サビニャラSabinara
このサビニャラ編では,2019年2月7日砂丘のキャンプサイトで朝を迎え,地中から結晶化して地上に出る塩を産するデミを訪ね,斜度の大きなバルハン砂丘を越え,モルディ低地と呼ばれる平地を走り,サビニャラのキャンプサイトに至るときの写真を載せました.
サビニャラ付近のマップmap around Sabinara
昨晩の宿泊地15からデミ,バルハン砂丘,モルディ低地(実際は標高480mくらいだった),サビニャラ16に進んだ.
別窓で大きなチャド付近Googleマップを開く砂丘の朝in the morning at the camped dune
デミ手前の砂丘で朝が明けた
デミ手前の砂丘キャンプサイトで朝が明けた.テントから荷物やマットを取り出し,テントを畳む.幸いこの日は風のないいい日和でスタートした.
朝食後砂丘を越える
朝食を頂き,車に荷を積み,出発した.そして早速幾つかの砂丘が待っており,これを順次越える.
ドライバーの皆さんは大変だが,私たちにとってはとても楽しい.ツアーの種類によっては最も重要なアクティビティであろう.
塩のデミvillage of Demi
デミの村に来る
車はデミの村に到着した.ドゥーンヤシとみられる大きな木や,丈の低いヤシの仲間のような木々が茂っている.そしてまとまった個数の筵(むしろ)屋根住宅やピックアップトラックも見える.オアシスの村なのだ.
私達は塩採掘場に向かう
私達は集落の反対側の原に向かって歩いた.塩の採掘場があるという.塩湖や海は無いので塩田ではない.また岩塩坑から塊を掘り出すのでもなく,ちょっと珍しい産出方式のようだ.
採掘場塩保存塚
採掘場に来ると塩保存塚があり,ガイドEさんが覆いを捲って,中の採掘済み塩を取り出し,私達に見せてくれた.
ここで採れる塩は『赤塩』と呼ばれ,塩分NaClと土が混じっているそうだ.食用にはできないが,家畜の塩分補給にいいそうだ.土に含まれる他のミネラルも家畜には有用なのかも知れない.
昔はアベシェに運び,ミレットと物々交換で取引されたが,現代は現金決済ということだ.いや日本政府同様,現金を減らし,キャッシュレス決済推進,といった方向にあるのかも知れませんね.
赤塩の正体
見たところ霜柱と同じような感じだ.土中の水分に溶解した塩成分が地表近くで毛細管現象で引き上げられ,それが順次柱状に結晶化し,浮き出てくるのだそうだ.
一度採取したらそれきりか,と言うと,大丈夫深いところから塩分がまた上がってくるので,まあ無尽蔵のようだ.
子どもたちが咎めに来た
向こうの方で監視していたのか,子どもたちが咎めにやって来た.まあ勝手に保存塚を開けたのだから仕方ない.とりあえずEさん一人怒られて収まった.
大勢の女性がやって来て露店を開店
子どもたちに続いて大勢の女性がやって来て,露店を開店した.とにかく大勢過ぎて圧倒されるが,これまでと同様,並べられた商品に食指が動かない....
商品はこういったもの
手前の白いつぶつぶはドゥーンヤシの種であろうか.
そして女性が手にしている四角い箱状のものが紐で連なったものは,名前を思い出せないがチャド特有のネックレスで,Eさんが既に身に付けている.ただしこのネクレスは宗教的(アニミズム?)理由で個人個人専用で専門家が作る(加工する)必要があるそうだ.Eさんは以前専門家に作ってもらったそうだ.
それとここデミの女性はニャス族の黒装束と違って,普通のカラフルな衣装になりましたね.
赤塩の貯蔵塚
採掘した赤塩は出荷待ちで,小山に築かれ,湿気防止の屋根が掛けられている.まとまったらトラックやラクダで運ばれるのであろう.
デミの住宅は筵張りタイプと石土壁タイプ二通り
デミの住宅は四角い筵張り屋根壁タイプと,ウニャンガの寂れた町でも見かけたような石土壁タイプの二通りあるようだ.どちらにしても定住タイプの住宅だと思う.
水は豊富
上でも書いたが,ここは豊かな緑が示すように水も豊富だ.私達のポリタンクもここで満たされた.次のブレイク,ランチ,夕食,明日の朝食....と使われていくだろう.なお飲料はボトル入り普通のミネラルウォーターだ.
バルハン砂丘Barkhans dune
バルハン砂丘に入る
デミの見物が終わり,また砂の道に入った.そしてそのうち手強そうな砂丘が次々現れるバルハン砂丘(Barkhans dune)地帯になった.また進む方向は南に舵を切った.
見ている限りとても美しいのだが,ドライバーさんたちは大変だ.上る途中で止まり,引き返しては上り直したり,別ルートに変更したり,はたまたスタックされたり,と苦労が多い.
砂丘の麓は薄い砂岩板が散らばる
バルハン砂丘の麓には薄い砂岩板が散らばっている.何とも不思議な光景なのだが,どのようにして形成されたのか私には見当がつかない.ほんと不思議だ.
薄い砂岩板表面は黒ずんでいる
薄い砂岩板の欠片があったので,断面を見ると,内部は普通の砂岩の色,表面だけは黒ずんでいる.ちょうど粘土から作られた焼き瓦,内部は茶色で外側は濃い青,の瓦ととても良く似ている.
素焼きのお皿
たまたまこの辺りに転がっていた素焼きのお皿だ.砂で叩かれ(サンドブラストですね)たためか縁が幾らか丸みを帯びている.それなりに旧いのかな.....
この辺りでコーヒーブレイク
バルハン砂丘を突破したこの辺りで一休みだ.ドライバーさんご苦労様でした.
さてネスカフェにセサミボールのおやつを貰おうかな.
コロシントウリがいっぱい
コーヒーの後また車で南下を再開した.この辺りにはコロシントウリがいっぱい生えていた.スイカの原種と言われるだけあって,表面の模様も少し似ていようか.
知らなければいかにも美味しそうに見えるが.....これが猛毒とは惜しい.
モルディ低地Mourdi depression
モルディ低地のエリアに入ってきた
モルディ低地(Mourdi depression)のエリアに入ってきたようだ.ガイドEさんも,添乗Uさんも『低地』と言っているので,死海とかトルファンのように海抜以下かと思ったが,とんでもない,Garmin GPSデータでも気圧高度計(カシオPro trek)でも430m~480m程度で,全然低地ではないと思った.この先もっと高いところを通過するが,そこら辺と比べれば相対的に幾らか低いではあろう.
大きな木の下でランチ
お昼の頃合いになり,また大きな木,アカシアか,があったのでそこで停車しランチになった.
何を食べたかまではもちろん一切覚えていない(だって前日の食事だって思い出せないのだ)
草が生え,風紋もある砂漠
この辺りは草が生え,風紋もある砂漠で,面白い.
草ぼうぼう,コロシントウリ実り,アカシア大きく育つ
ちょっと砂漠には見えないほど草ぼうぼう,コロシントウリも実り,アカシアが多数大きく育っている.
一見ワディには見えないが,ワディの一種で,地下水脈が形成されているのであろう.
タッシリに岩床のエリア
タッシリに岩床のエリアだ.タッシリの側面は現在もどんどん侵食が進行しており,崩れた小石が斜面途中に留まったり,底面まで落ちているように見える.
一方手前岩床はバルハン砂丘の薄板状岩と比べて,厚く,凹凸が多く平面性も少ない.
久しぶりにラクダが見えた
ファダの先は比較的ラクダが少ないためか,あまり目にすることがなかった.ここまで南下し再び増えたのか,ラクダが悠々と歩いている.草は比較的生えているが,ラクダは他の家畜と違ってのべつ幕無し食べる習性はないようなのでゆったりしている.
サビニャラSabinara
サビニャラのエリアに入る
さて今日の宿泊地サビニャラ(Sabinara)のエリアに入ってきた.この辺りは複雑な,つまり折れ曲がりの多いパターンの風紋が刻まれている.
先方に岩山がたくさん聳えているので,あの辺りまで行って今日の終点かな.
丸いニャラ峰が林立
丸いニャラ峰が密に林立している.これもなかなかおもしろい眺めだ.
サビニャラのキャンプサイトに到着
サビニャラのキャンプサイトに到着した.そしてテントも張り終えて,後は食事が楽しみだ.テーブルは既に用意されているので,後は待つだけだな.
6時前,陽は落ちて暗くなってきた
まだ6時前,つまり夕食には暫く間があるわけだが,陽は落ちて暗くなってきた.
テーブル上のランタンと,各自のヘッドランプが頼りだ.注意すべきは夜間その辺に用足しに出て,自分のテントに戻るときだ.まだ幾らか見える今のうちにルートを計画しておかなくては.