ドゥナイ(2,140m)へtrek to Dunai

このドゥナイへ編では2011年8月~9月ネパールヒマラヤのロアードルパのトレッキングで,ジュファールからドゥナイへと歩いたときの写真とキャプションを載せました.

ドゥナイ周辺マップ

8月21日の行程(太線部分)

8月21日ジュファール空港到着後,いよいよトレッキング開始,ジュファールから今夜の宿泊地ドゥナイへと歩いた.ジュファールは丘の上にあり,ドゥナイはそれより標高が低く,この日は概ね下りだった.


ジュファールのロッジ庭

ジュファールのロッジ庭でランチ

ジュファール空港に着くと荷物を受け取り,一軒のロッジまで下った.ジュファールの村はとても急な斜面に貼り付くように家々が並んでいる.ロッジ(バッティ)の建物も斜面に合わせて建てられ,どこまでがここのお宅で,どこからがお隣りの家か難解だ.部屋数は10室ほどのようだ.主に地元の人が宿泊に利用するようで,トレッカーは庭を借りてテントを張る場合が多いそうだ.私たちがここで休んでいるとき,トレックを終えた欧州系二人がここに下りテントを張り始めていた.

ここではシェフGさんの調理ではなく,ロッジ提供のダルバートを戴いた.「ダルスープが塩辛い」と言ったら,お客様の多くは重労働の地元ポーターなので塩分補給のためと言われ,確かにそうですねと納得.この後はシェフGさんの調理で私たちに合わせてくれるという.


ジュファールの村と畑

ジュファールは畑が豊かで戸数も多い

ジュファール脇の山には段々畑が広がっていた.作物はトウモロコシ,アワ,ヒエ,大麦,陸稲,そば,ジャガイモなどのようである.広い耕作面積に合わせるようにジュファールや近隣の農家戸数は相当多いように見える.

この辺りの住宅は所々木の補強材を入れた石の壁に,木の梁屋根構造で,屋根には土が被せてある.その土の屋根は雨や雪を遮断し,ルーフテラスとして花や野菜が栽培され,家畜の庭,子ども(や大人)の遊び場,物干し場や通路,場合によっては道路の一部として活用されている.あまり雨が多い所は土が流れ出すであろうから,やはり雨は比較的少ないのであろうと思われる.

写真中央は丸太梯子で,半分に割った木材に足架りの段々を掘り込んで作られている.登り降りしてみる機会があって試してみたが,掴まるところもなく,足の置き場も狭くなかなか大変だ.

各家の庭には小さな小屋が建てられている.『お手洗いではないですよ,スモーク小屋ですよ』と教えてもらう.小屋の天井にヤクなどの肉を吊るし,下から木を焚き,煙で燻すそうだ.小屋内部は適度に陽が当たり,また通風が確保されており,美味しい燻製ができ上がるそうだ.特に冬の食材として備えるのであろう.


ツロベリ川(Thulo Bheri Khola)に下る

ツロベリ川(Thulo Bheri Khola)に下る

ジュファールから下るとトレイルはツロベリ川(Thulo Bheri Khola)の脇(川は歩きと逆方に流れ,左岸である)至る.この川はベリ川(Bheri Khola)と略称されることも多いそうで,延々と流れネパールガンジ上空で眺めた川となり,程なくインドに行くのであろう.灰色のツロベリ川の流れはかなりの水量で,また急流でもあり,これを遡るように沿って歩いた.

ツロベリ川沿えのトレイルはかなり広く,近所の住民や馬の往来もそれなりに多いようだ.ネパール政府はジュファール西に位置するジュムラ(Jumla)からドゥナイまで車が通れるよう道の拡張工事を推めており,広い部分はその結果であるようだ.今はまだ馬車やロバ車もないが,数年後には車が走っているであろう.なおジュムラへのフライトはジュファールと比べて頻繁で安定しているそうで,そこと道路で繋がれば物資輸送が楽になり住民の生活向上に資するということだ.


スリガートでツロベリ川とスリ川が合流

スリガートでツロベリ川とスリ川が合流する

暫く行くと先方にツロベリ川に架かる吊り橋が見えてきた.また橋の辺りで左手(北側)から流れ込む清流が見える.スリ川(Suli Khola)と呼ばれる川で,後に訪れるポクスンド湖に源を発するようだ.ツロベリ川とは対照的にきれいな流れに感嘆する.

この辺りはスリガート(Sulighat)と呼ばれ,対岸にはシェイポクスンド国立公園(Shey Pkoksundo N.P.)管理事務所が置かれていた.なおスリガートの名前はスリ川の水場と云った意味であろうか.またトレッキングの終盤頃スリ川上流から下り,ここで宿泊予定になっている.



下は,ジュファールからスリガート辺りまでの写真いろいろ

ジュファールからスリガート辺りまでの眺め
ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め
ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め ジュファールからスリガート辺りまでの眺め

ジュファール周辺の穀物

ジュファール周辺の穀物

小さな実を蓄えた穂を付けている.この穂のように少し撓んだタイプと真っ直ぐなタイプが見られる.一方がアワ,他方がヒエどちらかであるようだが,結局はっきりとは区別が付かない.なお茶色いのは鶏頭の花である.

この辺りでは他のネパール地域同様ダルバートをよく食すようだが,コメはあまりできないので低地エリアから移入しているのであろう.代わりにここから出ていくものはさて何であろうか?畜産物などであろうか?


下は,ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物

ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物
ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物 ジュファール周辺で眺めた花や果実,穀物

仏教またはボン教のカンニ(Kani:仏塔門)

仏教またはボン教のカンニ(Kani:仏塔門)

スリガートを越えて行くとカンニ(Kani:仏塔門)があった.さてここがドゥナイ(Dunai)の入り口であろうか?カンニは手の込んだレリーフ装飾が施され,内側には曼荼羅やラマの絵が描かれていた.さてこのカンニは仏教のものか?或いはボン教のものか?はたまた両者共通のものか?

なおこの近くでは白いチョルテン(Chorten)が立ち,またドゥナイの村に入るとヒンドゥーの社も見られ,いろいろ共存している様子が窺える.


カンニで一休みのディディ

カンニで一休みのディディ

荷運びの途中であろうか,涼しいカンニの内側で一休みしていたディディ(Didi:お姉さん).明るく爽やかな笑顔で,「写せ」と言ってくれた.ありがとう!


ドゥナイではヒンドゥーのお祭り

ドゥナイではヒンドゥーのお祭り

カンニを越えて暫く歩くとドゥナイの町に入った.道の両側にお店が連なり,一応ドルパ地方の首都(というのか?)らしい趣だ.

この日8月21日(日)はヒンドゥーのお祭りの日だそうで,町の一画には住民が集まり,何か催し物を眺めていた.ちょうど私たちが通り過ぎる方向と対向して一斉に眼が向けられ,ちょっと恥ずかしかった.それにまた敢えてシャッターを押したのもかなり図々しいとは思う.

水筒の水が切れ,ミネラルウォーターが欲しかった.しかしこの辺りのお店はどこで訊いても置いてなかった.地元の人にミネラルウォーターは全く売れないし,トレッカーも少ないので殆ど商売にならないのだ.やはり秘境だ,エベレストやアンナプルナ地方とは違う.そのうち『コカコーラならありますよ』と教えてもらい,Rs120(いやRs200だったか?)で買い求めることができ,ほっとした.


ドゥナイのキャンプサイト

ドゥナイのキャンプサイトに到着

ドゥナイの町を過ぎてその端に位置するキャンプサイトには午後3時半頃到着した.サイトには既に先客のスペイン隊の皆さんがテントを張っていた.

写真中程に見えるのはツロベリ川対岸に立つボン教寺院と学校だそうだ.この下流(左)に仏教寺院もあったが写真には写ってなかった.

同隊のガイドの一人,快活な若いクライミングガイドと話したら色々教えてくれた.


キャンプサイトのオーナー

右の方がここのキャンプサイトBlue Sheep Innのオーナーでご主人,左がその長女で一手に営業活動をしているディディ.いろいろ,かなり立ち入ってお話ししてみた.

Blue Sheep Innのお嬢さんBlue Sheep Innのご主人
↑Blue Sheep Innのお嬢さん↑Blue Sheep Innのご主人

と,まあとりとめもなく,しかし整然と分り易く話してくれた.親子ともとても誠実な方たちだった.


下は,ドゥナイ周辺での写真

ドゥナイ周辺での眺め
ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め
ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め ドゥナイ周辺での眺め

この日はジュファールから9頭の馬(厳密には馬とロバのハイブリッドで,馬に近い容貌)と二人の馬方さんが加わり,ここにテントや食料等運んでくれた.運んだ後は馬はツロベリ川原で休んでいるようだ.

さて明日はタラコットに向かう予定だが,天気はどうだろう?



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