このチュクサンへ編では,2017年5月27日のトレッキングマップ,サマルの朝歩き始め,サマルパス,人喰い岩ルートを経て,さらにツェレ村を通過し,ムスタンゲート手前に来て休憩.そしてカリガンダキの河原に降り再び化石探しをし,歩き再開しチュクサン村に到着,今回のトレッキング全行程を終えたときの写真を載せました.
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トレック初日の5月19日は,11:サマルから歩き,10:ツェレ,9:ムスタンゲートを通り,8:チュクサンに歩いた.つまり往路と全く同じ道を逆方向に引き返す単調なルートとなる.
この日のGPS記録では
歩行距離:7.82km
歩行時間:2時間23分
総時間:2時間59分
終点の標高:2,961m
だった.
今日のトレック行程は短いので,スタッフの皆さんがゆっくり目の6時に洗顔のお湯とお茶をテントに運んでくれた.
この後寝袋とか片付け,7時にダイニングルームに行き,朝食を頂く.シェフPさんのお料理はこれが最後だと思う.次からはロッジで出してくれるそうだ.
サマルの村外れでは馬二頭が待っていた.ここで馬組二人は馬に跨り出発.私達歩き組は続いて丘に向け出発した.
それにしても今朝はどんよりした空模様だな~
丘を上って少し平らな場所に,サマル村外れのしるし三色チョルテンがあり,これを通過した.
ちょっと厚かましいが,きっと私達の安全を見守ってくれるでしょう,とふと思いながら.
次に工事中の道を含めて四差路になっている峠,サマルパス(Samar Pass)に着いた.ここには大きな石塚(ラプツェ)が築かれ,やはりタルチョーが掲げられている.そしてここは真っ直ぐの方向に通過した.
この近くでは道路(多分車道)工事中で,飯場であろう大きなテントが見える.従事している人はパキスタン(中国人多し),ブータン(インド人多し)辺りと違って,ネパール人だという.それを聞いてちょっと安心し,感心した.
サマルパスから直進する道は即ち人喰い岩ルート入り口である.
既に他パーティの皆さん,馬のキャラバンは既に先を歩いている.人喰いなので,少なくとも馬は心配なかろう.
先を行く馬の列を眺めていると人喰い岩ルートは下り坂になった.確か馬組の人たちもここでは馬を降りることなく進めたと聞いた気がする(余りに急勾配や足場の悪いところは降りることがあるそうだ).
『人喰い岩』とはどこを指すのか,ちゃんと聞いてなかった.この写真辺りは谷側が開放されているが,山側が削られ,頭上に岩がオーバーハングしている.口を明けた岩に食いつかれる構図と捉えることもできそうだ.ここが人喰い岩なのかな....?
往路眺めたジャカールコーラ対岸のジャカール村はやはりとてもきれいだ.ただ長い吊橋が架かったとは言え,ジャカールコーラの谷向こうは一層秘境的生活にならざるを得ないのかな~と思えてくる.
一旦人喰い岩(ではないかと上述したところ)辺りで高くなったルートはまた下りに入り,先方には下向きにトラバース中の人列や馬列が見える.そしてその下にジャカールコーラの谷底が見えるのだがとても深い.なお殆ど水は見えない.
人喰い岩ルート終盤に差し掛かった辺りで,このような狭い場所があった.砂利混じりの土壁のような岩で脆そうに見える.雨で緩むと谷側の壁が倒れたり.....でも大丈夫だろう,きっと.
人喰い岩ルートが終わり,ジャカールコーラ脇を離れ,そしてツェレ村(Chele)に下るルートに入った.
路面が砂地で滑りやすく,要注意な場所もあった.
暫く歩くと下方に緑地を有するツェレ(Chele)の村が見えてきた.左側に往路最初のテントサイトがあった筈だ.犬のギャンギャンには参ってしまったな~
ツェレは小さな村だが,住宅やゴンパは皆斜面に建てられている.畑はある程度平らでないとまずいが,住居は坂の途中でも構わない(仕方がない)....といったことか?
ツェレ村(Chele)をそのまま通過し,村出口からカリガンダキ(Kali Gandak)に降り続けた.
往路でここを通ったときは台風並みの強風で,顔が砂礫に攻められ往生したが,今回はまだ時間が早いためか大丈夫なようだ.
風が大丈夫なので,カリガンダキを眺め一休みした.下流左岸の緑は今日の目的地チュクサン村だ.
草の生えてないカリガンダキ河原をヤギの群れが行く.どこか餌の草のあるところを探し求めているのか.
カリガンダキの鉄橋を渡り,往きと同じようにムスタンゲート(Mustang Gate)を眺めた.水位は往きのときと同じくらいであろうか.今まで雨らしい雨も無かったことだし,川の水量変化も少なかろう.
往きでもトライしたように,またカリガンダキ河原に降り,化石探しすることになった.ただ今回もまた私の勘は錆びついた包丁のように冴えなかった.
ところでここでは,アンモナイトの化石が多いのだが,アンモナイトはシルル紀末期(4.15億年前くらいか,あまりに昔で想像できないな...)~白亜紀末(6000万年前くらいか)の3.5億年間ほど海洋にいた巻き貝で,それがインド,ユーラシアプレートの衝突(白亜紀7000万年前くらいから始まった)でヒマラヤ山脈が形成され,海底のアンモナイトも地上に持ち上げられ,化石になったということだ.ふむふむ.
化石を探しで相当河原を歩いた(全部無駄骨だが).岸から立ち上がる岩の壁はいろいろ風変わりな模様が見えて面白い.ダクマール村の赤壁(Red Cliffs)ほどではないが結構赤みがあり,縦筋,横筋,それを合わせた格子状....凹凸模様がある.
さて川辺のトレイル少し歩き,最終地チュクサン(Chhuksang)村の入り口に来た.白いチョルテンがたくさん並んでいる.五色のダルシンも立てられている.
チュクサン村に入ると,一層大きなチョルテンの続くトレイルとなり,これを行く.ここもまた信心深い人たちの村だ.一番手前のチョルテンだけはちょっと変わっていて,上下に穴が開いている.はて何の穴だろう.
少し進むと馬組の人たちお二人は既に到着しているようで,馬が休んでいた.
ここは下写真のゲストハウス敷地で,私達もここに入り,トレッキング完了のお茶を頂く.
これまでお世話になってきたバッティとはかなり異なる,非ムスタン的建物に見える.車が入れるようになり,建築資材が入手可能になり,新しい工法の大工さんが育ってきたのであろう.当然『秘境っぽさ』は薄まっていく筈だが,当然ここの人々の生活が最優先で,それに従うべきだろう.
ここでは食事も頂いた筈だが,まだ昼なのでビールはなしにした.ごちそうさまでした.
さてこれでトレッキングは完了した.ここからは4駆でジョムソンまで下り,そこで一泊する予定だ.