カライ北north Kalait
このカライ北編では,2019年2月8日サビニャラのキャンプで朝を迎え,朝食後岩石ごろごろのハマダ地帯(hamada)を南下し,大きな村の給水所に寄り,さらに南下し洞窟前でランチを頂きそして岩絵を見物.午後はエネデイー山地を抜け,平坦な砂漠地帯を延々と走り,やがてカライ北のキャンプ地に着くまでの写真を載せました.
カライ北付近のマップmap around north Kalait
サビニャラ16からカライ北17までのルートを赤いトラックで示した.
別窓で大きなチャド付近Googleマップを開くサビニャラの朝morning at Sabinara
サビニャラの朝はいわし雲で明ける
サビニャラの朝はいわし(あるいはサバ)雲で明けた.なかなかきれいだ.砂漠でいわしやサバのせめて外観だけでも思い起こさせてくれるのはおもしろい.魚は好きなのだ.
サハラの民にいわしやサバの発想は多分なかろうが....はてどんな名か?ちなみに英語では同じ発想のmackerel skyなる言い回しがあるらしい.
スタッフの皆さんが朝食準備中
スタッフの皆さんはいろいろ朝食を準備してくれた.お陰様で私達は間もなくありつけそうだ.
サイト周辺のニャラを見て回る
朝食を頂いた後,周りに林立する奇岩ニャラを見て回った.
かわいいプードルも見える.近づくと巨大だ.
タイヤ空気圧を調整
これまで砂丘が多かったのでタイヤ空気圧は低めにしていた.スタックされたときはさらに下げていたこともある.
今日からは砂丘はなく,岩石床ハマダ地帯や,砂地でも比較的平坦で,道が付いているところが多くなる.ということでコンプレッサーで空気圧をまた高く設定し直している.
ハマダ地帯を行くgo through hamada Area
サビニャラを出るとハマダ地帯
サビニャラを出ると直ぐに岩石床のハマダ(hamada)地帯に入った.そして写真のように所々には舗装が施されている.カーブや傾斜のあるところに限定されているが,安全確保のためであろう.通してではなく所々に,つまり破線状の舗装であるところが財政の厳しさを物語っているようだ.
ハマダ地帯の羊の放牧
ハマダ地帯ではあるが,土が露出した部分があり,そこには何とか草も生えている.羊は他の家畜に比べて少ないように感じるのだが,ここでは羊らしくある程度まとまった数の群れが行く.
ラクダの群れも行く
ラクダの群れも悠々と歩いて行く.荷物を背負っていないのでこれから朝の餌場に向かう場面か.依然としてハマダ地帯ではあるが,背後には大きな樹木も見えるし,草をはえている.ワディの地下水脈があるのであろうか.
ニャラの間のハマダ路を進む
砂岩のニャラの間をハマダ路が通っている.まだエネデイー山地の範囲に含まれるエリアなのであろう.
給水所water Supply
筵市かな
ハマダ地帯を抜け,普通の砂の地帯になった.そして暫く行くと大きな村が見えた.その村の一画では広げた筵や丸めた筵が多数見える.さらにアラブ風黒装束の女性が集まっている.
この光景から想像するに,筵市,つまり生産者と購買者がここに集まって,筵取引を行う市場かな?
村の住宅に筵は多用されている
村の住宅の屋根や壁,それに塀にも,写真の通り筵は多用されている.やはり上写真は筵市以外なかろう(他に思いつかないだけ)
給水タンクのある井戸
この村の設備で,給水タンクのある井戸だ.大きな集落だけに水消費は多く,一々つるべで汲み上げていては間に合わず,そこで常時ポンプでタンクを満たし,バルブを捻れば水が出るようにしているようだ.
私達の水タンクもここでいっぱいにさせてもらった.
給水所隣接住宅の畑
給水所に隣接住宅があった.そこのお宅にはこぼれた水が流れてくる.文字通りおこぼれで,これを利用して庭の畑に灌漑している.ささやかな量の野菜ながら,瑞々しく生育している.
悪い人が居ないとも限らないので,畑は筵塀でよく囲っている.
畑の縁の花
上畑の縁にはこんな花も咲いていた.特段きれいと言うわけではないが,何しろ砂漠で花は珍しいので撮ってみた.やはり水があれば,いろいろな植物が育つのですね.
給水所近くで洗濯
この辺りはまだ電気が来ていないようだ(揚水ポンプは多分内燃機関で回しているか).すると洗濯機はないので,この女性のように手洗いになる.なかなか大変だ.ただ空気が乾いているので天日干しで直ぐ乾き上がるとは思われる.
なお背後に見える立派な建物は実際は稼働していない学校ではないかな.
洞窟前でランチlunch at a cave
洞窟前に到着
給水所から暫し走ると,砂岩岩山前に到着した.岩山には複数の洞窟があり,岩絵もあるという.岩絵は久しぶりで楽しみだ.
お向かいの洞窟に入ってみる
お向かいの岩山にも洞窟があり,先ずはここに入ってみる.洞窟は内部でかなり分岐しており,よくこんな風に洞ができたものだな~と思う.
先ず丸い頭の人々の絵
ここでは細い胴体,丸い頭に両手前腕を外側に反らせたポーズの女性トリオで,以前見た構図とよく似ていると思われる.作者が同じか,若しくは当時の流儀として決まった形式だったのでしょうか.
抽象化された家畜囲いか,単なる幾何学模様か
これは上三女性像の右側に描かれていた.かなり抽象化され,また装飾要素を付加した家畜囲いでしょうか.それとも単なる幾何学模様か,或いは昆虫を抽象化したものか.....
いろいろ想像は尽きないが,他では見なかったタイプで,甚だ謎めいている.
牛などいろいろ
先ず左上はこれまでもよく見た牛の親子だ.ただ親牛全身が白いのは珍しい.
右上の多数の柱の上に白いコーン型屋根は住宅ではなかろうか.なぜなら数千年隔てた今もハジャライ族など部族によっては似たような住居に住んでいるではないか.
中央(牛に上)の白い2本脚の鳥,これは斜め後ろアングルから観たダチョウで,地面の虫を啄んでいる姿ではないでしょうか.つい最近までこの辺りにはダチョウが多く棲息していたが,戦時リビアなど外国のイスラム兵がハラール食品として好んで食したため,今はほぼ絶滅したということだ.
一番下,斑のある牛.これも初めて見る牛だ.これまでは腹部や乳部の白い牛の図は頻繁に見てきたが,白いまだら模様はなかった(格子状に抽象化されたものはあった).多分ホルスタイン種のような牛は当時も飼われていたのであろう.なお角は現在のアフリカの牛同様とても大きく立派である.
以上述べたことはE先生のレクチャーに基づくものではなく,全てカナジーの勝手な解釈である.
日陰に戻り昼食を頂く
洞窟のあと元の日陰に戻り昼食を頂いた.しまった写真撮らなかったので何だったか思い出せない.
デザートは多分スイカではなかったかと推定,スイカはいつも美味しい.
ケーパーの蕾と花
ランチ場でトゲのある木にケーパー(caper)が咲いていた.素人目には,花びらは葉っぱで,シベだけの花のように見える.
私は知らなかったが蕾(左側)には苦味を含む風味があり,料理の薬味やサラダのつけ合わせに用いられるそうだ.またよくピクルスにも加工されるらしい.
エネデイー山地抜けたPast Ennedi
食事が終わり,再び南下
食事が終わり,ランクルに分乗し,南下を継続した.エネデイー山地エリアを抜けたのであろうか,だだっ広い砂の大地が見える.舗装は一切なく,4WDでなければ進めないところだ.
そして前方にラクダがこちらを眺めながら通り過ぎるのを待っている.車を警戒する様子などさらさら無く,悠然としている.
羊の一団
そのうち羊飼いに引き連れられた羊の一団とすれ違う.羊はラクダと違って人が付きっきりでないとならないのだろう.手がかかる.
左側のバイクの人たちは羊とは...関係ないかな.
カライ北に着くget to north Kalait
走りまくり陽が低くなり,牛も戻る
ランクルは砂の上を走りに走った.やがて陽の位置は低くなりかけ,眺めは赤味を帯びてきた.
牛も餌場から自主的に飼い主のもとに戻る途中のようだ.牛も手がかからない.
カライ北のキャンプサイトに到着
そしてカライ(Kalait)北のキャンプサイトに到着した.カライは往きでも一泊した町だがキャンプサイトは少しずれており,も少し南だった.まったく同じでは面白くないので変化を持たせてくれたのだと思う.
到着すると車から荷物を下ろし,ビール冷やしにかかり,そして風と反対側が入り口になるようテントを張る.この日は強風で,風の方向を避けるのは当然として,それでもシェラフも顔も,髪の毛も.....明日は砂まみれの朝を迎えそうだ.
カライ北の陽は沈む
いつものようにテント張りが終わると陽は沈む.尤も暮れて暗くなったら張るのが大変だから当然だろうが.でも結構ギリギリですね.その点,山ではテント張りは随分早い時間から行うことが多い.正に山と砂漠の違いほと大きい.
さて明日は往きとは違って西側のルートを進む予定になっている.どんなかな~