九寨溝のホテルを出て,弓杠嶺,川主寺,雪宝頂峠を経由して黄龍に向かった.
九寨溝を出て整備された道路を走る.所々にチベット族の村が見える.暫くして弓杠嶺3525mの標識が現れる.地形のせいであろう,この辺り一帯は深い霧に包まれていた.長江(揚子江)の源はこの辺りに発するという.またその川はここでは岷江と呼ばれるそうである.長江は6380kmもの長さがあるそうであるが,この辺りから,延々と流れ日本海に注ぐのであればたしかにそれだけあるのであろう.
この赤い花はケシの原種だそうである.ここ弓杠嶺でもたくさん咲き,これから訪れる黄龍でもたくさん見ることができる.花びらがピカピカで,形も人工的,ビニールでできた「うそっこの花」のように見えるのがおかしい.これからアヘンが採れるかガイドのスーさんに訊いてみたところ,さあ,できないんじゃないかしら?と云うことだった.
下は,弓杠嶺辺りの写真あれこれ
弓杠嶺を過ぎまた暫く走った.多分この辺りが川主寺だった筈だが.....ちょっと自信がないが.....川主寺という名の寺はどうやらボン教の寺院であるようだ.この辺りでは寺院やチョルテン,タルチョーといった光景が多く見られたが,果たしてボン教のものか,チベット仏教のものなのか.....ちょっと見ではよく似た部分も多いそうで,筆者にはちょっと区別が付かない.例えば両者ともマニ車を使うが,チベット仏教では時計方向(CW)に,ボン教では反時計方向(CCW)に回す,といった違いがあるようだ.
下は,川主寺辺りの風景あれこれ
高度を上げ,暫く進むと峠に至り,雪宝頂(5,588m)の白い峰が見えてくる.鋭く白い頂きの雪宝頂は岷山山系の主峰であるそうで,1986年8月,日本ヒマラヤ協会が中国四川省登山協会と合同パーティを組み,初登頂に成功したそうである.20年ほど前のことだから比較的最近のことだ.
何台かのバスが停まれる広場があり,大きなチョルテンにはタルチョーが風に舞っていた.この辺のチベット族は標高が高いので家畜,特にヤクで生計を立てているのであろう,途中でヤクの干し肉作りを見せてもらった.ここでは観光用の馬を引く何人かのチベット族女性が客を探している.同業者が多いのでなかなか大変そうな様子である.
周囲の丘では色々な高山植物が咲き,大きなヤクが放牧されている.時々雄ヤク同士が角突き合わせているシーンはなかなか迫力がある.沖縄や山古志の闘牛を彷彿させる.カシオでは3920mを指しているが,いつも低めを表示する偏りがあるので,多分4000mは越えているであろう.すばらしい風景に身を躍らせて少し駆けたりするとはあはあしてしまう.
下は,雪宝頂峠辺りの写真あれこれ