このペリトモレノハイク編では,2013/1/30(水)カラファテのホテルをバスで出て,乗船場からボートでリコ湾対岸へ渡り,トレッキングガイドの案内で氷河入り口へ行きレクチャーを受け,氷河を歩き,氷河を砕いた氷で乾杯しハイキングを完了.再び森を抜けボートとバスでカラファテに戻り,アサードの夕食で仕上げたときの写真を載せました.
さてカラファテで2回目の朝を迎えた.前日は雲天であったが顔が結構赤くなっている.今日はサンスクリーンを使おう.そしてホテルレストランでチーズにハムのパンやヨーグルト,刻みフルーツといった,まあ普通と言うかありきたりの朝食を頂く.
この日もしつこく,先ずカラファテのPatagonホテルをバスで出て,一旦展望台に行き氷河の崩落を待つ.引き上げにかかった時に大音響が聞こえるも,後の祭りだった.粘ってちゃんと見た人もいたようだ.
その後前日と同じ乗船場に行き,写真の小型ボートでリコ湾に出る.ペリトモレノ氷河終端に近づく頃,今度は崩落がちゃんと見えた.ただし写真は間に合わず.
ボートは対岸に到着した.出港し高々20分くらいであったか.天気はあまり芳しくなく,少し風もあるようだ.まあ,今日はカッパを着ていよう.
桟橋を登ると数名のトレッキングガイドが大きな声で各々のグループメンバーを集めている.ある女性のガイドの方が,『英語ツアーはこちらへ~』と呼びかけていた.下船した大半のハイカーはスペイン語ツアーのようだ.この英語ツアーに集まったのは私たちのグループと,イスラエル男性2人組,イタリア男性2人組だった.案内どうぞよろしく願います.
下は,ボートでリコ湾対岸へ行くときの写真
桟橋を上がり,先ずはこの小屋に歩いた.ここでは来るときにバス内で支給されたお弁当や行動食,水などの中で歩くときにまだ不要なもの(それらの殆どだが)をキープしてもらう.また服装を換えたり,靴紐を締めたりの準備を整えた.
この小屋にはどのグループのハイカーもここに来るので結構混み合っている.
トレイル手前には地図やでレクチャーを受ける.偏西風がアンデスにぶつかり雪を降らせ.....は既に聞いた通りであるが,やはりこのペリトモレノ氷河が他と際立って違うのは生成と流れの速い(1日2m!!)『生きている氷河』ということのようだ.
レクチャーの後,ここで並んでアイゼン(クランポン)を装着して貰う.ここでは他のグループの人達もいっぱいいて少し待つ.順番が来ると,担当者は私たちを順に座らせ,靴のサイズに合わせたアイゼンを選び,締めてくれた.比較的古いタイプで,重さのある,出っ歯なし,8本爪だったように思う.
下は,氷河トレイル入り口までの写真
アイゼン装着後,氷河トレイルに入った.ここからは男性ガイドVさん(この人がチーフ)も加わった.そして先ずはそのVさんから,必ず手袋装着....前後に間隔を開けて....がに股で歩いて下さい,....などのガイダンスがあり,これに従い歩き始めた.
アイゼンが無かったら大変だがちゃんと装着しているので安心して快適に歩ける.氷の上に立つといくらか童心に戻った気分になる.ちょっと天気がイマイチなのは残念だが,晴れていれば照り返しがキツかろうからいいことにしよう.
クレバスやアイスホールも多い.このアイスホールは底に水が溜まっているが,相当深い.アイスホールは氷の一部がレンズのような形態部分で太陽光を集め,その下を融解し,水が溜り,それが進行する,との説明を受ける.
クラック部の青さは実に綺麗だ.この辺りでは下ってくる人達と道を譲りあいながら進む.トレイルは大勢のハイカーが同じ場所をアイゼンで歩くので,アイスキューブをまぶしたようになっている箇所も多い.
こうしてハイキングは終わった.ガイドVさんがピッケルで氷河をぶっかき,グラスに入れ,そこにウィスキーを注ぎ,”サリュート”の合図で一斉に乾杯した.まあ縁起物であろうが,味わい深かった.
なお使用済みグラスは水が無いので,氷の欠片を入れてグラスを数回振って,氷をポイと捨ててお終い.次のグループの人達はこのことを知らないので平気だが,もし知っていれば飲むのを尻込みする人がいるかも.
下は,ペリトモレノ氷河歩きでの写真
ハイキングの後,アイゼンを返し,元来た道を引き返した.この森ももう一度通る.幾つかの木やここに棲む野生動物の解説板が立てられている.写真はレンガ(Lenga)のもので,高さが25m,太さが最大1.5mになるとあるから相当大きくなる.
他にカネロ(Canelo)の高さ20m,太さmax1mなどというのもあった.葉っぱは一見椿などのようであった.
森を抜け,準備小屋に戻り預けておいた弁当(サンドイッチ)などを食べた.殆どニンジンだけのサラダには参った.馬には良かろうが.....そしてまた着岸したときの桟橋の上に戻った.この岸壁上は午後になって強くなったのか,或いは地形のせいか強風が吹きまくっていた.氷河は終端で一層針状化され,大型剣山の趣だ.
リコ湾をボートで戻り,ホテルに戻る小型バスに乗った.ドライバUさんはマテ茶の容器に挿したストローから茶を啜りながら運転だ.そしてその容器ごとアシスタントガイドAさん(女性)に渡し,Aさんがそれを暫く啜ると,写真のようにまたドライバUさんに渡し,これを何度もなんども繰り返す.容器が空になると,シート背後に置いたマテの葉や魔法瓶の湯を補給している.
マテ茶の回し飲みという作法はアルゼンチンでは甚だ大事な習慣,マナーであって,単に美味しいからといった理由でなく,友情,愛,信頼関係....といった心の機微を互いに感じ合うためにあるのだそうだ.逆にそれらが失われた関係では,言葉の代わりにそれを伝える手段にもなるという.
下は,森を抜け,ボートとバスでホテルまで戻るこきの写真
この日は夕食の付いてない日(ツアーに含まれない日)だった.で,添乗Iさんにカラファテで評判のLa Tablitaアサード店(アルゼンチンスタイル焼肉)に案内してもらった.アサードは単純だ.つまり,ビーフは炭火でステーキに,チョリソー(ソーセージ)も同様炭火焼,ラムは丸ごと炭火で姿焼きだ.
料理された肉類は右写真のように数人分ずつ網底付き容器に,下にビーフとチョリソー,上にラムを盛り,他にサラダなども用意してもらった.
今回はビーフの焼き加減もちょうどよく,皮付きラムもさっぱり,美味しかった.また味付けはお塩だけ少々のアルゼンチン風で,これは他店と同じだ.結論:焼き方が過ぎなければ,アルゼンチンステーキとラムは大変美味しい.
美味しい料理は皆でシェアしたが量的にも十分でたったUS$32.一方500ml缶ビールはUS$9で,相対的に高過ぎだと感じる.でもアルゼンチンではこれが普通なのであろう.
評判のお店と言うだけあって店内は客でいっぱいだ.客は私たち以外白人だが観光客が多いようで,キッチンやラムの姿焼きをカメラに収めている.まだパタゴニアでは明るいが既に9時半近くになってお店を出る時,玄関先には席待ちのお客さんがベンチで待機していた.アルゼンチンでは午後10時くらいから夕食というのは普通らしいので,まあいいのだろう.
明日はエルチャルテンに移動し,更に先のデシエルト湖周辺のハイキングだ.どんなかな~?