パルミラの後,ダマスカスに向かった.”ダマスカス”,何となくこの響きに昔から憧れていた.さて見てみよう.
パルミラを離れ,砂漠を走りダマスカスに向かった.途中鉄道路に出合ったり,映画「バグダッドカフェ」と同じように砂漠の真ん中にあるカフェに立ち寄ったりしながら進んだ.ただ,映画「バグダッドカフェ」はラスベガスとロサンゼルスを結ぶ道筋にあるモハヴェ砂漠のはずれ.そこに取り残された様な寂しげなモーテル“バクダット・カフェ”が舞台.似ていると言えば似ているか?
下は,バグダッドカフェ辺りの風景あれこれ.5枚目は近くにあった土造りのビーハイムハウス(蜂の巣型),6枚目はベドウィンのテントも見える.
シリアのベドウィンは5万人くらいで,ラクダ持ちは金持ちということだ.シリアの羊は人口と同じくらい,2000万頭いるそうである.
ダマスカスはシリア(シリアアラブ共和国)の首都.ダマスクスとも表記される.エジプト,メソポタミア,地中海地域を結ぶ交通の要衝の地として,紀元前3000年ごろから形成された都市で,「世界一古くから人が住み続けている都市」として知られるそうだ.カシオン山の山麓,バラダ川沿いに城壁で囲まれた古代から続く都市と新市街が広がる.現在の人口は約200万人,都市圏全体では400万人に迫るそうであるから横浜くらいの規模か.
下は,ダマスカス市街の写真あれこれ.宿泊したホテルの周辺は近代的ビルのみの明らかに新市街だ.
下は新市街と旧市街の境界は判然としないが雰囲気から旧市街に属するのであろうか?
下は,さらにダマスカス市街の写真.冒頭の写真はBab Kisanの門.南東にあり,聖パウロがここから籠に入って塁壁から吊り下げられてダマスカスから脱出したという伝説が残っているそうだ.現在は閉鎖されており,この故事を記念する教会がその場所に建てられた.この後,街の一角に富豪の邸宅跡などを訪れた.
ウマイヤ朝の支配下,715年に建築された(一説には705年ウマイヤ朝がキリスト教の教会をモスクに改造した)世界最古のモスク.建設には10年余が費やされたそうである. イスラム4大聖地の1つだそうで,シリア国内はもちろん,周辺のイスラム諸国から巡礼ツアーが訪れるようである.非イスラム教徒の入場も許可されているが,入る門は制限されている.また,成人女性の入場にはベール等で髪を隠すことが義務付けられているので,我々のツアー一行の女性達は貸与された帽子付きワンピースを着用して入る. 靴を脱ぎ,各自用意したビニール袋に掲げ,門を入ると,広い総大理石張りの中庭が広がっている.中庭には宝物庫と泉水が置かれている.それを取り囲む建物のコーナーにミナレットが高くそびえている.中庭に面した回廊はアーチが整然と並び美しい.
下は,ウマイヤドモスクの写真あれこれ
ダマスカス旧市街(Old Damascus)は,城壁に囲まれた歴史のある地域である.この城壁は,1世紀頃,ローマが最初に建設したと言われている.2006年現在残っているものは,13世紀から14世紀にかけて,十字軍やモンゴル帝国の侵略を防ぐために,アラブ人が建築したものだそうだ.
下は,ダマスカス旧市街の写真あれこれ.上段に水売り屋さんのショット数枚.この街では観光記念写真モデルではなく実際水(ジュースかな?)を売っている.下段中ほどはアラブの英雄サラディーンの像.時は1096年,聖地奪回を目的として第1回十字軍が送り込まれ,以後200年以上に渡って何度も十字軍が繰り返しシリア地方などに侵入した.1187年,サラディーンに率いられたイスラム軍は十字軍の襲撃からダマスカスを守り,エルサレムを奪回した,ということである.