた.部屋から眺めるとチャルテンの街はよく見えた.直ぐ前隣りは,一階ができて二階が建設進行中だ.

さて,今日の夕食はパスしよう.レストランで食べてきた人に聞いたら,またビーフステーキだったそうだ.焼け具合までは尋ねなかったが,仮にウエルダンで出されていたら,腹具合が一層悪化したのは避けられなかったであろう.

でも現在の腹具合では脱水状態になりかねない.そこで街のスーパーかコンビニで十分な水やジュース,飲むヨーグルトなど買いに出た.でも歩いていたが店が見つからない.通りかかったご夫婦に,スーパーの場所ご存じないでしょうか?と訊いたら,『私たちもそれを探しているのよ』と,やはり旅行者のようだ.そして,その人がまた他の人に訊いて,ようやく教えて貰う.その店は一応スーパーのようであるが,水やファンタのようなものはあるが,生ジュースやヨーグルトは扱ってなかった.まあ,仕方なかろう.

戻り道は犬,リードのない大きな犬数匹に吠えられ怖かった.そのうち軒先の繋がれた犬も吠え出して,そこの家人が表に出てきて何とかなだめてもらってほっとした.この街(と他のアルゼンチンでも)ではリードのない犬がいっぱいいて怖い.



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