このランガ上へ編では2011年8月~9月ネパールヒマラヤのロアードルパのトレッキングで,ナワルパニからランガ上へまで歩いたときの写真とキャプションを載せました.
8月26日朝ナワルパニから同日の宿泊地ランガ上へと歩いた.
この日はその少し手前(南),東からの川(Langa Khola)がタラップ川に流れ込むランガまでの予定であった.しかしランガに着いてみると前日まで雨で原っぱは水浸しで,ガイドの判断で少し先,地図に載ってないのでランガ上とした,でテントを張ることになった.
ランガ近くまで来ると広い川原の緩やかなトレイルとなり,地図で見ると,どうやらこの先も概ね楽な歩きができそうである.
ナワルパニのキャンプサイトで夜が明けた.体温はかなり下がり平熱近くになっていたので,今日は大丈夫だなと思う.天気は今にも降りそうな空模様で,標高3,475m,富士山吉田口でいうと八合五勺目くらいのようだが少し肌寒い.さて今日はどうなるかな~?
ダイニングテントは既に片付けられ,文字通りアウトドアのテーブルで粥などの朝食をいただく.ネパールのオーガナイズドトレッキングはこうしたテーブルや椅子など準備され,時に「殿様旅行」と揶揄される場合もあるが,改めて写真を眺めると「そうした面もあるかも」と思える.ただ,これはネパールの雇用や経済に幾らかは貢献しているのも確かだと思う.
この日はタラップ川を何度も横切った.最初右岸からスタートし,合計5回橋を渡り,左岸のランガ上キャンプサイトに落ち着いた.またタラップ川に流れ込む支流の橋も4回ほど渡ったようだ.
先ず最初は,ナワルパニのキャンプサイト脇のブルーシープが水を飲みに来る小川を渡る.ちゃんと橋が架っており問題なし.そしてそのままタラップ川右岸を遡上した.
暫く行くと,川上方向から下ってくるトレッカー3人とすれ違う.互いに珍しいことで,ナマステ!を交わして通り過ぎる.皆2本ポールだが,外国の人はこのスタイルがかなり一般的だと思う.
木の橋が架かっていた.大きな橋ではないが,激流の上高くに架り,施工はなかなか大変だと思う.木造の橋は耐久性が高くないであろうが,たぶん鉄橋に架け替えるには資金的課題があるのであろう.
橋を渡り,タラップ川左岸のトレイルを暫く歩いた.トレイルもまた岩を砕いて通すなど難工事であったと思われる箇所が続いていた.
タラップ川左岸トレイルを暫く行くと,また先方に木橋が見えてきた.また橋の先(右岸)袂には数軒のテント小屋が望めた.
橋を渡り,リュックを置いて一休みしていると,ここに住まう人たちが寄ってきてくれた.右端の少年はポルカスブラ君(12歳)と自己紹介してくれた.シェルパ族とかと比べて長い名前のような気もする,かな?彼は村の名前はトルトル(Toltol)で,タラコットから出てきて,夏の間(5,6~10,11月)だけ茶屋を営業することや,真ん中のお母さん,左端の妹(6歳)やこの写真に写ってないが2歳の弟の名前,などを教えてくれた.彼は英語が上手に話せたが,多分夏の間は学校に行けず,冬季だけタラコットの学校に通うのではなかろうか.頑張ってね!
テントのラマ像などあしらった旗が掲げてあり仏教徒のようである.似たようなデザインの旗は,前年やはりチベット住民の多いマナスルエリアを訪れた際見かけたことがあったと思う.
トルトル辺りからはすっかり天気が回復し,青空が広がってきた.この先は暫く右岸のトレイルが続き,右側にタラップ川を眺めながら進んだ.タラップ川幅は幾らか狭くなったように見える.
また大きなヒマラヤ杉はなくなり,木の丈は徐々に低くなってきているようだ.多分木橋建設の材木入手は厳しさを増すであろう.
下は,トルトル(Toltol)の少し先までの写真いろいろ
好天の下,いい眺めの右岸トレイルを快調に進んだ.やはり天気が一番,それにトレイルもあまり厳しくなくなってきているし,眺めもいいし...
11時少し前,トレイルとタラップ川の間の広場に到着した.シェフのGさん初めスタッフの皆さんがランチの準備を進めてくれていた.馬も到着しているがお気の毒に荷は背負わされたままだ.
今日のランチはいつものように煮物や味噌汁などに加え,皿の中には今日の目玉,レトルトの赤飯が含まれていた.どこで仕入れたのでしょうね?ただ残念ながら十分加熱されておらず,硬かった.名シェフと評判のGさんであるが,自分自身で赤飯を食べた経験がなく,また赤飯を使うのがどうやら初めての経験で,パッケージ記載の日本語説明は読めないし,想像で加熱時間を決めたようだった.とは言いながら,こうした例外は除きいつも美味しい日本料理を作ってくれるGさんは大変ありがたい.
昼食後右岸を暫く遡上し,タラップ川がとても狭くなった場所に差し掛かった.狭い分深くまた流れが急になっているであろう.橋を架けるには好都合だし,両岸のトレイル敷設の難易度に鑑み作られたと思われる木橋があった.これを渡り,今度は左岸トレイルを進むことになった.
程なく左岸トレイルは登りに入った.そして先方の丘にチョルテンが見えてきた.丘手前には馬のキャラバンが登って行く.いかにもチベット的光景だ.ちょうどこの辺りでは反対方向に行く地元の人達に出会ったが,赤布織り込みヘアスタイルなどやはりチベット風であった.
暫く歩き,この日4つ目のタラップ川に架かる橋を渡り,三度目の右岸歩きに入った.この辺りからトレイルはかなりなだらかになった.少し行くとタラップ川対岸に大きな滝があった.長い年月で水が岩を削り,とても深く水路が刻まれたように見える.
この辺りの川縁は広く,従ってトレイルも広く緩やかになる.川原には羊の放牧など見える場所もあって,至って長閑な光景が楽しめる.
この日最後となるタラップ川越えの木橋に至った.この川を渡った先には写真右手(東)から大きな川,ランガ川(Langa Khola)がタラップ川に注いでいた.ランガ川の方がタラップ川より大きいと思った.
さて,そのランガ川とタラップ川が交わる辺りがランガ(Langa)で,広い川原もある.この日のキャンプはここの予定だった.でも私達がここに到着した時,先を歩いていたスタッフメンバーの姿は見当たらない.後で聞くと,川原が水浸しでテントが張れず,もっと先にした,と云うことだった.
ランガから小一時間歩いたであろうか,深緑のキッチンテントが見えてきた.そして到着すると私たちの黄色のテントも張られ始めた.写真はタラップ川下流方向にレンズを向け撮ったものだが,4時半のこの頃既に川原は陽が無くなり,陽当りは丘の高い所,高い所へと逃げていくようであった.
この場所の地名は地図で見当たらないが,川原脇にはマニ石が積まれ,地図になくとも地元の人達には少なくとも名無しということはなかろう.とりあえずここでは勝手にランガ上としておこう.夕暮れ,一頭しか写ってないが,マニ石上のトレイルをヤクキャラバンが下って行った.こんなに遅くここを通過し,今夜はどこに泊まるのでしょうね?
夕方37.4℃とまた熱が上がりだし,薬を飲む.また夜は咳がひどく,脚もだるかった.しかしトレイルは今日の後半から広々して,明日以降も広く,まあ,転げ落ちる心配はなかろう,多分.
下は,ランガ上のキャンプサイトまでの写真
いろいろ咲いていた.最初の一枚は面白い形だ.