このバクタプル編では,2017年5月29日,バクタプル市内を見物したときの写真を載せました.
バクタプル(Bhaktapur)はカトマンドゥの東,比較的近くに位置している.クリックで別窓の大きなGoogleマップが開きます.
現在は機能していないがその昔宮殿が置かれた時代にはとても大事な水場だったという.バクタプルにはここだけではなく数カ所あったようだ.
道端の塀に刺繍作品を掲げて販売している.刺繍された部分は大きく膨らみ,立体感がある.この椅子の人達自身の作品なのでしょうか.
カトマンドゥやパタンにも存在するダルバール広場は王宮広場の意だそうだ.
右はパシュパティナート寺院で,1492年の建立,バクタプル最古という.シヴァの化身のひとつであるパシュパティを祀っているそうだ.カトマンドゥのパシュパティナートをモデルにしたらしい.
中央に瓦礫が見える.これは以前ここに建っていたバトサラドゥルガ寺院が2015年4月大地震で完全に壊れた跡のようだ.なおバクタプルの地震被害は甚大だったようで,他にも崩れたレンガが堆積した場所が幾箇所か見られた.
壊れたバトサラドゥルガ寺院の左に位置し,石柱の上に立てられている.ブパティンドラマッラ王(在位1696~1722年)がお祈りをしている姿だそうだ.
左は1745年,ランジットマッラ王によって造られた旧王宮の入口門,その右は55窓宮殿で,1427年ヤクシャマッラ王の統治時代に建てられ,17世紀ブパティンドラマッラ王によって再建されたという3階建て宮殿.数えると55の窓があるそうな.
55窓王宮前のヒンドゥー寺院にサドゥーが座っていた.瞑想ではなく物乞いをしていたような....
ダルバール広場にある階段で,両側の石像が興味深い.特に最前列,得体の知れない動物を伴った人物像は面白い.中国風,いやペルシャ風....のような.
横丁は商店街だ.通りは狭く,両側に各種お土産店や雑貨店が揃っている.
左端の店主がアーチストで,自作アートを販売しているのであろう.この人の場合,ネパールの各地風景や,人物を得意としているようだ.
他には曼荼羅や仏画を専門とするお店も目にする.
パペットを販売している.顔は子供向けではなく,チベット仏教のマスクダンス(チャム)の,しかも怖い外観のマスクである.さらに纏うにはシェルパ族やチベッタン女性の好む横ストライプデザインだ.
これで実際操り動作されると,ちょっと怖いかも.
バクタプルは陶器の街として知られるそうだ.実際歩いていると工房や,焼成用藁を積んだ場所や,できた陶器を販売しているお店が集まった一画を見る.
完成品を見ると,素焼きや単純な色合いのもので,多分焼成温度の低いものであろう.
写真の方は,道端の工房でろくろも廻していた.さて作っていいるのはこの辺りで多い貯金壺か?
ここはある工房の店先.ろくろで作られた細い入り口一つ開いた貯金壺を,奥さんが干すために道端に並べている.お金が入り切らなくなったら,割って,貯まったお金を使うそうだ.
手前の穀物を製粉しているようだ.本物の臼と杵での作業を見て(多分初めて),童話の挿絵のように感じられた.でも穀物ではなく,もっと貴重な例えば薬草とかなのでしょうか.
バクタプル名物ズーズダウ(JuJu Dhau)の看板があった.ヨーグルトの王様と呼ばれ,これまたバクタプル名産素焼きの容器に入れて売られている.ただ今回は食べる機会がなかった,残念.
それにしても,ネパール語ダヒ(Dahi≒ヨーグルト)の訳語は中国語(簡体字)だけ記され,近年のパワーを知らしめられる.
五重の塔で,1702年プパティンドラマッラ王により建立され,当時カトマンドゥ盆地では一番高い30mの高さがあったそうだ.
石階段両側には,下から順に伝説の戦士ジャヤマッラとパッタマッラ(下に載せたダッタトラヤ寺院にもあり),象,獅子,グリフィン,女神の石像が守護神として1対ずつ置かれている.石階段は結構急だ.
トゥマディー広場の片隅にかなり粗末な扱いで置かれている.山車の車輪と車軸だと思われる.車輪,車軸共に木製なのであまり大きな負荷や,長時間の稼働には向かないだろう.組み立てられた状態も見てみたいものだが.
ネパールは海がないので川魚であろう.大きいのは鯉またはその仲間のようだ.ナマズは水槽で生のまま売られている.
ダッタトラヤ寺院は1427年,ヤクシャマッラ王の統治時代に建立され,1458年にビシュワマッラ王により改築されたそうだ.さらに1958年の改築で増築され,3層になった寺院はヒンドゥーの三位一体神を表しているそうだ.
写真はその前に立つ像で,伝説の戦士ジャヤマッラとパッタマッラであり,二人はブッダの従兄弟であるとされるため,仏教徒にとっても意義深く,ヒンドゥー,仏教の両教徒が参拝するという.
確かに背後左に仏教の法輪,右にシヴァ神のトリシューラ(三叉の槍)が掲げられ,いかにもネパール的に映る.
この建物は元々15世紀ヤクシャマッラ王の時代(上記ダッタトラヤ寺院建立と同時期)に造られ,途中改築され,ヒンドゥー僧院として使われ,現在は木彫博物館になっているという.
写真左端,建物外側にあるは孔雀の窓で,ネワール工芸美術の最高傑作と評価されているそうだ.なお孔雀以外にも細やかな彫刻が嵌め込まれている.
バス停(バスは走ってないが)風の休憩所があちこちにある.こうした場所に屯しているのは大抵私くらい,あるいはそれ以上の歳の爺さんである.早い話暇な人が休憩し,一般に忙しそうな女性がここで休憩している場面には遭遇しない.
なおここに集う人たちには,ある種のドレスコードがあり,例えばピアス(普通金の)を着けるのは77歳以上,と云った掟があるそうだ.へえ~
こうしてバクタプル見物を終えると私たちはまたマイクロバスでカトマンドゥに戻った.