このノマラ越え編では2011年8月~9月ネパールヒマラヤのロアードルパのトレッキングで,ノマラBC上を発ち,ノマラを越えて,ダニガーに至ったときの写真とキャプションを載せました.
8月30日朝先ずノマラBC上からノマラ(5,238m)へと歩き到着.続いてチューラ川(Chhura Khola)まで下り,その川を越えて再びいくらか登り,当日の宿泊地ダニガー(Danigar:4,630m)に至った.
8月30日目朝,雨がテントを叩く音とスタッフの皆さんの話声で目覚める.テント内の温度は6℃でちょっと低目だ.
馬は短い草を懸命に食べ,今日の仕事に備えている.私達もお茶に続いて,作ってもらった朝食をいただく.
7:50AMノマラBC上を発ち,『いざノマラ』と歩き始めた.高度が高くなったのでハァハァするが,少しガレた程度の良いトレイルが続いた.
9時を少し廻った頃ノマラ(5,238m)に到着した.前日の宿泊地が4,770mと高く,また近かったためあっけなく到着した感じだ.ノマラパスにはチベット仏教(ボン教もか?)の慣わしに従い,石のチョルテンが積まれ,ルンタが風に舞っていた.ただエベレストやアンナプルナ地方と比べると極めて控えめな印象だ.また頂きに標識など一切ないのは他のエリアと同様で,さっぱりしている.
ノマラは今回トレックのハイライトの一つなのだが,残念ながら天気が悪く(僅かに小雪もぱらついている),パス下に広がる谷とその先のカンジロバを望む光景は幻に終わった(涙)
展望はなかったが一応登った記念にと撮ったショットがこれ.う~ん,やはり全てが雲に包まれている.
ノマラパスからはひたすら下りになる.下る先はチューラ川(Chhura Khola)となるようだ.その川までは半端ではなく,多分1,000mほど下ったかと思われる.お陰で少し膝が痛くなった.
やがて少し草むらのある川原に来た.ただし目指す対岸に渡る予定のチューラ川ではないようだ.この日は諸般の都合で朝お弁当をもらっており,この場所で広げて食べた.天気が悪いので味の方もイマイチかな~と感じられるような....
下は,出発からノマラ越え,ランチ場までの写真
ランチを済ますと更に下った.暫く行くと,数羽のハゲワシが丘で羽根を休めていた.ネパールでハゲワシを見たのは初めてのような気がするが,以前読んだ川喜田二郎著『鳥葬の国』が思い出された.ドルパでは今も鳥葬が行われているかな~チベットでは高位のラマだけと聞いたが....?とふと思った.で,周りを見渡すと,家畜の死体が転がり,カラスがつついていた.多分これがハゲワシの残りであろう.
さて下りに下った最下点の川にやって来た.ここはJさん,Tさんのプライベートホースにお世話になり,楽して渡らせてもらった.地図を見るとチューラ川(Chhura Khola)だと思われ,遥か先ポクスンド湖に注ぐようだ.
上述のように多分ノマラパスから1,000mほど下った筈で,かなり損したような.....
チューラ川を渡るとまた登りが待っていた.少し登ると,元歩いて来た対岸のトレイルの先には巻く道がくっきり刻まれて見えた.アッパードルパに位置するシェイゴンパに至る道だそうである.あちらから今歩いているここ辺りを眺めるとやはりあんな風に見えるのかな~
この辺りから雨が強くなってきた.テントまであとどれ位あるかな~と思っているところに,スタッフのTさんが温かいジュースを持って向こうから駆けつけて来てくれた.雨の中,わざわざありがとうございます.
ジュースを頂戴し少し行くと,ダニガー(Danigar:4,630m)のテントが見えてきた.私たちの黄色いテントの他に,グレーの大きなテントが見える.遊牧民のテントであろう.つまり私たちは今日,この人達の土地を借用してテントを張る訳だ.
遊牧民の人たちは牧畜以外の日常生活ももちろんあるわけで,糸紡ぎや,ロキシーの蒸留のシーンなど見せて貰った.またもちろん家畜が主な生業であろうから,夕方ヤクを草場から連れ戻し,朝にまた追って出掛ける風景にも出合った.
ダニガに到着し少しすると晴れ間も見えてきた.早速濡れたカッパなど石などに広げて乾かす.
さらにそのうち南の方向にノルブカン(Norbu Kang:6,085m)が姿を現した.高い山ではないだろうがやはり白い峰を眺めるのはいいものだ.
ノルブカンは,8月21日ドゥナイのキャンプサイトでスペイン隊同行のクライミングガイドの青年が,二人のクライマーと一緒に登ってきたことを話してくれた山だ.その時頂上往復に10時間要したそうだが,さてこの写真では比較的緩やかに見える左側稜線方向から登ったのであろうか?
下は,ダニガーまでの写真
この日歩いたのは荒地が多いが,それなりにひっそりと花が咲いていた.