カッパドキアCappadocia

このカッパドキア編ではカッパドキアへ行く途中の風景,カイマクル地下都市,ギョレメの谷,ウチヒサール,カーペット工房,鳩の谷,パシャバー,陶磁器工房,デヴレント渓谷の写真を載せました.


カッパドキア付近のGoogleマップ

マーカー10で示すのがカッパドキアで,アナトリア高原に位置している.奇岩や初期キリスト教遺跡などで有名なところ.

カッパドキアへgo to Cappadocia

アクサライを過ぎる

アクサライを過ぎる

スルタンハーヌのキャラバンサライに寄った後,なおも東進を継続した.そしてここもやはりシルクロードの要衝であったというアクサライを過ぎる.なおカッパドキアと云うのは街ではなく,エリアの名前だそうで,アクサライから後日訪れる予定のカイセリまでの範囲を指すという.

アクサライの先も緩やかな丘陵地帯が多く,麦の緑が鮮やかだ.


ユルギュップのPerissia hoteに到着

ユルギュップのPerissia hotelに到着

後述のカイマクル地下都市に立ち寄った後,カッパドキアの街ユルギュップ,その少し郊外にあるPerissia hotelに到着した.ここでは二泊するのでゆったりできよう.

部屋に入るとテーブルにはフルーツバスケットが置いてあった.前日シデのホテルで不手際があったとしてDorak社がお詫びで差し入れてくれたようだ.中まで赤いイチゴと酸っぱい青梅(ちょっと食べられない)が珍しかった.


ユルギュップのホテルからの眺め

ユルギュップのホテルからの眺め

この日の朝は観光予定がなく,ホテルで目覚めると既に陽は高かった.窓から眺めると奇岩ぽい大地にポプラが茂るいかにもカッパドキアの光景が広がっていた.

2本ミナレットのモスクのドームはしばしば見かけるような金属製で光っている.開閉蓋があれば天体観測用ドームと同じようなもので,多分アルミ合金製,軽量高強度の大型ドームを建設できるのであろう.



下は,カッパドキアへ行くときとユルギュップでの写真

カッパドキアへ行くときとユルギュップでの写真
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カッパドキアの歴史

カッパドキアは長い歴史の中で色々な政権によって支配を受けるが,今回の観光に関わる大雑把な歴史の位置付けは下図のようである.

カッパドキア観光に関わる歴史年表

カッパドキア観光に関わる歴史年表


ローマ帝国の迫害を受けたキリスト教徒がカッパドキアで洞穴を掘って,偶像を置いて信仰を守った歴史が記されている.


カッパドキア地方ユルギュップの通り

ユルギュップの通り

この日の午前はフリータイムで,ユルギュップの街を散歩してみた.ホテル前の通りにはトルコでは仏語と同じ発音なのかOtelと綴られるホテルが幾つか並び,ダムサ川を超えて,繁華街に入ると小型のロッジ風ホテルが多くなる.写真のようなカフェも営業を始めている.歩道には大きな木も茂りなかなかいい通りだ.


洞窟の掘られた岩山

洞窟の掘られた岩山

左手の商店街に入った駐車場からは典型的カッパドキアの眺め,洞窟の掘られた岩山が直ぐそこに見られる.こうした岩山はカッパドキアのあちこちにあるのであろうが,ここユルギュップにもあった.迫害を免れるため掘られた帝政ローマ時代のキリスト教教会から貯蔵庫,住宅までいろいろあるようだ.写真のようにモスクも建てられているから,洞窟掘りが禁止された近年ではなく,ここはそれなりに古くから掘られたのではなかろうか.


ユルギュップ商店街の新しいモスク

ユルギュップ商店街の新しいモスク

入り口の門にDUAYERl GAMii(Gamiiはモスクのこと)1976と記されていた.かなり新しい.僅かに異なる色のレンガを積み上げた模様が美しい.


ユルギュップ商店街で訝しがられる

ユルギュップ商店街で訝しがられる

ユルギュップ商店街のオープンカフェで朝食中の皆さんの脇を歩いて行った.多分あまり観光客は来ない辺りだと思う.で,「どうしてこんなところで東洋人が歩いているんだ?」とばかりに訝しがられ,疑惑の目を向けられた.これに怯まずシャッターを押したのもかなり厚かましかったとは思う.


カッパドキアのユルギュップ博物館(Urgup museum)

ユルギュップ博物館

脇の商店街からメインストリートに戻り,坂を少し登ると無人だったがインフォメーションセンターとユルギュップ博物館(Urgup museum)が並んであった.小ぢんまりした博物館ながら古代の大型動物の化石から,紀元前の陶器,写真のようなビザンツ時代の発掘品などが展示されていた.規模こそ郷土博物館の範疇であるが,歴史あるトルコならではの長いレンジの出土品に感心する.



下は,ユルギュップでの写真

ユルギュップでの写真
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ユルギュップでの写真 ユルギュップでの写真 ユルギュップでの写真 ユルギュップでの写真 ユルギュップでの写真 ユルギュップでの写真

カイマクル地下都市Kaymakli underground city

カイマクル地下都市内部

カイマクル地下都市内部

キリスト教徒がローマ帝国の迫害を逃れて地下に8~9層もの地下都市を掘ったそうだ.多層の深い部屋までの通気を確保するための縦穴換気坑を覗くと奈落に落ちそうで怖い.キリスト教徒には不可欠なワイナリーが備えられているし,礼拝堂はもちろん学校のスペースもあったようだ.また何しろ逃れてたて篭る場所だけに重量級回転ドアなども備えられている.入り口より大きいが,内部で切り出された石を丸く成形したようである.

地下室の壁は脆くまた比較的柔らかそうなので,掘り易いと思う.反面崩れ易い訳でもあり,危険も伴っていたのではなかろうか.真っ暗な中での生活は想像を越える大変さだと思うが,外気変化の対する恒温維持性だけには有利で,近年も暮らしたり,或いは観光用にホテルやレストランとして活用されてもいる.


下は,カイマクル地下都市の写真

カイマクル地下都市での眺め
カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め カイマクル地下都市での眺め

カッパドキアのハッサン山(Mt. Hasan :3268 m)

ハッサン山

カイマクル地下都市を見て,ホテルに向かうときカッパドキアの代表的山の一つ,ハッサン山(Mt. Hasan :3268m)(だったと思う.もう一つはエルジエス山(Mt. Erciyas :3917m)

ハッサンはイスラム圏でよく聞く人名でもある.山名もイスラムに因むのであろう.高い山なので頂きの雲がなかなかとれないのは残念だ.


ギョレメの谷Goreme Valley

ギョレメの谷洞窟レストランでランチ

洞窟レストランでランチ

先ずは洞窟レストランで昼食となった.柱がない広間の天井はどうやら落ちることはないようだ.広い店内には日本人,韓国人,フランス人....いろいろ座っていた.

マスの料理だったが,カッパドキアはワインが名産との触れ込みがあり,赤を飲んでみた.まあ美味しかった.何よりイスラム国でワインもビールも殆ど自由に飲めるのはいい.


ギョレメの谷

ギョレメの谷

丘の上からギョレメの谷を覗きこむとこんな風に見える.谷には草地の中ほどに結構多くの住宅やモスクが展開されている.白い岩(凝灰岩?)の山にはやたらめったら掘られた洞窟が目に付く.

谷の向こうに立ち塞がる壁の赤っぽい色合いはアリゾナのグランドキャニオンのそれに若干似ている.ただそこの地質は洞窟が掘り難いのかあまり穴が目立たない.



下は,ギョレメの谷のいろいろな写真

ギョレメの谷での眺め
ギョレメの谷での眺め ギョレメの谷での眺め ギョレメの谷での眺め ギョレメの谷での眺め ギョレメの谷での眺め ギョレメの谷での眺め

ウチヒサールUchisar

ウチヒサール(Uchisar)とは『3つの要塞』の意だそうで,この辺りでは高いところに位置しているようだ.つまり山城として機能したのであろうが,それはヒッタイトの時代から既にそうであったらしい.いや~古いですな~!

要塞であるから兵や兵糧を納める部屋が必要で,横から穴が掘られたのであろう.しかし見るとかなり痛々しい感じではある.多分この辺りを含めて『ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群』としてユネスコ複合遺産に登録されているのであろうが,ウチヒサール部分に関してはは多分文化遺産としての視点で認められたのではなかろうか.


ウチヒサール(Uchisar)ウチヒサール(Uchisar)

カーペット工房Carpet workshop

Golden Yarn カーペット工房に案内してもらった.ここのカーペットはウールとシルク,それにコットンが使われるそうだが,先ずは繭の糸端を引っ張りだすのを見せてもらう.たらいに浮かべた繭を木の枝で掻き回すと自動的に木の枝に端が引っかかってくる.似たようなのは中国でも見せてもらったことがあるが,ここの木の枝が同時に多量の糸が絡まるように見えた.

次は織子のおばさんがデザイン図を前にせっせと織る様子を見せてもらう.カッパドキアの織り方はダブルノット(Double Knot)と呼ばれるもので,2本の縦糸に,横糸を通し双方の縦糸に結びつける.なので一般的なシングルノットと比べてほつれ難く,丈夫であるそうだ.

ヘレケ(Hereke)と呼ばれる世界的ブランド(国際賞をとっているそうだ)のシルクカーペットは1cm2の中に100以上のノットが結ばれ,大変高密度で,またイスラム遊牧民伝統の絵柄は世界的にも有名だそうだ.ただイスラム諸国あちこちのカーペットの話を聞く機会があると,どこもうちのは素晴らしいと売り込んでくる.もちろん良いには違いないとは思うが,高価であるのも確かだ.なおヘレケはこの辺にあるのではなく,イスタンブールの60km南東にある小さな村だということで,そこからトルコ各地に技法が伝わったようだ.

カーペット工房カーペット工房
カーペット工房カーペット工房

一通り織りを見せてもらうと大広間に案内され,商品のカーペットが広げられた.ダブルノットに加え,リバーシブルできるのもカッパドキアカーペットの特徴だそうで,裏にコットンを用いたものはその面を夏用に使うと涼しいらしい.コットンを使うので比較的安いとも.

たくさんの見本が広げられ,これまた驚くほど大勢のセールスマンが売り込みにかかった.高価なものであるし,張る部屋に適しているかどうか判断しにくいし....でも何人かの方が買い上げて拍手が聞こえ,ほっとした.

鳩の谷Pigeon valley

鳩の谷の鳩

鳩の谷の鳩

鳩の谷を見下ろす丘に来た.鳩の谷の由来は,単純に鳩がたくさん棲んでいた谷だからだったようだ.

谷を覗きこむと,どうやら小川が流れているのか,そこにポプラが茂り美しい.

谷の先の山は頂上に至るまで洞窟が抉られ,8合目くらいまでびっしりと建物で包まれている.見事なまでの貼り付きようで,みんなどのように生計を立てているのかな~?と人ごとながら些か気になる.



下は,鳩の谷の写真

鳩の谷での眺め
鳩の谷での眺め 鳩の谷での眺め 鳩の谷での眺め 鳩の谷での眺め 鳩の谷での眺め

パシャバーPasabag

パシャバーのキノコ岩

パシャバーのキノコ岩

奇岩が並んでいる.キノコ岩とか,煙突の形に似ており,中に妖精が棲んでいるとかで妖精の煙突などとも呼ばれるそうだ.

上部の傘部分は鉄分が多く,侵食され難い岩で,その下は侵食されやすい甚だ石灰分の多い岩なのだそうだ.よく見えると,さらにその下(最下部)は中間部より侵食は少なくなっており,成分は上2層の中間的なものなのであろうか?



下は,パシャバー辺りの写真

パシャバーの写真
パシャバーの写真 パシャバーの写真 パシャバーの写真 パシャバーの写真 パシャバーの写真 パシャバーの写真

陶磁器工房Ceramics studio

陶磁器工房でろくろを回す陶工

ろくろを回す陶工

Venessa Seramik(Ceramic)の工房を見物した.ろくろを回す人は若いが名の知られた陶工の方(名前は失念)だという.ろくろは電動ではなく,下部に大きなフライホイールを付け,それを脚で蹴って回すタイプだ.今回しているのは赤い粘土なので,比較的低い温度で焼成する陶器が出来上がるのであろう.作っているのはシュガーポットで,この後蓋を作って見せてくれたが,ものさしとかで測ることなくピタっと容器側に蓋が嵌まった.ここで拍手!


陶磁器工房で絵付けの女性

陶磁器工房で絵付けの女性

手書きで絵付けしていた.ここがスクリーン印刷等で量産する一般的な焼き物と異なるところだ.手間が掛かるがプリントでは出せない味が出るといい,実際出来上がったブツを眺めると素晴らしいものが多かった.絵柄はトルコの花チューリップをあしらったものなど,伝統的デザインが多いようだった.

もちろん名工の作品はさすがであるが,手軽に手を出せる金額でないのは言うまでもない.



下は,陶磁器工房の写真いろいろ

陶磁器工房での眺め
陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め 陶磁器工房での眺め

陶磁器街

陶磁器街

見物したVenessa Seramik社の辺りは陶磁器の会社でいっぱいだ.軒先に商品を並べ,販売している.もちろんこのような商品の多くは日用品が多いであろう.絵柄は随分濃く色付けされたものが多いようだ.


デヴレント渓谷the Devrent valley

そろそろ陽も落ちようという頃,デヴレントの谷にやって来た.カッパドキアではありきたりの風景の一つだがラクダ(左上写真)が見えるというのがウリだ.削ったのではなく,昔から自然に出来上がったのだそうだ.

デヴレント渓谷デヴレント渓谷
デヴレント渓谷デヴレント渓谷

さてこうしてカッパドキアの観光は終わった.天気が良くて助かった.明日はシリアに近いガジアンテップに向かう予定だ.



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