さていよいよ先ほど眺めた雪宝頂が主峰として連なる玉翠山のふもとの黄龍に到着し,昼食の後歩くことになった.
黄龍入り口近くのホテルレストランで昼食をとった.天気も大丈夫そうだ.これから3~4時間くらいであろうか,ここから黄龍寺までを往復し,景観を楽しむことになった.
下は,黄龍入口辺りの写真
180の小池より構成され,湖面が鏡のようにきれいであることから名付けられたようである.まあ割と一般的に考えられる名前であると言えよう.ただ石灰岩の層が地面の傾斜にそって棚田のように連なり,それぞれの池の水が異なる色に輝いているところが,多分あちこちにあるであろう鏡湖と一味違うところであろう.
下は,明鏡湖の写真
明代に前寺,中寺,後寺と三つの寺が建てられたそうである.やがて前寺はなくなり,中寺,後寺の2つを総称して黄龍寺と呼ばれるようになったようだ.また雪山寺の別称も持つようである.
下は,中寺付近の写真
前述の後寺の後継がこの寺であろうか.標高3430mに位置し,背後に雪宝頂が望める.日本語も併記された案内標識に依れば,黄龍古寺は歴代道教文化と宗教の発展及び変化の重要な場であり,古来大禹王が四川の北西高原までの治水成功を記録した場でもある,と記されている.チベット族,羌(チャン)族,回族,漢族共通の信仰を集めているそうである.
下は,黄龍古寺辺りの写真
黄龍古寺の脇から池の周りの遊歩道を登ると五彩池に至る.五彩池は標高3550m,富士山9合目くらい,に位置し,横の高台に登ると,それぞれ異なる色と高さの池がカスケード状,棚田状に連なっている様子と,周囲の山や黄龍古寺を含めた全景が見える.ここの地形は,石灰を含む水溶液から沈殿した炭酸石灰が長年の間に堆積して形成された鍾乳石で,これを石灰華と呼ぶそうである.黄龍全体で,この石灰華の谷は約5km続き,谷底はしばしば石灰華の作用によって変色した黄色の岩で覆われている.このため上から眺めると黄の龍がのたうっているようにも見える(そう言われないと,なかなかそこまで想像力が働かないが....)そうで,黄龍の名はこれに由来するそうである.五彩池は特に黄龍のハイライトだ.水面が無色,シアン,黄色,エメラルド,トルコブルー....といろいろな色が織り成す景観は見事だと思う.ちょっと人が多過ぎる難点があるが.....
黄龍入り口は3100mくらいなので,標高差500mの行程を3時間近くかけてゆっくり登ったことになる.この頃は籠屋さんがエイサエイサと,疲れた人や高山病気味の人を運ぶ姿があちこちで見られたが,最近はロープウエイができて,籠にとって変わったと聞く.籠の方が風情あると思うが....
このようなポピー,ブルーポピーの一種であろうか?や,時期は少し遅かったが石楠花が咲いている.石楠花の木はとても大きい.
下は,五彩池付近の写真
登るとき池群の左側(東側)の木道を歩いてきた.普通下るときは西側の通りを歩くのが一般的なようである.しかし登るとき,あまりの人の多さに辟易していたので登るときと同じコースを下ることにした.西側コースの風景こそ見損ねたのは確かであるが,予想に違わず帰りの東側路は夕刻が迫っていたせいもあろうが嘘のように空いていて,とても快適に歩けた.これは推奨できる.
下は,復路で写した写真