この戻りカトマンドゥへ編では,2017年5月29日朝ポカラからカトマンドゥに飛び,一旦バクタプル観光に出かけた後,カトマンドゥに戻りヒマラヤ蕎麦を頂く.その後スワヤンブナート見物に出掛け,戻るとアンナプルナホテルにチェックインし,寛ぐ.夜になりネパリーディナーショーを楽しみ,ネパール最後の夜を過ごした,そんな様子を撮した写真を載せました.
ポカラのバラヒ(Barahi)ホテルで夜が明けた.バルコニーに出て外を覗くと曇り空だが,まあまあか.バナナやヤシの木を見ると,やはり南国風だ.やはり600mほど標高の高いカトマンドゥとは植生が結構違うようだ.
庭を通りホテルレストランに行き,朝食を頂いた.腹痛が相当回復したが,大事をとって軽めにした.
ところでこの庭の写真真ん中の木はマンゴーだそうで,見ると青い実を付けている.ただ小粒で,食べられるようになるのはまだ先であろう.それにしてもマンゴーまで採れるとは羨ましい.
朝食後,専用マイクロバスでポカラ空港に行き,少し待ち,イエティ航空機に搭乗した.機材は往路と同じ29人乗りターボプロップ双発機Jetstream 41だった.
そして機は予定通り離陸し,カトマンドゥに向かった.
Jetstream 41は30分ほどのフライトでカトマンドゥに到着した.途中雲のため,アンナプルナやマナスルなど何も見えなかった.まあ,今の季節見えないのが普通であろう.
なおこの機のコパイロットは写真の女性だった.女性活躍してますね~
カトマンドゥで降りるとき改めてプロペラを眺めると5枚羽根のようだ.Jetstream 41でググってみると,575馬力ターボプロップエンジン(減速機付き)2基で,最大速度546km/hと,ターボプロップにしてはかなりスピードが出るようだ.
カトマンドゥ空港国内線ターミナルから出ると,カトマンドゥ都心には行かず,マイクロバスで一旦,観光のためバクタプルに向かった.
バクタプルはカトマンドゥの直ぐ東で,幾らの時間も要せず,30分くらいの予定だそうだ.
バクタプル見物を終え,カトマンドゥに戻った.そしてホテルサンセットビュー(Hotel Sunset View)一階に店舗を構える『ヒマラヤ蕎麦処』を訪ねる.
店主は,ジョムソンの少し南にあるトゥクチェ村(標高2,590m)出身,その昔戸隠村でそば打ち修行したことがあり,また奥様は日本育ちと聞いた.
そしてそば粉は当トゥクチェ産で,それを手打ちで作っているという.う~ん,いかにも美味しそうだ.
これが出してもらったそば御膳,とっても美味しく,本来まだ抑えておくべきところだったが,殆ど全部平らげてしまった.最高でした.
表の400段階段から上ると長いので,手っ取り早く上まで歩けるスワヤンブナート裏口(正式名不明)に車で到着した.スワヤンブナート(Swayambhunath)は一部ヒンドゥーの要素が加わっているとも聞くが,基本的には仏教寺院で,着いた辺りでもチベット仏教の赤い袈裟を着けた若いお坊さんの歩く姿が見られる.
スワヤンブナートはモンキーテンプルの別称があるように猿が多い.信仰の対象にもなっており,保護とまでは言えないまでも,しばしば引ったくり事件など起こしながらも駆除はされないそうだ.
さてこのお猿さん,一丁前と言うか,人並みに,片手でアイスバーのバーを支え,口にしている.なかなか堂に入ってるもんだ.
階段を上り始めると,白いチョルテン,無数のタルチョー,五色のダルシンの脇を通過する.壮観だ.
白いチョルテンは四方に半眼の目(ブッダの知恵の目,ブッダアイ)とクエスチョンマークのようなものが描かれている.後者はネパール文字の1で,万物の統一あるいは悟りへの道を象徴しているという.
さて頂上に着いた.やはり先ずは白いドーム状に四方にブッダアイの高さ15mの黄金仏塔に目が行く.これはチョルテンではなく,マハ(大)チャイテャ(maha caitya)と呼ばれるらしい.
ブッダアイのある4平面と,上部の円錐状輪っぱの金色が輝くさまはとてもきれいだ.
ところでこうしたブッダアイやクエスチョンマーク様アイコンのついた仏塔はチベットやブータンでは原則的に見られず,ネパールだけのデザインであるところが興味深い.なおこれまで歩いてきたムスタンは,今でこそネパールだがチベット文化圏に近いせいかやはりあまり見なかった.またチベットでもネパール建築家設計というギャンツェ白居寺(パルコンチューデ)にはブッダアイの付いた例外がある.
マハチャイテャの周囲にはマニ車が巡らせてある.これを廻しながら一周してみた.結構な数があり,適当に端折って済ませた.ここは参拝者が多くベアリングの摩滅も進むであろうが,さすがちゃんとメンテされ,固くて廻らないというのはなかった.
随分大きなドルジェ(Dorje,金剛杵)が置いてある.これより遥かに小型ながらティジ祭悪魔祓いの儀式で使われる場面を見てきたばかりだ.
なおシェルパ族にはこの名の人がかなりおり,時々出会うし,山名のドルジェラクパ山もよく知られている.
スワヤンブナートには大小色々なお堂がある.中には鍵が掛けられ,一般には非公開のお堂もあるようだ.ここはその鍵を開けて,特別参拝する人の姿があった.熱心な信徒だ.さて祀られているのは.....釈迦牟尼であろうか?
スワヤンブナートの丘は結構高く聳え,ここからカトマンドゥ市内を見渡せる.
お土産店の壁から覗くと,大気の汚れも手伝ってか,茶色の建物が霞んで見える.またその先のヒマラヤは雲に阻まれ全然見えない.どうも今はその時期ではないようだ.
スワヤンブナートの丘を下り,マイクロバスで都心のアンナプルナホテルにチェックインした.往きのときと同じホテルだ.
前と同じように広くいい部屋だ.ただしWiFiは部屋では繋がらないので,下のビジネススクエアまで行く必要がある.それとカトマンドゥでは一般的なことだが,お湯がいくらか黄味を帯びている.
窓を覗くと,涼しい割にプールはやはり結構繁盛している.みんなタフですな~
夕刻になり,今回ツアー最後の晩ということでディナーショー付き夕食のため,写真の健康有機クラブ(Wellness Organic Club)に出かけた.
このクラブは真新しいビルで,アンナプルナホテルから見ると旧王宮の先(北)に位置しているようだ.看板にはスパ,レストラン,ジムと記され,地下駐車場も備えている.
レストランは最上階で,エレベータで上った.レストランはとても広く,周囲はガラス張り,一部オープンテラスを備え,ショーのステージを設けてある.
私がこれまで見たネパール建築の中では,ハイアットリージェンシーホテルクラス,或いはそれ以上の最もモダンな建築に見えた.
先ず前菜を出してくれた.ビールはちょっとマイナーなゴルカブランドにしてみた.ゴルカは2010年のマナスル一周トレックのスタート点で懐かしさを覚えたのだ.味はまあ普通だったと思う.
前菜は美味しい(むしろメインディッシュ以上)のだが,お昼のそば御膳完食の反省から,かなり抑えた.
次にロキシーを注いでくれた.最初容器注ぎ口をお猪口近くにして注ぎ,徐々に上に上げていくのだ.このワザはネパール伝統のようでときどき見せてもらえる.高い位置での注ぎ口とお猪口間の空中には,表面張力で放物線状に維持され,落下しつつある液体(ロキシー)があるのだが,容器からの注ぎを止めても,この空中存在分はお猪口に流れ込む.
このウエイターさんはまだ不慣れなためか,注ぎを止めるタイミングが遅すぎて,しばしばロキシーがお猪口から溢れ出ていた.もったいない.
さてショーの最初はシヴァ神のダンスだ.三叉の槍トリシューラを携えているので,これだけは素人目にも判るのだ.ただシヴァ神は7变化どころか,それ以上に変身するので,そうなると皆目見当付かなくなるが.
シヴァ神のダンスは動きの激しい男性的なものだった.
それとなぜか最近日本のテレビで観たCMを思い起こさせた.ちょっと違うかな?
これがネパリー料理定番,小皿料理(正式名知らず)だ.ダルとバートはデフォルトで,他に青野菜,チキンカレー....など付いていたと思う.これもお昼完食の反省からパス(でも味の想像は付く).
ネパールは多民族国家で,このディナーショーでも諸民族のダンスを披露してくれた.それぞれ衣装や音楽,もちろん振り付けは相当違いがある.しぐさで少し内容が解るものもあるし,抽象的動作で難しいものもある.
そのうち夕闇が迫り,ネパリー料理も平らげた.ごちそうさまでした.そこでお開きとし,マイクロバスでアンナプルナホテルに引き上げた.
さて明日はいよいよ帰国の途に就く.お休みなさい.