ゴブスタンGobustan

石器時代の遺跡があるというゴブスタンは興味深々,さてどんなところか.

ゴブスタンの岩絵The Rock Engravings of Gobustan

ゴブスタン遺跡

ゴブスタン遺跡

ゴブスタンはバクーからおよそ南西50kmに位置している.ここで石器時代の岩絵を見るのだが,これらは1930年代半ば,石切り場の労働者によって偶然発見されたものだそうだ.一帯は大きな岩がごろごろしており,石切り場には好適であったであろうことが窺える.

1939年になってアゼルバイジャンの考古学者アイザックジェファザデ(Isaak Jafarzade)が考古学的調査を始めたそうだ.その結果,750個の石とそこに記されたおよそ3,500枚の絵が識別され,文書としてまとめられたようである.見学したとき岩には番号が振ってあったが,そのときの参照番号なのかも知れない.現在国の保護下に置かれ,野外博物館の扱いになっている.

ゴブスタン遺跡洞窟の壁画

洞窟の壁画

ここは元々は洞窟で,後世の地震で天井が開いたとされているところらしい.石器時代の住居として使われた痕跡があり,壁には人,牛,シカ,ヤギ,馬などの動物が描かれている.アシアさんの話ではゴブスタンで最も古い岩絵は42,000年前のもので,多くはそれより新しく,概ね10,000年前以降であるようだ.眺めることはできなかったが資料を見ると,さらに下ってアレキサンダーが遠征した頃のギリシャ文字の落書き,ペルシャ侵入後のペルシャ文字などもあるようだ.

ボートと男の絵

ボートと男の絵

この絵は入り口近くにあった.長いボートは葦船のようなものであろうか?人の絵で,男性は足が強調して描かれている.牛,シカ,ブタ,ヤギ,ライオン,ガゼル,馬,野生ろばなどの動物はゴブスタンでは最もよく現れるモチーフのようであるから,狩りは立派な脚の男性の重要な役割であったのであろう.

ボートがどういった意味合いを持つのかについては聞き逃した.資料を見ると,ノルウェーの探検家でスカンジナビアの先祖が,アゼルバイジャンのこの地域から来たことの可能性について言及したことはあったようである.

岩絵のほかに,4人の妊婦(大きなお腹が写実的に描かれていた)の絵の前にある平らな岩のある産科クリニック跡,岩に大きな窪みを穿ち,水瓶にしたところや,中が空洞で石でたたくといい音がする共鳴石などがあった.


下は,ゴブスタン遺跡の写真あれこれ

ゴブスタン遺跡の写真
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ローマ遺跡Roman Ruins

ローマ時代の名が刻まれた石

ローマ時代の名が刻まれた石

ゴブスタンの丘を下ったところにローマ帝国時代の長い名前の,多分皇帝の名,アウグストス何たらかんたら....が刻まれているという岩.目を凝らすと確かに凸凹は見えるが殆ど文字には見えない.老眼のためか?何れにしても,ローマ帝国が強大で,この辺りも支配下に置かれたのは確かであろう.

地方の風景Local Scenery

バクーとゴブスタンの間は半砂漠のような光景だ.家畜は所々に見られ,集落の住宅屋根は比較的凝った形のものがあって,少し東洋的な印象も受ける.

バクー郊外の風景バクー郊外の風景
バクー郊外の風景バクー郊外の風景


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