ノマラBC上(4,770m)へtrek to upper Numala BC

このノマラBC上へ編では2011年8月~9月ネパールヒマラヤのロアードルパのトレッキングで,ドータラップからノマラBC上へと歩いたときの写真とキャプションを載せました.

ノマラBC上周辺マップ

8月28~29日の行程(太線部分)

8月28日朝ドータラップから同日の宿泊地ノマラBC上(4,770m)へと歩いた.また高所順応のためあくる日も同じノマラBC上に滞在した.

当初計画ではノマラBCにテントを張る手筈であったが,そこに来てみると水場が近くになく,ガイドDさんの判断でもう少し先のノマラBC上となった.ここには小川が流れ,水が確保できた.

標高4,770mと上に書いたが,カシオ時計が示した値である.ただいつも低めに表示する偏りがあり,実際はも少し高い可能性が大だ.


ドータラップの朝

ドータラップの朝が明けた

8月28ドータラップで朝を迎えた.曇り空で今にも降り出しそうな気配だ.外気温は10℃くらいで歩くに丁度いいくらいか.荷物をまとめて7時半頃歩き始めた.そして直ぐに私たちよりほんの少し上流の農家の庭でテントを張っていたバーミンガムの青年達と顔を会わせ「ハロー,先に行って待っているからね~」と挨拶を交わす.彼等はこの日ドータラップ三日目の滞在予定で,翌日ノマラ方向に発つそうだ.

(しかし,私達がノマラBC上で2泊している間,そしてその先でも出会うことがなかった.天候や食料調達の関係でパス越えを止めて,タラコット方向に戻っかのかな~と私たちは想像した)


Crystal Mountain School

Crystal Mountain School

ドータラップの村を抜けて,ところどころにチョルテンの立つ麦畑を歩くと,先方に大きな建物が見えてきた.左側はCrystal Mountain Schoolのパネルが掲げられた学校,右側はドミトリーのようである.学校にはサッカーは無理だがバレーボールが可能な程度の広いグランドが備えられていた.

学校は多分夏の間だけ開かれているのであろうが,遠くからの生徒も受け入れるためドミトリーも備えているのであろう.


通学の子供たち

通学の子供たち

私達がここを歩いていたのは8時過ぎであるが,通学の子供たちが続々と通ってきた.小学生から中学生くらいのようである.多くの男女は袖の長いチベット民族服チュバを着ている.またその色はお坊さんと同じ濃いエンジ色が多い.

ネパールの学校(とオフィス)は10時始業と大変遅いので,それにしては早い登校だ.既に校庭でバドミントンに興じている子もいたので授業前の一遊びを楽しむのであろう.


ドータラップ先の村

ドータラップ先の村

学校の先も細くなったタラップ川沿いの平原は続き,畑が拓け,断続的に集落が現れる.住宅の形式はドータラップ同様石造りで,窓はあまり無く,家畜囲いの庭があって,屋根に燃料の木の枝が載り,タルチョーが掲げられている.

中には温室を備えた農家も時々見られる.写真左端のビニール屋根がそれで,覗くといろいろな葉野菜などが栽培されていた.

先の山には昨夜降ったのであろう雪が見える.


トキュウ(Tokyu)のゴンパ

トキュウ(Tokyu)のゴンパ

やがてかなり大きな集落トキュウ(Tokyu)にやって来た.トキュウはタラップ谷平原最奥の集落で,この先は山に入ると云う場所だ.一画に白いチョルテンがズラリ並んだゴンパが目立った.タラップ谷の数多いチョルテンは四角い茶色の石積みであったから,ここの純チベット風白い円錐型は随分異色だ.

チョルテン上部のガラス窓の内側には金色の仏像が納められていた.まだ本堂入り口を行儀悪く覗き込むと,歴史を感じさせる扉や壁画が見えた.2頭の向きあう鹿のモチーフなど,チベット仏教のゴンパでも頻繁に見かけるもので,ここは仏教のゴンパであろうか?


下は,トキュウ(Tokyu)辺りまでの写真

トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め
トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め
トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め トキュウ(Tokyu)辺りまでの眺め

トキュウを過ぎ,左(北西)に曲がる

トキュウを過ぎ,左(北西)に曲がる

トキュウを過ぎるとタラップ川は一段と狭まってくる.そしてトレイルは川を逸れるように左側へとカーブしていく.ただトレイルははっきりせず,元より標識類は一切無いので要注意だ.皆と少し離れてAさんと歩いていたら知らぬうちにシェイに向かうジャンタ峠ルートに入ったようで,ガイドDさんに引き戻して貰ったこともあった.


お花畑も現れる

お花畑も現れる

広々した斜面を登り始めた.所々にピンクのお花畑が広がっている.近くで見ると,小さなピンクの土筆んぼうのような花が主体で,黄色の花も混じっている.個々は地味だが一面に咲くとそれなりに綺麗だ.なおネパール語でこうした場所はフンバリと呼ばれるそうで,日本語同様お花畑の意だそうだ.ただネパールの人は一般に日本人ほど個々の花に関心を示さないのが普通だ.日本で魚がマグロ,タイ,ブリ,それどころかワカシ,イナダ,ハマチ,ワラサ...などとさらに細分された名称で呼ばれるのに,ネパールでは『サカナ』以上細分された名称があまり用いられないのと似ていようか.


馬は草食べ放題

馬は草食べ放題

ドータラップでザックなど運んだりするためパス越えまでプライベートホースを頼まれた方がおり,馬は2頭,馬方さんは一人増えた.草原で歩くと馬は時々文字通り『道草を食う』.休憩すると食べ放題だ.ただ花は美味しくないようで箸を付けないようだ.

なおタラコットでは馬も馬方も皆出払い,調達不可能と聞かされていたが,その行った先がここタラップ谷の夏村だった訳で,ここでの馬/馬方調達は容易っだったそうだ.現に馬に跨った地元の人にはよく出会った.


小川の畔でランチ,シャツ乾かす

小川の畔でランチ,シャツ乾かす

暫く登りが続いた.やがて小川の畔にやって来た.なかなかいい眺めだ.11時15分くらいで,スタッフの皆さんはランチの準備に掛かってくれた.傍らに放牧のときの休憩所であろうか小さな石囲いがあった.登りで大汗をかいたシャツを脱いで杖に渡して干した.この頃になると晴れ間が見えて,適度な風があり,ランチの後は概ね乾いていた.


なおも登り,ノマラBCを通過

なおも登り,ノマラBCを通過

ランチの後なおも登った,馬も,人も.そしてやがてノマラBC(Numala base camp)と呼ばれる場所に到着した.ただキャンプするには水場が必須であるが,少なくとも近くに水は見当たらない.離れた場所から汲み上げる必要があるのであろう.

ということで私たちはその先に行くことになった.ただあれほど良かった天気は再び悪化,途中から雨になりカッパを着て歩いた.


ノマラBC上に到着

ノマラBC上に到着

雨の中,2:45PMノマラBC上(便宜的にこう呼ぶ)に到着した.狭く斜面であるが脇に小川が流れ,キャンプ適地である.地図には載っていないが,カシオで見ると4,770mを示していた.スタッフの皆さんは斜面に寄せ合うようにテントを張ってくれた.

ここから眺める景色は森林限界を越えているので木はなく,白い山も殆どなく概ね茶色の峰々が連なる所謂チベット的景観だ.ドルパがチベットの一部であったこととも符合するし,その通りだと思う.

咳は多めで,体温計が生憎バッテリー切れで動かないが体温は以前より下がっていると思う.明日もここに滞在なのでゆっくりしよう.


下は,ノマラBC上までの写真

ノマラBC上までの写真
ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真
ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真 ノマラBC上までの写真

下は,ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花

ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花
ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花 ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花 ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花 ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花 ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花 ドータラップからノマラBC上に来るとき見かけた花

8月29日朝のノマラBC上

8月29日朝のノマラBC上

ノマラBC上で朝を迎えた.夜半から雪になったのであろう,周囲の山肌は白くなっていた.ただ雲は薄く,やがて晴れてきたので雪は徐々に消えていった.


馬方さんはカードゲーム

馬方さんはカードゲーム

この日は移動がなく,馬は周囲に放っておけば勝手に草を食んでくれる.馬方さんたちは暇を持て余しカードゲームに勤しむ.かなり真剣な表情から気合が入っている様子が窺える.

同行の皆さんは小川の向こうに出掛けたが,私は風邪にはどうかな~と思いながらテントの周りでじっとしていた.


ブルーポピー

戻ってきた皆さんが『ブルーポピー咲いてたよ』と教えてくれた.うわ~私も見てみたい,と言うと,ガイドDさんが咲いている場所まで連れて行ってくれた.多くは散った後だったが,僅か残っている数輪が独特の透明感あるブルーで陽に輝いていた.

ブルーポピーブルーポピー

山の向こう

山の向こう

ブルーポピーの咲く丘の向こうは前日登ってきた元の方角だった.雪はすっかり融けて,谷の僅かな土地には麦畑が見える.トキュウからは大分距離があるが,飛び地の畑であろうか?だとすると農作業の度の往復はさぞかし大変であろう.


ノマラBC上で見かけた他の花

ノマラBC上のテント脇ではブルーポピー以外にもいろいろ咲いていた.代表的高山植物であるエーデルワイスの仲間(下段右端)なども見える.

ノマラBC上で見かけた他の花
ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花
ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花
ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花 ノマラBC上で見かけた他の花

この日シェフのGさんは夕食のデザートで,『明日のノマラ越えの気勢に!』とケーキを用意してくれた.少し前にアップルケーキを作ってくれたこともあったし,今回はスポンジケーキだった.簡易キッチン用具しかなく,しかも沸点も低い高地でいつもどうもありがとうございます.



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