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登別周辺

この登別周辺編では,2020年11月29日遅くバスで登別温泉万世閣ホテルに到着し,お風呂の後に就寝,明けて30日,ホテルで朝食後バスで出発し登別地獄谷を歩き,地球岬に行き海を眺め,洞爺湖に至りカニの昼食.食後洞爺湖サイロ展望台で眺め,終わりに昭和新山と周辺を見物し,苫小牧港へと巡ったときの写真を載せました.

登別周辺付近のGoogleマップ

苫小牧港26から,登別万世閣27に行き一泊,翌日登別地獄谷28,地球岬29,洞爺湖30.サイロ展望台31,昭和新山32,有珠山33と巡った.

登別温泉へ

登別万世閣にチェックイン

登別万世閣にチェックイン

苫小牧港に着いた後,バスで登別へと向かった.相当長い時間走り登別市に入り,万世閣ホテルにチェックインした.レセプションにはクリスマスツリーが飾られている.もうそんな頃になったのだな~


万世閣の部屋

万世閣の部屋

万世閣の部屋は純和室で,12畳ほどあろうかしかもたたき付き前室,窓側の板の間もあってバカに広い.少し前に泊まったアーバンホテル京都とは対極を成す.wifiはじめアメニティも完璧だ.

遅くなったが北海道を代表する良質な湯を堪能できるというお風呂に行こう.「月の湯」と名付けられた男湯は3階で,大浴場(とても広い),サウナ,露天風呂が揃っていた.

頂いた資料によれば,泉質は硫黄を含む酸性で,アルミニューム,硫酸塩,硫化水素型塩化物温泉だそうだ.で,効能は神経痛,筋肉痛,関節痛,五十肩,運動麻痺,関節のこわばり,うちみ,くじき,ぢ疾,慢性消化器病,慢性皮膚病,病後回復期,疲労回復,健康増進,高血圧症,動脈硬化症,糖尿病,慢性婦人病,冷え症,きりきず,とまあ何にでも効くような.....硫化水素型塩化物が含まれると聞くと,素人目にはむしろ大丈夫か~?などと思わなくもない.

タオルや浴衣は十分に用意されているし,大浴場と露天風呂の湯温は低目ながら,サウナは高温タイプで非常に良い.サウナの後に露店風呂に入るのが一番良さそうだった.なお全館和式で,浴衣やスリッパのまま廊下を歩いて差し支えない.ただしマスクは湯船(会話は控える)以外全館着用(他のホテルやフェリーでも同じだが)


朝食でステラモンテレストランへ

朝食でステラモンテレストランへ

部屋で目覚め11月30日朝になった.そして3階のステラモンテレストランに降りた.手を消毒し,ビニール手袋を着けて,トレイを持ってフードコンテナを回り,料理を装う.

テーブルはコロナ防壁で仕切られ,シート数も減じてある.割とお子さん連れの家族客も多くおられる.


食べた料理

食べた料理

クロワッサンタイプのロール,ソーセージ,塩鮭,イワシ(?),生野菜,ジュース,ヨーグルト,デザートのフルーツ,のようだ.北海道はやはり鯖ではなく鮭がスタンダードであろう,多分.でもパンに塩鮭で食べる人は多くないかも.

ステラモンテと仏語とか西語風の名なので,塩鮭などないかと心配したが,あって良かった.


万世閣窓景色

万世閣窓景色

万世閣の窓から外を覗いてみた.空気は冷たく天気も芳しくなさそうだ.雑木林で覆われた山はどことなく北海道風であろうか.あまり大きな木はなく細めの木が密生しているように見えるような....


登別地獄谷

登別地獄谷に来る

登別地獄谷に来る

朝食後バスに乗り,登別地獄谷に向かった.ホテルを出て間もなくのところに大きな赤鬼像があった.登別の湯を守る湯鬼神(ゆきじん)で,登別温泉の様々なイベントに現われ人々の幸せを願い厄払いしてくれるそうだ.秋田のナマハゲのように怖い顔だ.

そして程なく地獄谷に到着した.万世閣からはとても近いのだ.

地獄谷は日和山(の一つ笠山か?)の噴火でできた爆裂火口跡で,直径約450m,面積11haという.谷には数多くの湧出口や噴気孔があり,それらが煮えたぎる様子から「鬼の棲む地獄」の連想を呼んだようだ.湯鬼神もここの生まれなのでしょうか.

またここでは多種類成分含有の温泉が毎分3,000リットル,日に1万トン算出され,私達の泊まった万世閣など温泉街ホテルや旅館に供給されているということだ.


登別地獄谷の詳細

登別地獄谷の詳細

谷底の大地獄(これがよく判らないのだが,大きな白い煙のとこか?)周囲に竜巻地獄,虎地獄,大砲地獄,釜地獄,奥地獄,鉄砲地獄....などと呼ばれる15の地獄があるそうだ.どれも怖そうだ,あの世に行ってもできれば避けたい.

登別の名はアイヌ語で「濁れる川」の意である「ヌプルベツ」が元であるそうだが,地獄は敬遠しても「濁れる川」はやはり歓迎されていたことでしょうね.


登別地獄谷の鉈作観音像

鉈作観音像

地獄谷を見下ろす縁の一画に小さな鉈作観音(なたづくりかんのん)像が祀られていた.脇の解説板によれば,江戸時代全国を行脚した美濃国円空上人が,1666年(寛文6年)に鉈一本で作り上げた観音さまという.明治時代山火事で一時行方不明になったが,後に黒焦げの姿で発見されたということだ.

円空上人は修験僧(廻国僧)であるが,仏師,歌人としても知られ,特に各地に「円空仏」と呼ばれる独特の作風を持った木彫りの仏像を残したという.その作風は残された作品の写真を見るとここ鉈作観音像の如く,鉈一本荒削りと言うか,ラフで力強いというか,絵で言うと素描のように骨格を素早く描いたように感じる.

一説によれば生涯でおよそ12万体彫ったと推定され,全国で約5,300体余り見つかっているそうだ.いや~ものすごいペースですね.


地獄谷に降りてみる

地獄谷に降りてみる

地獄谷に降りる木道階段(写真左上)が用意されている.ここから地獄谷(の脇)に降りてみた.所々白煙が立ち上っているが,現在の状態ではまだ地獄よりマシかな~噴火の後でマグマもグツグツしていればさらに恐ろしいかも....


登別地獄谷湧き出る湯

湧き出る湯

あちこちで湧き出る湯の泉の一つ.こうした泉や沼は複数あるのだが,大きなものは周囲1kmのものもあり,底から噴出する湯温は100℃で,表面温度が40~50℃に達するものがあるそうだ.池からは鉛色の湯が川となって流れ出ている.温泉の元であろう.


地球岬

室蘭に向かう

室蘭に向かう

地獄谷を十分に見たので,次は地球岬のある室蘭に向かった.室蘭というと工業地帯を想像するが,正にその工業地帯を目の当たりにしながら通過した.たくさんの煙突があり,一部は地獄谷の噴煙の如く白い煙を上げ,一部は何も出ていない.操業停止したか,或いは排煙の少ない工法に改善されたか.....


母恋駅(ぼこいえき)

母恋駅(ぼこいえき)

母恋駅の名を掲げた小さな駅舎があった.てっきり「ははこいえき」かと思ったら,然にあらず「ぼこいえき」ということだ.

母恋の由来はアイヌ語の「ポクセイオイ(=ホッキ貝の群生するところ)」の一部略された「ポコイ」に由来するという説があるそうだ,つまり母恋は当て字なわけだ.

JR北海道は毎年5月に「母の日記念乗車券」など発行し,親思いの子(多分鉄道マニア)が母にプレゼントするという.経営の大変なJR北海道がほんの僅かでも足しになればということで,まあいいじゃないですか.


名勝ピリカノカの標識

名勝ピリカノカの標識

目指す地球岬が近くになり,バスを降りた.そこには「名勝ピリカノカ」の標識が立てられていた.ピリカノカはアイヌ語で「美しい形」を意味する「ピリカノカ」に由来するという.ピリカノカは国指定名勝で,北海道にはアイヌ語の物語や伝承,祈りの場,言語に彩られた景勝地などあちこちに点在するそうである.ここはその一つ絵鞆(えとも)半島外海岸,ということで,地球岬もその範囲に含まれるそうだ.

森繁久彌の知床旅情で「ピリカが笑う」というフレーズがあったが,これはやはり,美しい,良い...そして美女の意味だったのだ.今まで,何となくそんな意味かな~と思っていたが,やはりそのようだ.


地球岬展望台に上る

地球岬展望台に上る

駐車場から整備された階段を上った.路面には雪が残っている.太平洋側と言えどもやはり北海道だ.気温も低いようでダウンジャケットの人も増えた.


地球岬灯台

地球岬灯台

展望台に出て,陸の果に灯台,その先に太平洋,さらに先に地平線を望む.この辺りは100m前後の断崖絶壁が連続し,なかなか見応えがある.

陸の縁には白い地球岬灯台(正しくはチキウ岬灯台という)が立つ.1920年に完成し,初点灯したという.海抜130mに位置し,灯台の明かりは44km先まで届くそうだ.冬に雪が積もる地方の灯台は一般に雪と判別しやすいように赤や黒が交じるが,ここの白一色は珍しいという

ところで地球岬の地球は,ここから眺めると地平線が湾曲し,地球が球形であることが判るから,というのは俗説で,アイヌ語で「断崖」を意味する「チケプ」に由来するということだ.この写真で地平線が曲がっているのは単にレンズの歪曲収差のためでしょう.


地球説に悪乗りした地球儀

地球説に悪乗りした地球儀

判りやすい地球説に悪乗りし,地球儀が展示されている.室蘭観光当局の技でしょうか.前述の母恋駅(ぼこいえき)と似た面がありますね.まあチケプ岬や断崖岬では普通名詞的でインパクトに欠くし,目くじら立てることではないでしょう.


岬右(南)側の断崖

岬右(南)側の断崖

地球岬右(南)側の断崖は特に迫力だ.急峻で落差も大きい.全部岩なのか,木や草も生えてませんね.海は砂がないためであろうか,碧々と澄んで見える.


地球岬近くの雪山

地球岬近くの雪山

ちょっと遠くであるが白い雪を被った山が見えた.メモでは駒ケ岳と記してあるので,そうだったかな.....

もし駒ケ岳であれば蝦夷駒ヶ岳とか北海道駒ヶ岳と呼ばれ,標高1,131mの活火山で地球岬とは内浦湾を挟んだ対岸渡島半島,函館の手前にあるようだ.何れにしてもとても美しい山だ.


洞爺湖で昼食

吊橋を渡り北へ

吊橋を渡り北へ

地球岬を後に,洞爺湖目指し北に向かった.先ず室蘭市内に架かる大きな吊橋を渡った.1998年に完成した全長1,380mという白鳥大橋だ.真っ白なペイントが美しい.


途中の農作地帯

途中の農作地帯

途中雑木林が多いが写真のような農作地帯もよく見かける.あまり鮮明ではないが,普通の露地栽培畑の他にビニールハウスや温室か食品加工工場のような建物が多い.

この地方は他地方ではあまり見かけない,根菜の砂糖大根なども栽培されているそうだ.ググってみると,普通の大根よりカブの形に似ている.そうなんだ~


洞爺湖に到着

洞爺湖に到着

やがて洞爺湖に到着した.洞爺湖はおよそ10万年前噴火により洞爺カルデラにできた湖で,東西約11km,南北約9kmと広く,カルデラ湖としては相当大きいそうだ.カルデラ湖なので周囲は小高い丘で囲まれている.湖内には4つの島があり,まとめて「中島」と総称されるそうだ.もちろん個々の名称もないと困るのでちゃんと名があるものと思われるが.

湖畔には2008年洞爺湖サミットが開催されたが,その開催宣言石碑が立てられていた.安倍晋三氏の名が刻まれていたがこれは第一次安倍内閣のときに宣言し,開催されるときは既に降板していたからであろう.

なお洞爺湖の名は,アイヌ語の普通名詞「トヤ(=湖や岸)」に由来するそうだ.


サミットが開催されたウィンザーホテル

サミットが開催されたウィンザーホテル

洞爺湖周囲の丘に,上記2008年洞爺湖サミット会場となったザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパという長い名のホテルが見える.侍のxx左衛門xx兵衛のように長い名なので相当格調高いホテルに違いない.

洞爺湖サミットでは議長の福田康夫首相を含むG7首脳に加え,ロシアのメドヴェージェフ大統領,バローゾ欧州委員会委員長も参加した.


カニしゃぶランチ

カニしゃぶランチ

洞爺湖湖畔レストランで昼食になった.カニしゃぶにカニ炊き込みご飯で,カニ尽くしだった.美味しかった.


湖畔レストランのショップ

湖畔レストランのショップ

湖畔レストラン横には抜け目なくお土産ショップが設けられていた.こちらが主事業かも知れない.ただ概してここは甘味だけで,海産物など置かないのは残念だ.北海道の持ち味など全然ないではないですか,これでは.


サイロ展望台

サイロ展望台に至る

サイロ展望台に至る

バスでサイロ展望台に移動した.ここは洞爺湖のほぼ端から端まで望むことができる.大きな中島の背後に一つ,右に2つの中島があるようだ.サイロ展望台の名は,この近くにサイロがあったか,現在サイロ風外観の建物が建てられていることに由来するようだ.

ここは標高170m程度の場所にあるため,上記中島の他,有珠山,昭和新山も見えると案内されたが,判別できない.

洞爺湖には在来種としてアメマス,ウグイ,ヨシノボリ,ハナカジカ等棲息し,ワカサギ,ヒメマス,ニジマス,サクラマス,コイ,ブラウントラウト等が漁業目的で人為放流されているそうだ.鉱山廃水による湖水の酸性化で漁獲量は急激に減ったが,現在は少し回復しているという.

また中島(全て無人島)には,観光資源としてオス1頭,メス2頭,合わせて3頭のエゾシカが導入されたが,あっという間に増加(最大400頭),ときに減少を繰り返し,観光資源となるも中島の植生に大きな影響を与えているのが心配されるようだ.


サイロ展望台ショップ

サイロ展望台ショップ

サイロ展望台にもお土産ショップがある.外は雪がぱらつき寒いので入ってみる.こちらは例えば乾燥昆布など北海道らしい本場もの海産物なども扱われている.


昭和新山

洞爺湖南の昭和新山に回る

洞爺湖南の昭和新山に回る

バスで洞爺湖南,昭和新山前の駐車場に来た.最初見た印象は,山肌は茶色一色,植物が生えてない.「昭和」と名付けられtいるし,きっと噴出したマグマが固化し間もない山かな~と感じる.

実際,昭和新山は昭和の初め1943年,突然の噴火活動による地震とともに隆起を始め,4ヶ月の爆発と隆起が2年続き,398mの火山「昭和新山」が形成されたということだ.いや~怖そうですね.

この昭和新山の誕生をつぶさに観察し続けた方が近くの郵便局長三松正夫さんで,地震発生から噴火,その活動停止までの詳細な記録を連続スケッチで描き続け,稜線のみを一枚に重ねた「昭和新山隆起図」及びその記録を発行.世間では「ミマツダイヤグラム」として知られ,称賛されたという.気象庁とか,国土地理院とかの公務員の業務としてではなく,自らの私財と時間を費やして土地を買い取り,観測したわけで偉い方ですね.なお昭和新山は現在も三松家の私有地であるそうだ(私有地の火山は世界でも珍しいらしい).


昭和新山前

昭和新山前

昭和新山の横方向には有珠山が聳える.有珠山は標高737mの活火山で.昭和新山とともに「日本の地質百選」(きっと珍しい地質なのでしょうね)に選定され,周辺地域が洞爺湖有珠山ジオパークとして認定されているそうだ.有珠山は今も活発に活動している火山で,1663年以降判っているだけで9回,20世紀のみで4回(1910年,1944年,1977年,2000年)に噴火を起こしているという.ただ私は有珠山の山頂を同定することができなかった.すっかり地図の読めない爺になってしもた.

昭和新山前にはカフェや,有珠山ロープウェイ駅,クマ牧場,レストランなど揃っている.

ロープウェイがあるなら上ってみようか,と周りにいた数人と乗ることにした.


有珠山ロープウェイ乗り場

有珠山ロープウェイ乗り場

とても大きなゴンドラのロープウェイで,かなり新しい.前年度に更新し設置したということだ.


ロープウエイ山頂駅に着く

ロープウエイ山頂駅に着く

数分の乗車後山頂駅に到着した.標高が上がったので周辺には少し雪が残っている.下の駅で2℃だったのでさらに低いであろう.そこから右に進むと写真のように洞爺湖や昭和新山をよく望めた.


洞爺湖対岸向こうの雪山

洞爺湖対岸向こうの雪山

コントラストが低くぼやっとしているが,洞爺湖対岸向こう,大きな中島背後,サイロ展望台後ろ辺りに雪山が聳えている.きれいだ.

googleマップを見るとその方面の高い山として羊蹄山(1,898m)とか,ニセコアンヌプリ(1,308m)なる山があるが,随分遠いし.....やはり判らない.それにしてもアンヌプリとは面白い名ですね,ヒマラヤのアンナプルナと若干似ているような....


エゾシカは大きい

エゾシカは大きい

ロープウエイで下る時,草を食む大きな鹿が見えた.皆で,これはきっとエゾシカでしょうね,ということになった.とにかく関東にいる普通の鹿と比べでかい.


苫小牧港へ

苫小牧港へ戻る

苫小牧港へ戻る

登別周辺の見物は終わり,バスで再び苫小牧港へ運んでもらった.ドライバさんガイドさんありがとうございました.

4時半くらいだが,既にかなり暗くなってきた.出発までは然程待たない筈だ..


ターミナルビルでボーディング待ち

ターミナルビルでボーディング待ち

私達はターミナルビルでボーディングを待った.今度は仙台行だ.乗ったらすぐ夕食の予定だ.