泉大津港へ
この泉大津港へ編では,2020年11月26日夕刻新門司港へ行き,阪九フェリー「ひびき」に乗船,船室に落ち着いた後に夕食,船内で一泊し27日朝となり朝食,そして泉大津港に到着したときの写真を載せました.
泉大津港へ付近のGoogleマップ
新門司港15から阪九フェリー「ひびき」で瀬戸内海を通過し泉大津港16へと渡った.
新門司港へ
神社風埠頭ビルのある港
太宰府天満宮を離れたバスは新門司港へと進んだ.やがて港湾施設のある港エリアに入り,とてもユニークな神社風ビルのある場所に着いた.これ(或いはこの近く)がどうやら阪九フェリーのボーディング場所であるようだ.ちょっとびっくりしました.
阪九フェリー(株)は1966年創業,ここ新門司に本社を置く海運会社で日本初の長距離カーフェリー事業者なのだそうである.
阪九フェリー「ひびき」が待機
バスが着くとそこには既に阪九フェリー「ひびき」が待機していた.まあ予定通りということであろう.
ここで九州を巡って頂いたバスドライバさん,バスガイドさんとお別れだ.ありがとうございました.
阪九フェリーに乗船
阪九フェリーボーディングゲート
バスを降り,阪九フェリーボーディングゲートに並んだ.並ぶ列は非常に短く,幸いというか,コロナ対策の措置状況が知らしめられる.もちろんここも検温や手の消毒は抜かりなく施されている.
3階吹き抜けのアトリウム
乗ったフェリーは「ひびき」と名付けられ,同スペックの「いずみ」という姉妹船も互いに逆向きに運行されているようだ.乗船するとレセプションがあり,界隈に売店やレストラン,大浴場,露天風呂等を備える共用エリアは5~7階吹き抜けで広々している.
ここで「ひびき」のスペックを見てみよう.添乗Oさんに頂いた資料などによれば
運行会社:阪九フェリー(株)
全長:195m
総トン数:15,897トン
主機関:ディーゼルエンジン バルチラ(フィンランドのエンジンメーカ) 12V38C 2基
最大出力:17,400kw
推進器:可変ピッチプロペラ 2軸 デュアルハイブリッド(エンジン+モータ/ジェネレータ)推進システム
航海速度:23.5ノット(43.522km/h)
客室数:(138室?)
旅客定員:643名
積載車数:465台
建造会社:三菱重工業下関造船所
就航年:2015年
ということだ.
ディーゼルエンジンはお手のものと思っていた三菱重工が外国産を採用することに驚いた.
他に,ターボ圧縮機を用い船底から空気を噴出することで生じた気泡で船体と海水の摩擦抵抗を低減させる三菱空気潤滑システム(MALS, Mitsubishi Air Lubrication System)を搭載しているそうで,素人目でもさすが三菱と感心する.
ひびき船内廊下
案内所やステージのある5Fロビーからは階段やエレベータで客室のある6,7階に繋がり,そしてそこからいくつもの廊下で客室に行く.
また大浴場の他に露天風呂を備えているのが面白い.やはり日本のフェリーならではですね.ただしサウナがないのはちと残念だ.
普通旅館などの露天風呂は周囲が大きな石や築山で囲まれているが,さすがフェリー内では無理で,海に面したところは格子(いやガラスだったか?)で,他の3面は普通の平面壁だった.上は開放され,海面からも冷たい風は入ってくるが,加えて強力ブロアで送風され顔は涼しい.とにかく何が何でも露天風呂を....という並々ならぬ思い入れを感じ取るにいい場所だ.
乗船直後の窓風景
乗船直後,午後5時前の窓風景だ.新門司港乗船桟橋と反対側の対岸で,まだ明るさが残っている.海面は殆ど波はなく平穏だ.なお波が荒いときは前述大浴場と露天風呂は営業中止になるそうだ.まあ瀬戸内海航行なのでそうしたケースは少なそうだが.
新門司港出港直後の風景
定刻通り午後5時半新門司港を出港した.写真はその直後の新門司港風景.陽が落ちて港湾施設の明かりが灯り,港背後の山並みがシルエットで浮かび上がる.
添乗Oさんより瀬戸内海の大きな橋や,特定の場所の通過見込み時間が知らされたが,どれも夜中の時刻なので私はグーグー寝ている時間故わざわざ起きて見ることは決してなかろう.
船室
「ひびき」の並み客室
わたしの部屋はツインベッドで一応窓が付いていた.やはり広いのはいい.ただ窓は海に面しているわけではなく,隣の客室列との間の空きデッキに向いている.あまり役に立たない.
洗面台はあるが,トイレはなく,共用トイレに行くのは不便だ.シャワーは....どのみち大浴場/露天風呂に行くのでいいのだが,多分なかったと思う.
「ひびき」客室のアメニティ
上段モニターは船内案内,セキュリティ案内,普通の衛星テレビ放送あり.wifiは普通には繋がらなかったと思う.
中段はお茶セット.
下段は薄いタオル,和式浴衣.ただしホテル同様部屋から外では不可だ.
洗面台にはタオルや歯磨きセットなどあったと思う.
夕食
「ひびき」のレストラン
6Fにレストランがあった.検温,消毒を行い,ビニール手袋を着けて入るのは他と同じだ.
結構広いのだが,間隔を空けて座るので,それなりにいっぱいになっているときもある.
「ひびき」レストランのメニュー
壁に「ひびき」レストランのメニューが掲げられている.最近少なくなった(出さなくなった)大瓶ビールがあるのが気に入った.しかもそれが630円とリーズナブルプライスだ.
予め装った小皿をピックアップする
フードコンテナから自分のお皿に取り分けて載せるタイプのレストランが多いが,ここでは予め装ってある小皿をピックアップする.コロナ問題が出たのでそのように変更したのでしょうか.多分その方が短時間で済むし,食品と触れる機会は減るのではなかろうか.
選んだ夕食
写真で,形からしてアジフライ(レストランでは珍しかろう),色合いを見るとサーモン刺身,イカの塩辛,野菜サラダ,それに大ビンビールだったようだ.
ビール追加
足りなかったのでビール追加.それに焼き鯖.魚は焼いても,煮ても,揚げても,もちろん生でも....全部好きなのだ.
一泊し朝食
朝食に出かける
6階の部屋で一夜明け27日朝になった.よく眠った.
そして同じフロアのレストランに出かけた.朝は空いているようだ.昨晩たっぷり食べたのに,またこの朝も焼き鯖朝食を食べた.美味しかった.
さてあと少しで到着かな.
泉大津港に到着
泉大津港に到着
「ひびき」は定刻朝6時に到着した.そして2,30分の接岸,ブリッジ連結などの作業後に上陸した.ターミナルビルから表に出ると,既に私達のバスが待っていてくれて,乗り込む.
泉大津市は,大阪府の泉北地域にあり,大阪から志布志港へ向かうときに乗船した大阪南港より南に位置している.市名は和泉国国府の外港であったことに由来するという.江戸時代は木綿の集散地となり,これをベースに明治以降毛布のまちとして発展し,現在も国産毛布シェアの9割超を占めるということだ.
朝焼けの中バスで北に向かう
待ってくれていたバスに乗り込むと,直ちに北に向けて出発した.まだ早い時刻の大阪湾岸沿い街道では,雲は多いながら朝焼けの空が輝いている.この日は京都見物に行くのだ.