双子都市コーカバンとシバームは山の上と下にあり,戦乱の世にあっては同盟都市だったそうである.
コーカバンはサナアの北西約50km,標高2,850mの山の上にあるので,どんどん登っていく.とは言っても車だから何のことはないのだが...やはりランドクルーザーは強い!
ところでこの双子都市の歴史は古く,紀元2世紀には既に人が住み着き,9世紀にはこの地方の首都が置かれていた,というから1,000年以上の歴史がある町なのだ,また上下とも同一部族であり,既にそのころから上と下とで軍事と農業で機能分担された街が形成されていたそうな.
ここはコーカバンのホテル,その名もコーカバンホテル(別に結局何と言うこともない名であるが,)のレストラン.待ちに待った(?)お昼だ!!床に料理を並べ,座って食するのがイエメンスタイルだ.鳥とか,トマトや卵などの野菜の蒸し煮(かな?),....などなど.ナンのようなパンはここでは”ホブス”と呼ばれ,なかなか美味しいと思う.
コーカバンのロケーション自体は高い山の上でスゴイ!と思うが,広々とし過ぎており,建物が比較的疎らで,直前に見物したトゥーラとかと比べて城郭としての緊迫感に欠く,と言うか.....あくまで単に個人的に偏った感覚に過ぎないが.....
上述の如くコーカバンは山の上にある.下の街はシバーム,名称自体はハドラマウトのそれと同じだ.シバームはこの地方ではわりとよくある人の名で,双方の地の王様クラスの支配者がたまたま同名であったがために同名の地名になったのが真相のようである.コーカバンは山城であるので守りが堅く,外部から敵に攻め入られた際に,下のシバームの住民がここコーカバンに食料を持って駆け上がって籠城させてもらったのだそうである.そんな訳でシバームの主な役目は食料補給だったそうである.
ここコーカバンから下を覗くとその双子都市のもう一方,シバームの街が広がっているのが見える.でもよく見ると街は茶色っぽく,ちょっと食料が潤沢に補給できるだけの畑があるのかと心配になってしまうが,多分この地方の基準からすれば十分豊かな耕作地があると言えるのであろう.
下は,コーカバンとその周辺の景色
コーカバンとの標高差は350m,しかし下るだけのハイキングなので楽チンだ.やがて目の前にシバームの街が広がり, 家畜が道端に姿を現すようになる.もう直ぐ終点だ.
食料供給基地だったにしては岩だらけの土地だな~というのが第一印象.でも草が生えているから水は十分なのかもしれない.聞いた話では雨季にはちゃんと一面緑になるそうで,その風景もぜひ見てみたいものだ.ただ街はちょっと寂れた感じで,ちょっと取り残されたかな~という印象を受けた.
住宅と小規模なお店が並んだシバームの街に到着してハイキングが終了だ.ちょっともの足りなかったかな~でも,もし逆コース,つまりコーカバンにここから登るのであれば優に3倍の時間はかかるのではなかろうか.ヤッパ楽なコースで良かった!
下は,双子都市シバームの風景