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ムッカラはハドマウト渓谷を訪れるときにアデンからのフライトが到着したアラビア海に面した街だ．またここに戻りこの街を観て，次は再びサナアに向かう予定だ．
道路はハドマウト渓谷を抜けテーブル状の台地の上に出る．来るとき通ったのと同じ道だ．道のあるところは概ね平坦であるがそこから周りを眺めると結構起伏のある地形を見渡すことができる．
この辺は標高1,000m以上で水が少ないせいか畑とかは殆ど無い．家の作りはハドマウト渓谷から少し離れただけなのに画期的に変わり，このように石造り平屋が多いようだ．泥が作り難いとか風が強いとか．．．．どういった理由であろうか？野菜はあまり採れそうもないのでいくらかの草を頼りとした家畜の放牧地がいくらか見ることができ，道端でラクダに出会ったりする．
やがて平坦なアラビア海に面したムッカラに着き，ここムッカラホリデイインに入る．入り口近くに綿の木がある，と同行者に教えてもらった．こんな間近に見るのは初めてのように思う．部屋で着替えてこの空いたプールで30分くらい泳いだが，水温はちょうどいいくらいだった．ホテルの中庭は始終多量の散水で緑豊かであるが，屋上から海と反対側を眺めると,ホテル敷地内を除き茶一色で，水のありがたさを改めて知る．
下は，ムッカラへ向かう途中およびムッカラホリデイインの写真
この道路標識で見るとどうやらドーワン方面，と言ってもどんな処か判らないが，に進んでいるようだ．ムッカラは真っ平らな平野ではなく，河岸線まで迫る山がちな地形であるが，つい，また山に行くのか？と錯覚したりする．
やがてこのように岩の上に築かれた建物が現れる．昔この辺りの城で，ゲイジーパレスと呼ばれるそうだ．関所の機能を果たしていたようである．岩の下側には川が流れ，道を挟んで反対側にも城の一部跡が残っている．これからすると関所の好適地であることが納得できる．
小さな漁船が次から次へと入港し，陸揚げされる．陸で待ち構える運搬係りが手際良く一輪車に入れ，すぐ近くの売り場に運んでいく．
大半は丸ごと販売されているが，大きな魚は３枚に下ろしたり，マグロなどは切り身にしたりして売られているものもある．魚料理は幾度か出されたが，下手に香料とかで味付けしていないので焼き魚は素の味で結構いけると思う．ヤマサとかキッコーマンがあればなおいいと思う．
ムッカラの魚市場には野菜と果物の市場も併設されている．いや併設ではなく同等かも知れない．野菜と果物の種類は多い．きっと何日か前に走った紅海に沿うティハマ地方の産物も並んでいるのであろう．近くには集合住宅がたくさんあり，客のかなりは業者ではなく一般消費者であるようだ．
下は，魚市場と野菜市場の様子
このスークは，売り手も買い手も共に女性が多いそうで，女性の市場と呼ばれることがあるそうだ．数で言えばやはり男性の数が多いのであるが，他の都市のスークと比べれば相対的に女性が多いのであろうか？いや，イスラム圏ではそもそも女性が外に出ることも少ないし，まして売り子として，或いは買い物客として街に出ることは少ないのだ．だから「女性の市場」とはあくまで一般の街（極端な街のケースでは全く女性が居ないことも）で見かけるより，この市場では女性の割合が少し多い，という程度のことであろう．．．．ということにしておこう．
下は，女性市場の写真あれこれ
市民の憩いの場になっているのだろう，散歩したり，波打ち際で遊ぶ人影が目立つ．アラビア海の蒼がきれいだ．
ボートが浮かぶ湾に向かって沢山の集合住宅が並んでいる．ちょっとどの国か判別し難い景色のように見えるが，仔細に見ればちゃんとミナレットがあると判るので少なくともイスラム圏であることははっきりする．この辺は背後が岩山，従って浜も岩，そのため砂が舞い上がらず，水が澄んでいるのであろう．
浜辺に沿ってさらに北上する．ホリデイインの方向だ．海水の色が変わるがやはりきれいだ．この辺りは夏になれば海水浴客が多いのかバンガローのような建物が建ち並んでいる． やがて建設中のものも含め新しい建物が多くなり，ホリデイインに戻ってくる．これでムッカラは終わり，ムッカラ空港からサナアに向けて出発だ．
